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今日が、残りの人生の最初の1日。

ウォーキングイベントアプリ「WeRUN」が「歩く」ことから世界をつなぐ。社員のエンゲージメントに悩んでいたソフトウェア会社の挑戦。

著者: 株式会社シング

株式会社シングは大阪に拠点を置くソフトウェア会社です。企業向けシステム開発事業を展開する中、社員が簡単にできる「歩く」行為に着目、ウォーキングイベントアプリ「WeRUN」を開発しました。

コンセプトは「みんなで歩こう!つながり生まれる。」健康増進のためのウォーキングイベントには、コミュニケーションを活性化し、人と人との心をつなぐだけでなく、サステナブルな社会につなぐ大きな役割を果たすことに気づきました。

このストーリーでは、日本ではじめての(※)多言語対応機能によって、企業や団体を、国境を超えて一体化するウォーキングアプリへの想いを、代表取締役 楊博に聞きました。

(※2023年5月当社調べ 外国語機能を搭載したウォーキングアプリについて)


企業の組織課題にサステナブルな貢献 「WeRUN」について

社員の健康維持と持続的な企業経営を目指し、従来から日本企業では「健康経営」が推奨されてきました。企業でも社員の健康増進を進める取り組みが増えてきました。社員が健康で長く働ける環境を整えることによって、生産性の向上や人材育成といったメリットを重要視されているのです。一方で、リモートワークの普及により社員の運動不足や孤立化といった問題が顕在化しており、大きな課題となっています。


このような環境下で、企業ニーズに応えるひとつの手段として利用されているのが、ウォーキングイベントアプリ「WeRUN」です。

 


WeRUNは、アプリで計測される歩数を他人と共有することによって、企業や団体で歩数や距離を競い合うイベントを開催できます。「歩く」という誰でもできるもっとも簡単な運動で、スマホさえあれば、年齢や業務内容、拠点や役職を問わず参加が可能です。


コロナ禍で多くの企業の総務・人事・健保組合担当者様から聞かれた悩みは、「在宅で運動が減った。リモートワークによってコミュニケーションが減った。雑談がなくなり、なんとなく社内の活気が失われた」ということでした。

さらには、「世代間交流が少ない。若い社員は飲み会を嫌がる。私的な話に踏み込まない風潮により、一緒に働いている人を知らない。仕事だけの付き合いになりがちで、相談できる人が少ない。会社に不満を持っても、話し合いをする前に辞めてしまう」など、健康増進の裏側に、コミュニケーション不足による組織課題が浮き彫りになったのです。 

これには私たちも共感できました。実は、アプリを開発した自社にも、かつて同じような現象が見られたのです。

一日中パソコンと向かう社員の健康とコミュニケーションをなんとかしたい!

株式会社シングは、もともとソフトウェアの受託開発の会社です。日本人スタッフ以外、中国やベトナムなど多国籍のメンバーが国内外で働いています。顧客ニーズに合わせてシステムを作り上げるため、時には納期に近づくと徹夜業務も発生してしまうハードな仕事です。業務に追われてしまうと、仕事内容ばかりのコミュニケーションになります。そのような中、ある社員はストレスなどが原因で不眠症になり、仕事を十分にできず休職せざるを得なくなってしまいました。


大切なメンバーが戦線離脱せざるを得ないことは、本人にとっても会社にとっても痛手であり、なにより残念な気持ちになります。当時はまだ健康経営という言葉はメジャーでなかったものの、この出来事から、従業員の健康促進に取り組むことは、会社や組織にとって大事であることを痛感しました。

 


私自身はトレッキングや山登りなどのアウトドアが好きで、休みの日にはリフレッシュに出かけていたのですが、時に社員を誘っていっしょに体を動かすと、業務時間では得られない会話が生まれ、人間関係を円滑にできると気づきました。チームビルディングにもたらす効果を実感し、ウォーキングイベントアプリWeRUNの誕生に至ったのです。

企業に心身の健康を!「WeRUN」アプリの誕生

 調べてみると、日本では約6割の事業者において、メンタル問題を抱える社員がいることがわかりました。日本社会において、国⺠の健康寿命の延伸は⽇本再興戦略に位置づけられています。近年では、政府主導で企業の健康経営が推進され、職場におけるストレスチェックの義務化や、健康経営ガイドブックの策定、健康経営銘柄、健康経営優良法⼈等の取り込みが進んでいます。また、ウォーキングなどの運動は、健康状態だけでなくメンタルの問題も改善できることが証明されています。ウォーキングイベントアプリは、多くの企業に役立つ、それだけでなく社会問題の解決にまで役立つと確信したのです。

自ら使わなければ、商品の良しあしは分からない

商品企画にあたって、決めていたことがありました。それは、自分やメンバーが生活の中で使うことです。

そうでなければ商品を改善することができないからです。自分は、商品の一番のファンであり、ヘビーユーザーでなければならないと考えました。


これには、以前に開発したサービスが売れなかった苦い経験からでした。過去に、営業日報支援システムを開発し、販売したことがありました。ニーズがあることは分かっていましたが、今思えば自分ごとではありませんでした。技術者主導でプログラムを組んだために、実際のセールスパーソンに「欲しい!使いたい!」と思わせるサービス内容になっていなかったのです。半年から1年かけて開発した商品でしたが、良い手応えではありませんでした。


そのため、WeRUNは利用者主導でサービスを作り、自分たちが使いたいものにしようと決意したのです。

まず、自らできる限り歩く環境を作らなければと思い、長年乗っていた自動車を手放し、また、テレビを観る時も足踏みをしながら観るようになりました。歩くことが日常になると、事故のリスクを伴い、ガソリンを燃やして空気を汚しながら走る自動車生活がバカバカしく感じました。自分が作った商品によって、私自身は健康的かつサスティナブルな生活スタイルに変わってきたことを実感しました。この実感から、WeRUNを誰よりもお薦めできると自負しています。

WeRUNがこだわった開発の工夫

 開発する上で心がけたのは、できるだけ幅広く多くの方に使ってもらうため、機能を盛り込みすぎないことです。技術者目線で開発すると、余分な機能まで入れてしまいがちです。時間や労力のムダになるだけでなく、ユーザーにとっては使い勝手が悪くなります。デジタル機器を使い慣れない世代の方にも簡単で分かりやすいことを重視しました。

 


とくに、イベントを運営するのは企業の人事・総務、健康保険組合などの担当者さんです。仕事の傍らでイベントを運営していくのはとても大変なことです。社員が健康になっても、担当者さんが疲弊するのを想像したくありませんでした。負担を極限まで減らすよう、シンプルな操作性と画面にしました。アプリをインストールすればすぐに使えるため、運営側も社員の皆さんといっしょに楽しんでもらうことができます。


同時に、睡眠や心拍数など健康状態も把握できるオリジナルのスマートウォッチ「WeBand」を開発しました。アプリと同期することによって、医療現場や製造現場など、スマホを持っていなくてもデータを計測できます。また、現在ではアップルウォッチ等他社製のデバイスとも連携できるようにしています。


WeRUNに込められた、「みんなで歩こう」の意味

 WeRUNのコンセプトは「みんなで歩こう!つながり生まれる。」です。自分の健康管理だけなら万歩計アプリで十分です。だれかと共有することによって楽しみや驚き、未知なる可能性を生むことを期待しているのです。このことには、私自身の経験があります。


私は大学時代までを中国で過ごし、留学生として日本に渡り今に至ります。大学でコンピューターサイエンスを専攻していた時、アメリカなど次々に留学していった先輩たちに刺激を受け、自分も飛び出したのです。お金も経験も人脈もないまま30万円を親から借金し、リュック一つでフェリーに乗り込み大阪にたどり着きました。日本では、大学院に通いながら日本語を習い、生活のために終電までアルバイトをする、キャンパスライフを楽しむ暇もない日々です。そんな中、アルバイト先でペアとなって一緒に仕事をしていたおじいさんの影響で、山登りが好きになりました。このように、人の影響によって人生をガラッと変える経験をしたのでした。



その後、システムエンジニアとして自動車メーカー系システム会社に就職。大企業での仕事に大きな疑問がありました。例えば、良いプログラムができても大きな仕事を任されることはなく、また外国人であることを活かして海外案件に名乗り出るも、新人だからという理由で阻まれるなど、人でなくルールが企業組織を動かしていました。インターネット関連ビジネスならもっと海外とつながる仕事ができると考え退職しましたが、事業を立ち上げるものの失敗、修行のための再就職ののち、現在の株式会社シング(XING Inc.)を創業しました。


当時、ヤル気や能力は誰にも負けず、若気の至りで会社を立ち上げましたが、事業を発展・継続していくには、ビジネス知識を得る環境や、人のご縁が大切だと知りました。


社名のXINGは英語でcrossing、すなわち交差点の意味から、グローバルな活動において、我々が人と人とが交わる掛け橋になりたいことを表しています。「みんなで歩こう!つながり生まれる。」には、このような想いと、私がこれまでつながりをいただいてきた恩返しの意味もあるのです。

ウォーキングイベントが、企業や団体の潤滑油でありたい 

WeRUNを活用してくださっているクライアント企業様は、個人戦や団体戦でランキングを出すだけでなく、歩行の軌跡で図形を描くなど、さまざまなアイデアで私たちも驚くイベントを開催されています。WeRUNだけの特長として、「オリジナルバーチャルルート」を作成できる点があります。拠点を結ぶルートや商品にまつわるルートなどで、独自のイベントを楽しまれています。


イベントをきっかけにウォーキングシューズを購入された方や、運動に目覚めてスイミングに通い始めた方など、WeRUNイベントが運動習慣を身に付けるきっかけとなった、というお声をたくさんいただきます。また、多くの企業で、「イベントにまつわる共通の話題ができた」というお話をお聞きし、社内のコミュニケ-ション活性化、ひいては一体化に貢献できていることを感じます。


組織のルールや仕組だけでなく、人と人が交わり合うことで「この会社で働いていてよかった」と思える環境づくりに、少しでも貢献したいと考えます。 

英語と中国語を搭載、ひとつの目標「世界をつなぐ」を実現

お客様から寄せられたご意見や指摘などには、私が一つひとつ目を通すようにしています。なぜなら、お客様の本当のご要望やニーズを生の声で汲み取り、サービスに活かしていきたいからです。「困ったときにすぐに対応してくれた」そんな感想をいただくことも少なくありません。親身に誠実に向き合ってきたからこそ、忌憚ないご意見やご感想をお寄せいただけるのだと思います。

イベント終了後の感想をいただく時が、この事業をやっていてよかったと最も強く思える瞬間です。

例えば、ある従業員の方は、会社からイベントに参加させられ、しかたなく歩いていた結果、人間ドックの3つの要精密検査項目がすべて異常なしに変わったとのこと。これを機にウォーキングにはまり、今では、20代の体重に戻すべく頑張っておられるようです。

開発以来、常にお客様の声をもとに、アプリの改良をかさねてきました。今のWeRUNがあるのは、お客様一人ひとりのおかげです。技術者目線のみでサービス提供をしていては、ここまで至らなかったかもしれません。


今回、大きな機能追加となったのが、英語、中国語の多言語対応です。以前から、外国人社員の方たちや海外拠点のある企業様より、多くのご要望をいただいていました。まさに、グローバルを視野に活動してきた私たちの強みを発揮できる機会でした。


×


すでにご利用いただいている企業様では、6か国で2,000名を超えるグループスタッフ様とのイベントを開催され、国境を超えたエンゲージメント強化への貢献を評価いただきました。

他の企業様からも問い合わせが相次いでおり、世界中の人たちをつなげることが実現しています。今後は、イベントの工夫やさまざまな企業や団体とのコラボによって、アプリをより進化させていきます。


人々の健康と企業発展、そして地球環境にサステナブルな貢献を

WeRUNを導入した企業様では、従業員の皆様の心身の健康から、企業全体の競争力を上げ、ブランディングにも貢献できている実感があります。企業様の発展、そして企業に関わる従業員やお客様の幸福、そしてWeRUNという「三方よし」なビジネスを実現できることを嬉しく思います。


社名の「シング」を中国語で発音すると「星」を表します。チームメンバーの一人一人が夜空に光っている星のように輝き、クライアント企業様の従業員の方々が輝くように、そして地球から眺める無数の星たちが行き交うように、WeRUNを通じて世界中の人たちがつながり、新たな感動や楽しみを創造していきたいです。




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