事故をきっかけに、命を救う案内図の制作を決意。消防設備点検を効率化するDXアプリ「MAPICON」の開発秘話。
OMY株式会社は、建築・土木業界を通じて生命や財産を守るため『安心と豊かな未来の創造』というミッションのもと、一人でも多くの命を災害から救いたい思いから防災・消防設備アプリ「MAPICON”(マピコン)」を開発・運営しています。
防災・消防設備は、災害から生命を救うためのとても大切な仕事であることは皆さんもご存じかと思います。しかし、建物に設置が不足していたり、点検をおろそかにしたり、設置場所や使い方がわからない、といった状況はどれをとっても怠れば、有事の際には生命の危険につながります。
だからこそ、建物のオーナー様や施設を使う方、多くの人に防災・消防設備について知ってもらいたい。
そして、建物にいる人を災害や危険から命を守るため、建物中を歩き回り点検や工事する誇りある仕事をする”消防設備士”や”防火管理者”の業務負担を少しでも減らしたい。それを解決するのが”命を救う案内図”をコンセプトに開発しているのがMAPICON(マピコン)です。
2019年に私(石井)が設立した、OMY株式会社のメイン事業は地盤調査・改良工事でもありますが、なぜMAPICON(マピコン)を開発したのか、なぜ防災・消防設備の仕事に出会ったのか説明します。
消防設備点検を効率化するDXアプリ「MAPICON」
MAPICON(マピコン)は、iOSアプリで図面管理と消防設備の記録ができる機能を持っています。従来の図面作成ではPCでCADを用いることが多く、顧客先での作業が難しかったため、スキルが求められるものでした。
しかし、MAPICONは、アプリ内で作業しながら記録を行えるため、効率化を図れます。また、操作も簡単で、見た目で分かりやすいアイコンを配置することで、誰でも短時間で図面作成が可能です。
さらに、フロアマップから図面を作成することもできます。MAPICONは、データの電子化・クラウド化にも対応しており、点検が終わると「点検票」「点検報告書」を自動で作成し、データをアプリから直接提出することができます。これにより、報告書の作成作業や提出手続きなどにかかる時間を短縮することができます。
また、データをクラウド保存することで、管理を容易にすることができます。さらに、複数人での同時編集が可能で、メールで事務所への報告を行うこともできるため、移動の手間も省くことができます。点検者の作業負担を軽減するため、いつでも、どこでも、だれでも使えるようにクラウドで管理し、点検漏れを防ぐことや一つ一つの設備のデータ管理、CAD図面を作らなくてもよいなど、工夫した機能も備えています。
防災・消防設備の工事・保守へ関わる中で起きた悲惨な事故をきっかけに、開発を決意。
私は2013年に地盤調査業で個人事業主となりました。2016年の結婚を機に妻の父が防災・消防設備の工事・保守点検の会社を営んでいたことから、地盤調査業の傍らで、持ち合わせていたCADのスキルを使って図面作成を手伝っていました。
その中で、とても重要でやりがいのある仕事だと感じ、興味が湧いたことから、現場にも出るようになります。経験を積む中で、必要だと判断した同年に二級電気工事士を取得。消防設備士甲種1・4類の資格も取り、防災・消防設備に関する仕事にたくさん携わり知識と経験を得ました。
MAPICON開発のきっかけは、2019年に大阪で起きた人為的で悲惨な火災事件でした。
私は消防設備士の観点から、もっとちゃんと避難経路の把握と誘導ができていたら、ちゃんとした機器の使い方をできてたら、スマホやパソコンなどのデジタルデバイスに避難経路が瞬時に出れば、など「もしかしたら」もう少し被害を減らすことができたのではないか、どうしたらできるのか考え行動しました。その中で、自分でアプリを作ろうと踏み切ったのです。
アプリづくりを決意するもの、上手くいかない日々。最初に活用したCADのスキルから道が開けた。
まったくITについて知らなかったので、プログラミングスクールへ通って挫折したり、委託業者にも断られたり、なかなか描いてることが伝わらなかったり、避難経路を示す前に図面や建物のデータをどうやってあつめるのか、など、多くの壁にぶち当たりました。
ただ、私は諦めが悪く、避難経路アプリのアイデアを少し変え、まず図面を集めるにはどうすればいいか考えました。
そこで、消防設備点検のときに作ったCAD図面が使えるかもしれない、消防点検のサービスであれば図面も使うし誘導灯の位置もわかるし避難経路につながるのではないかというアイデアから消防点検のアプリはどうかと考えつきます。
消防点検にもたくさんの課題があることに気づきました。それは、消防設備の工事や点検をしてるときに感じた様々な点です。
・事務所へ戻ってからの図面や報告書の作成の大変さ。
・点検漏れがないように細心の注意を払う必要性。
・どこに設備があるかわからない物件、
このように様々な問題へ直面する度に、点検の時に紙で持ってたCADの図面を携帯で見て、設備のシンボルをカーナビのアイコンみたく一つ一つタップができ、押すと設備の情報が出てきて、点検したらチェックできたり、報告書も一覧表も自動で作れたら良いのではないかと思いつきました。
このようなサービスがあれば、消防設備の工事や点検における課題を解決できると確信し、このMAP(建物マップ)+ICON(アイコン)でMAPICON(マピコン)の開発を始めました。
MAPICON(マピコン)で消防設備士や防火管理者、ビルメン、ビルやマンションの防火対象物のオーナーのみなさんがもっと楽に効率よく仕事ができると考えています。
少しでも不慮の事故を減らし、救えるはずの命を救うために。MAPICONが目指す今後の姿。
将来的にはさらなる機能拡張を予定しており、まずは現在は手入力となっている機器や設備の情報をワンタッチでアプリに入力できるようにします。
このほかにも、大型ショッピングモールや駅、旅館やホテル、学校など不特定多数の人が行きかう施設では、火災が起きてからどのようにすればいいのかのアナウンスや、どこに防災設備があるのか、どうやって使うのかなど多くの課題があります。これに対し、MAPICONで点検している建物の配置図を利用し、自動火災報知器とMAPICONのアイコンが連動することで、ピンポイントで出火場所が判断できるようにする機能追加も予定しています。
出火場所がピンポイントで分かればAIが誘導灯の場所から避難経路を作成し、迅速な人命救助が可能になります。MAPICONと消防設備とのIoT化を実現させることでさまざまな課題解決を実現していきます。他にも発信機などの押しボタンを実際に押さなくてもスマホから発信できるようにするなど、多様な設備のIoT化 の応用なども実現していきたいと考えています。
私は、幼少期のころ事故で愛する父を亡くしました。こうした経験から、少しでも不慮の事故を減らし、救えるはずの命を救いたいという思いが強くあります。
そして中卒のわたしを受け入れてくれたこの業界に感謝し、MAPICONやOMY株式会社の事業を通じて安心と豊かな未来を創造していきます。
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