読者の“デザイン経験値”を上げる。2000年創刊の『I’m home.』が、いま提案する住まいと暮らしとは
2000年に創刊したライフスタイル誌『I’m home.』。この23年の間に住まいや暮らしのかたちは少しずつ変わり、また紙媒体の在り方も変化してきました。そのなかで『I’m home.』はどのような提案ができるのか。7月14日(金)発売の『I’m home. no.125』で取り上げた家具特集を例に、雑誌づくりの裏側を紹介します。
7月14日(金)発売の『I’m home. no.125』の住宅実例。特集は家具
「I’m home.はどんな雑誌ですか?」と聞かれると・・
「I’m home.はどんな雑誌ですか?」と聞かれると「住宅の建築・インテリアデザインを中心としたライフスタイル誌です」と答えています。創刊当初から今も変わらず雑誌づくりにおいて軸となっているところです。また、“ハイエンド”という言葉も本誌を語るうえで大切なキーワード。
私たちが思う“ハイエンド”とは、高級なもの・華美なものではなく、タイムレスで本質的な豊かさをもつもののことを指します。美しさと機能のバランスがとれた心地良い場所やライフスタイル、それが目指すところ。「ライフスタイル誌」としているのは、デザインの面から読者の“暮らし”をサポートしたいと考えているからです。
雑誌づくりの裏側を語るにあたり少し編集部の話を…。
編集部は4人の編集者と誌面のデザインを行うデザイナーで構成されています。私たちを中心に、建築・インテリアを専門とする写真事務所、ナカサ&パートナーズ、そして外部の編集者・ライター、スタイリストなどと共に一冊をつくり上げています。住宅物件の9割以上が撮り下ろしという点は昔から変わらず、独自の視点をもった美しい写真には定評があります。
編集部にいるのは、建築を学んだ経験のある編集者がほとんど。建築やデザインのおもしろさを知っていると同時に、建築の世界に一般の人が近寄りがたい一面があることも知っています。業界で話される言葉や表現は少し独特で、建築家が話す言葉はそのままではエンドユーザーに伝わりにくい。建築の素晴らしさを知り、かつ生活者でもある私たち編集者は、そんな業界とエンドユーザーをつなぐ翻訳家のような存在でありたいと思っています。
建築家、竹原義二さんの家具にまつわるインタビュー。
『I’m home. no.113』に掲載
住まいづくりに必要な“デザイン経験値”を上げる
さて、上質な建築やインテリアを取り上げてきた『I’m home.』ですが、最近は空間だけでなく人やプロダクトにも目を向け「空間・人・プロダクト」をつなぐような構成に。良い建築、良いプロダクトだけでは上質な住まいは実現しません。ここでいう“住まい”は建物のなかでの営みも含めたもの。敷地、構造、プランニングといった建築的なものから家具やカーテン、生活家電までさまざまな要素をうまく、バランス良くつなぐことによってトータリティーのある美しい住まいが生まれます。そして、そこには必ず人の存在があります。
とはいえ「バランス良く」というのが難しいですよね。それには“デザイン経験値”が重要になってきます。経験値を上げたいのであれば、単純ですが、まずは普段から質の良い物や空間に触れること。『I’m home.』はそのタッチポイントとして役割を果たします。
空間・人・プロダクトを横断する誌面で、体感につなぐ
7月14日発売の『I’m home. no.125』の家具特集。
本誌で本格的に家具を特集したのは、2020年に発売した『I’m home. no.104』で、以降、年に一度特集を組んでいます。この特集の場合は、建築的な解法より、ユーザー目線で「良い家具とはどのようなものか」「それを選ぶためにはどうすれば良いか」という疑問や悩みに答えていくかたちになります。
家具選びは、インテリアを考える際に特に心が躍る作業。ただ、物があふれる現代において正直どれを選べば良いか分からないという人も多いのが実情です。どのようにそれぞれが物とつながれば良いのでしょうか。本誌が心掛けているのは、プロダクトにまつわるストーリーを表現すること。見た目だけでなく、その物の裏側に共感すれば親近感がわき、それは“ただ”のイスではなく自分にとって特別なイスになる。たとえば、デザイナーの思いや製作過程における環境への配慮、テクノロジーなど。
これはデザイナーや職人、メーカー・ブランド、そして使い手まで、たくさんの世界のプロダクトとそれにまつわる人を取材してきた編集者が実感していることでもあります。
『I’m home. no.125』は年に一度の家具特集
本格的に家具を特集した『I’m home. no.104』では、家具研究家の織田憲嗣さんをインタビュー
『I’m home. no.125』の最新プロダクト紹介。
4月に開催されたミラノデザインウィークの展示からは、暮らしの提案が感じられます
今回掲載している記事「私たちと“良いもの”をつなぐ人。バイヤーのもの選び」では、つくり手とユーザーをつなぐ存在であるバイヤーに注目。さまざまな物に触れてきた彼らがどのような視点でもの選びをし私たちに届けてくれているのか、インタビューを通して紹介しています。新たな気づきを得られて、かつ実際に足を運べるところという点もポイントです。
記事「私たちと“良いもの”をつなぐ人。バイヤーのもの選び」。信頼できるバイヤーのいるショップ4軒を紹介
「読者が実際に足を運べる」ということは近年企画のなかで意識していることです。当然ですが、本誌の大部分は住宅物件の紹介です。
一般的に見られないところを見られるというメリットがある一方、体験を伴うことができません。そのため、特集に関連したホテルやカフェといった商業空間も紹介するようにしています。“デザイン経験値”を上げるために、体験以上の学びはありません。本誌で見どころをおさえて、実際に上質な空間に身を置く。
こうした商業空間に対してのアプローチができるのは、姉妹誌に『商店建築』をもつ本誌ならではと言えるでしょう。実際に、住宅と商業空間のデザインの境界は曖昧になっているので、住宅デザイン目線でも参考になることが多いです。
『I'm home. no.113』の家具特集では、ホテルやカフェ、ショップのインテリアを、家具を軸に分析
何か“素敵なもの”に出合える雑誌として、手に取っていただきたい
世界から見て日本の住まいへの関心度はまだまだ低いのが現状。それはデザインへの関心度も同じでしょう。デザイン性が高いことや美しいということが、少しネガティブな意味で贅沢だと捉えられているように感じることもあります。
しかし、美しいことは感覚的な心地良さにつながるのです。知らないのであれば知ってほしい、そのうえで自分に合ったものを選んでほしいと思います。質の良い物や空間に触れるなかで自身の美しさの基準をもつ。それがハイエンドなライフスタイルの第一歩でしょう。
情報のスピードは速く、物にあふれた毎日で疲れることもありますが、そんなとき「何か素敵なものに出合えるかも」と、お気に入りのセレクトショップに行くような感覚で本誌を手にとってもらいたいですね。そこでは編集者が真摯に向き合い、選んだ“素敵なもの”に出合えるはずです。
I'm home. Official Site⇒ https://imhome-style.com/
Instagram⇒http://instagram.com/imhome_official
【雑誌概要】
隔月刊『I'm home. no.125 2023 SEPTEMBER』
特集/もっと自由に、家具を選ぶ
発売日:2023年7月14日
価格:特別定価2,090円(本体1,900円)
版型:A4変型
発行:株式会社 商店建築社
隔月刊 I'm home. no.113 2021 SEPTEMBER
特集/特別な家具と暮らす
発売日:2021年7月16日
価格:定価1,894円(本体1,722円)
版型:A4変型
発行:株式会社 商店建築社
隔月刊 I'm home. no.104 2020 MARCH
特集/家具を愛する家
発売日:2020年7月16日
価格:定価1,894円(本体1,722円)
版型:A4変型
発行:株式会社 商店建築社
※全国の書店、ネット書店のほか、オフィシャルサイトにてご購入いただけます。
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