「間伐材」を活用した森林×観光のSDGsツアーを開催し、お客様が楽しみながら「社会課題」を意識するキッカケに
やまがたアルカディア観光局は山形県南部にある地域連携DMOで、複数の自治体(長井市・南陽市・白鷹町・飯豊町・小国町)にまたがる区域を一つの観光地域として、マーケティングや商品開発などを実施し、観光地域づくりを推進しています。
「東洋のアルカディアを子どもたちへ」というミッションを元に、様々なツアーを企画
長井市の道の駅「川のみなと長井」内に事務所を置き、民間事業者と連携を図った5市町を巡る旅行商品の企画・販売や、顧客の満足度調査、国内外の旅行会社などへの営業等を行なっています。
また、ミッションを「東洋のアルカディアを子どもたちへ」、ビジョンを「日本最強のローカル」と明確に定め、これに沿った様々なツアーを企画・実施しています。
観光局では「SDGs」にも力を入れており、視察プランや体験プランを企画・販売しています。
その中でも、長井市で実施している「いしぶちバギーチャレンジ」や「SDGs貢献プロジェクト 間伐材で雪板づくりワークショップ」では地域の間伐材を有効に活用し、本来捨てられるはずだった自然資源を無駄なく観光資源へと転換しています。
「いしぶちバギーチャレンジ」は、2022年の豪雨災害を機にスタートしたプロジェクトです。
2019年、国のダムである「長井ダム」が全国で初めてオープン化し、民間事業者が行政と連携した観光地域づくりをスタートしました。
そこから長井ダムを活用した「水陸両用バス」「秋の遊覧船」「サップツアー体験」「水上自転車体験」等の事業を進めてきましたが、2022年の豪雨災害で被害を受け一時使用が不可能になってしまいました。
豪雨災害で発生した土砂や間伐採を有効活用した企画「いしぶちバギーチャレンジ」の開催
そこで長井ダムの下流付近にある「石渕渓谷」エリアを活用した4輪バギー体験事業をスタートします。
2022年は市と協力し、試験的に5日間実施した「いしぶちバギーチャレンジ」ですが、
2023年度はコースの内容を大きくレベルアップしました。
コース総距離を約800mと大幅に伸ばし、豪雨災害で発生した土砂を活用したスラロームポイントや間伐材を使用した丸太のログポイントが新たに加わりました。
運転は中学生以上から可能で、同乗するお子さまも等も楽しめるよう、電動でスポンジの弾が出る銃でコース内の的を射る「いしぶちシューティング」企画も開催。
新たに増設した「丸太ログ」ポイントには、地元長井市のスギの間伐材を有効利用しております。
豪雨災害で出た土を活用したスラロームは、ウエーブポイントが計6か所設置され、本格的なコースに生まれ変わった一方、SDGsにも意識した、地域に大きく貢献するプロジェクトとなっております。
詳細のページはこちら
いしぶちバギーチャレンジ!
https://tour.arcadia-kanko.jp/products/detail/293
SDGsに注目した、持続可能な事業で、地域課題の解決に繋げる
今回、間伐材を活用した企画に携わったやまがたアルカディア観光局の原田真吾さんと、2023年度からやまがたアルカディア観光局のアクティビティ担当として入った、長井市地域おこし協力隊の小山田智裕さんに直接詳しくお話を聞いてみました。
リポ:では、まず原田さんにお話を聞きたいと思います。
今回、間伐材や災害で出た土を活用しようと考えたとの事ですが、企画にあたって困ったことや大変だったことはありましたか?
原田:はい。間伐材は近所で切った丸太をいただいたのですが、バギーコースに合うように木を刻んだり、運ぶのは全て自分たちで行なったので、重くて運ぶのにはとても苦労しました。
リポ:SDGsに注目した体験プランを作ろうと思った経緯について教えてください。
原田:地域の課題って色々ありますよね。例えば人口減少や担い手不足、発信力の弱さなど。
SDGsに関連した商品を発信することで、より多くの人へ届けることができるのではと考えました。
なおかつお客様が遊びに来てもらうことが地域課題の解決になれば一番ベストじゃないですか。
間伐材を使うことで事業経費を抑えることもできるので、まさに持続可能な事業ですよね。今後はもっと地域で埋もれている人や仕事をピックアップして、お客様との交流を通じて地域に誇りを感じてもらえるようになると嬉しいですね。
リポ:それでは次に小山田さん、
今回アクティビティ担当として入ったとの事ですが、どうしてこの仕事を選んだのですか?
小山田:まず地元にUターンしたくて、かつ地域貢献できる仕事をしたかったんです。前々職で東京ディズニーランドのカヌーアトラクションのガイドをしていた経歴を生かしたいと考えてこの業種を選びました。
お客様が楽しんでいただくことが地域貢献に直結するというところが選んだ大きな理由ですね。
リポ:「いしぶちバギーチャレンジ」を代表するSDGs関連のガイドをしてみて、何か感じるところはありましたか?
小山田:はい。実は恥ずかしながら、私はこの仕事をするまで「間伐材」という言葉を知りませんでした。漠然と木を植えるのは善で、木を切るのは悪みたいに思っていたのですが、実は森を維持するには人の管理が必要だという事を知りました。間伐することで残った木は大きく育ち、日光が森に入ることで山に住む動物たちも元気になっていくという事にとても驚きました。
間伐材以外にも埋もれている資源はたくさんあると思うので、それを見つけてツアーや体験商品に出来たらと考えています。
リポ:ありがとうございました。担当者の気持ちや熱意が少しでも皆さんに伝わるといいですね。いしぶちバギーチャレンジは今年度は10月いっぱいまで実施、間伐材で雪板づくりワークショップは毎月1回開催しているようなので、ご興味のある方はぜひチェックしてみてください。
そして今年の10月にはその間伐材を切る木こり体験ツアー
SDGsを考える 山形木こり体験ツアー ~林業のお仕事ってどんなだろ?~
も実施します。
日常では見ることの出来ない木の倒れていく瞬間を間近で見られるとてもいい機会だと思います。
詳しくはやまがたアルカディア観光局までお問合わせください。
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