糖質の「制限」から「私を満たすお菓子」へ。発酵あんこと味噌で仕立てた新感覚和菓子「MISOKASHI」の開発秘話
味噌の嗜好品ブランドme-so-good(misodology株式会社、以下「当社」)は2023年6月より、発酵あんこと味噌で仕立てた新感覚和菓子「MISOKASHI」を発売しました。このストーリーでは当社代表の神戸ゆかりが、MISOKASHIの企画・開発の経緯をお伝えします。
「ボディメイク中は、和菓子に」という一言がくれた、M I S O K A S H Iのアイディア
代表の神戸がダイエット目的で1年ぶりに筋トレを再開した時のこと。運動をしだすと効果を出したい気持ちから食事も多少なり意識するようになります。脂物を控えるのはもちろん、タンパク質を多めにして、大好きな粉物を減らす。ストイックではなくともある程度は食事に制限が生まれるわけです。その反動か普段あまり欲しない「おやつ」を食べたくなってしまい、葛藤が続いていました。そんな中、ふと思い出したのはトレーナーさんから言われたひとこと「ボディメイク中、お菓子が食べたくなったら和菓子にしてくださいね、脂質が少ないですから。」でした。当時はあんこが苦手だったのでスルーしていましたが、今回はなぜか食べてみよう!と思い立ち、和菓子をいろいろ買ってみたのです。ですが、どれも甘すぎて最後まで食べきれないものもありました。甘さ控えめの和菓子があったらいいのに・・・そう思った次の瞬間「ないなら作ればいい!」これが開発のきっかけです。
神戸 ゆかり Yukari Kambe
misodology Inc. Founder & CEO
これまで発酵フードプロデューサーとして発酵料理のメニュー・レシピ開発に携わってきたものの、和菓子づくりは初めて。直感で「きんつば」にしよう!とアイデアが降りてきたのですが、今思うと、脂を使わないあんこ菓子でボリュームがあって、大好きな粉物感がちょっとあるという点で、きんつばがイメージにピッタリだったのだと思います。その時はまだきんつばを選んだことを後悔するとは想像していませんでしたが。
甘さ控えめを叶えるために選んだのは、「発酵あんこ×味噌」
完成に導いてくれたのは「制限」から「満たす」ことに、発想を転換したことでした。
発酵仲間の間では当たり前に作られている発酵あんこですが、まだまだ一般的ではないですよね。発酵あんことは小豆などの豆を米麹と一緒に発酵させて、素材の持っている甘さを最大限に引き出した餡子のこと。その過程で美味しさだけでなく、なんとビタミン・ミネラルまで増えてしまう優れものなのです。それを活かせば甘さ控えめなお菓子は作れると考えていました、それも砂糖不使用で。
開発当初は砂糖を使わず、発酵あんこの自然の甘みをベースに、アガベシロップやメープルシロップだけで甘味を足して試作を繰り返していました。その段階で知人に試食してもらったのですが、正直あまり良い反応ではなく、お菓子としては甘さが足りないという声がほとんど。加えて日持ちしない。世の中の和菓子がなぜあんなに甘いのか納得した瞬間でした。
試作をし始めて少し経った頃、マルシェ出店について相談をした知人から、私も久しぶりに出店したいので一緒に出ましょう!とお声をかけてもらいました。出店は2週間後。のんびり試作している場合ではありません。まだカタチにもなっていないお菓子での出店を決め、そこからが怒涛の日々。商品試作、パッケージデザイン、食品テスト、製造許可のある場所探し・・・すべて同時進行でした。
中でも苦戦したのがレシピを確定させること。おうちのおやつではなく商品化するわけですから、美味しさの追求に加え、賞味期限・安全面・再現性と考えることが山ほどありました。
意外にも完成に導いてくれた最大のポイントは、自分の思い込みに気がついたことでした。「お菓子は罪悪感があるもの」その思い込みから、砂糖は絶対使わない!と執着していた自分がいたのです。確かにお菓子は脂質・糖質・カロリー爆弾ですし、あくまで嗜好品。でも食べたいと思う気持ちを抑制すると長続きしないし、何より食べることは楽しみの1つであるはずで、私たちを満たす行為。お菓子=罪悪感を手放して、素直に美味しいって言える、選んだ自分を褒めてあげたくなる、そんなお菓子だったら最高だな・・・自然と発想の起点が「制限」から「満たす」方向へ変化してゆきました。
甜菜糖を加えて試作を再開。「私を満たすお菓子」が完成
そこに気がついてからは、甜菜糖を加えて試作再開し、みるみる理想のカタチになり完成まで一気に到達。元々はボディメイク中の制限下でも食べられる “甘さ控えめ” “脂質が少ない” お菓子を目指していましたが、結果的には「私を満たすお菓子」が完成。制限中でなくても食べたい、自分ご褒美のお菓子。だから1つずつ箱入り。ジュエリーB O Xを開ける瞬間の高揚感をイメージして引き出し式の箱にしたのもこだわりポイントです。
実際、自分用に常にストックしているくらいお気に入りのお菓子です。
6面焼くきんつばの皮の仕上げにひと苦労
甜菜糖が救世主となって完成したのは、きんつばの羊羹の部分。もう1つの難題は皮の仕上げでした。小麦不使用にしたかったので、いろんな粉をブレンドして試しました。結果、作りやすさより美味しさを優先し、食物繊維が豊富なオートミール粉に着地しましたものの・・・これがクセもので。水に溶くとすぐに強烈な粘りが出てきます。1個に対し6面焼かなくてはならないきんつばは、いつもこの粘りとの格闘。いかにキレイに素早く仕上げられるか? 現在も試行錯誤を重ねています。
完成形になった後、改めて友人知人に食してもらいフィードバックをたくさんもらいました。一番嬉しかったのは、1年前にお世話になっていたトレーナーさん達のコメント。彼らはボディメイクのプロなので、食事についても自らが実践をして体感を得ながらアドバイスをしてくれるわけですが、そんな彼らに「これは内容的にも味的にも最高ですね!」と太鼓判をもらえたことが、揺るぎない自信につながりました。
満たされる美味しさのひみつ
もう1つなくてはならない存在があります、それが「味噌」。
おかきや饅頭、柏餅など和菓子には昔から使われている食材ではありますが、MIS O K A S HIの味噌の使い方はちょっとアプローチが違います。前述したように、少ない甘みを引き立たせるために対比効果で使う塩を、味噌に置き換えているのですが、味噌のポテンシャルがここで発揮されます。塩になくて味噌にあるもの、それが発酵の過程で生まれる旨みと複雑な香り。この個性を活かしてフレーバーを決めています。
例えば最初につくった発酵あずき餡は、お菓子の王道“チョコレート味”にしたい!と思っていたので、以前見学でお伺いした三重県四日市の味噌蔵さんの豆味噌を使おうと最初から決めていました。なぜって、その豆味噌は不思議なことにチョコレートの香りがするのです!舐めれば塩気のある味噌。でも香りはまさにチョコレート!この個性がなければMIS O K A S H Iショコラ風味は実現できませんでした。
もう1つはひよこ豆餡に使っている麦味噌。実母の故郷でもある鹿児島県は日置市で造られている上品な香りと色の淡い麦味噌と出会った時、これは絶対お菓子に合う、と感じました。麦の香ばしさとナッツを掛け合わせたのは正解で、きんつばですが洋菓子のような仕上がりになっています。
MIS O K A S HIに託す想い
MIS O K A S HIを通して、味噌はこんなにも個性に富んだ魅力的な食材だということが伝わったら最高ですね。多様性こそ価値とされる今だからこそ、膨大な時間と、蔵人さんの手間ひま、目に見えない微生物たちのおかげで生まれたこの唯一無二の個性に、もっとスポットを当てたい。味噌は調味料だけの顔じゃない、嗜好品にも変身できるポテンシャルを持っている、まだ気がついていない味噌の可能性をより多くの方とシェアしたいです。
今回は、味噌のお菓子をつくろうとして生まれたわけではありませんでした。偶発的に自分が欲しいものを実現させるために味噌が必要だったに過ぎません。ですがそれも必然のような気がしていて。要はまだまだ私たちの知らないポテンシャルが味噌にはあるという証明です。1300年も存在している味噌という日本独自のプロダクト。文化・技術継承といったちょっと難しいことを謳う前に、シンプルに美味しいを叶えてくれる魅力的な食材だと言うことをもっと多くの方に届けたいです。そして、こんな最高のプロダクトを生み出し続けてくださっている蔵の方々に貢献したい。彼らがいなければ、味噌はとうの昔になくなっていたかもしれないのですから。
MISOKASHI 発酵きんつば
・発酵あずき餡 ショコラ風味 フランボワーズのアクセント
・発酵ひよこ豆餡 ピーカンナッツとシナモン
me-so-good EC STORE
misodology Inc.
misodology株式会社はMISO×methodologyの造語。味噌のメソッドを世界中にお届けするという想いで名づけました。me-so-goodはmisodologyが展開する味噌の嗜好品ブランドです。元々は「味噌で仕立てたドリンク」の総称としてme-so-goodを打ち出していましたが、発酵あんこ×味噌の和菓子 M I S O K A S H Iが加わり、現在に至っています。味噌で世界を魅了することが私たちのV I S I O N。ワインやコーヒーのように世界中で愛される、100年後の未来にもあり続ける文化を目指して、M I S Oを世界のスタンダードにすることがミッションです。me-so-goodに留まらず、味噌の指標化プロジェクトMISO UNIVERSEも同時進行中。今夏ローンチ予定です。
行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ