OCRの現場で思いもよらなかったユーザーとの「ズレ」。OCRとRPAを掛け合わせ、業務の自動化のために大きく生まれ変わったAIツール開発秘話
シー・システム株式会社は、創業当時より40年以上企業から依頼をうけ業務システムの開発やRPAの導入支援をおこなってきたシステム開発会社です。2021年7月にAI JIMYシリーズとして自社開発のAIツールを提供開始しました。
これまでは、業務システムの受託開発事業を主におこなってきました。40年以上システム開発会社としての歴史がある中、自社サービスの提供にいたったきっかけは何だったのでしょうか?
また、自社サービスを開始した際は、思わぬ課題にぶつかります。システムの受託開発とユーザーを想定したサービス開発では、大きく違う点があり悩むことも多くありました。
このストーリーでは、AIツール開発のきっかけや課題を乗り越える際に向き合ったことなどをお伝えします
AI OCRにRPAを搭載したデータ入力自動化ツール、AI JIMY Paperbotとは?
「AI JIMY Paperbot」は、受発注書などの紙で送られてくる書類をOCRでテキストデータ化し、自社で使用するシステムに自動でデータ入力を行えるツールです。
OCR(Optical Character Recognition)は、日本語で光学的文字認識のことで、画像内にある文字を読み取ってパソコンで操作できるようにデータ化する技術です。さらにデータのコピーと貼付けの単純作業は、RPA( Robotic Process Automation)という技術を使えば、人の手が不要です。
OCRとRPAは別々の技術ですが、これらを組み合わせることで人間が行ってきたデータ入力作業を自動化して業務の効率化を図ろうというのが、AI JIMY Paperbotです。
たくさんの企業に業務を効率化してもらいたい
シー・システム株式会社は、40年以上にわたって大阪でシステム開発や運用、RPAの導入などの事業を行ってきました。大手企業に導入するシステムやRPAを運用するうちに、中小企業などもっと多くの企業で利用できれば日本全体の業務効率が上がると思い、大手企業に導入した事例を紹介しながら100社以上の企業にRPAの導入を提案しました。
中小企業の現実は厳しい
しかし、大きな壁にぶち当たります。当時、中小企業に提案をしても1社も導入が決まりませんでした。中小企業は大手企業のように業務効率が上がるとわかっていても、RPAのエンジニアがおらず、大手企業と同じような費用感では導入が難しいと言われてきました。
企業の自社システムや作業内容に合わせてRPAを導入する場合、3百万円以上の費用がかかるのは当たり前で、中小企業が導入するには高いハードルがありました。しかし、人手不足の波は企業規模に関係なくやってきます。なんとか中小企業でも、業務効率を上げるために導入できるツールはないかと考えはじめました。
業務のヒアリングをして気づいた、「どこにでもある作業」
企業に業務のヒアリングを重ねていく度に、どの企業でも発生しているデータ入力業務の存在に気づきました。
毎月の請求支払いには各書類から会計システムへの転記、受発注の場合にも各社から送付される書類から商品や数字を確認し、自社システムへ従業員が手入力する作業が発生していたのです。しかも各社から送られてくる書類はフォーマットが違うので、書類ごとに見る箇所が変わり、入力ミスが起こることもよくあります。
日常的に行っている事務作業を人ではなくAIツールを利用して軽減することを目的に、AI JIMY プロジェクトが動きはじめました。
提供する側とユーザーのズレ
データを入力していくには、文字のデータ化が必要と思いOCRツールを提供していこうと考えました。
また、文字の識別にAI技術を組み合わせたAI OCRによって日本語の認識精度もかなり上がっています。自社で開発・提供を行えば中小企業でも扱えるAI OCRを提供できると考えました。
中小企業に必要だったのは「データ化できるAI OCR」ではなかった
意気揚々とAI OCRを提供開始したものの、本来利用してほしかった中小企業のユーザーは一向に増えません。評価をいただくのは、エンジニアやITリテラシーの高いユーザーのみ。「AI OCRの文字認識精度も大手に負けないくらい高いものなのになぜ?」を繰り返し考える日々でした。
ある日、その「なぜ」に対する答えが見つかります。
導入支援を行っていた企業から「紙に書いてある文字がデータ化されるのはわかったけど、そのあとはやっぱり人が作業するんですよね?だったらあんまり作業時間変わらないかな...」という感想をいただきました。
私たちは文字をデータ化した後に行う作業まで考えが及んでいなかったのです。このことがあって、改めて提供するサービスを1から考え直すことにしました。
OCRの先で、すべてが自動化されるツールとは
データ入力作業のゴールはシステムへのデータ入力が完了していることです。このことを念頭に再度ツールの開発をおこなっていきます。
こだわったのは、とにかくユーザーの視点に立つこと。今までは、システムのプロとして何が良いのかを考えてきましたが、どうすればユーザーが楽に仕事をできるかにこだわりました。
私たちエンジニアは手間を省きたいと思ったとき、プログラムを書いて自動化してしまいます。このツールでは、エンジニアでなくても誰でもカンタンにツールの構築ができ、現場で運用できる自動化ツールを目指しました。
届いた書類の必要な情報は自動的に認識し、自社システムに自動で入力されている、ここまでをできるのが「AI JIMY Paperbot」です。
使いやすいにこだわりユーザーの声が創るAI JIMY Paperbot
データ入力業務を自動化できるツールとしてAI JIMY Paperbotをリリースした際に「ここまでできるツールが欲しかった!」と声をいただいたときは本当にうれしい思いでした。何よりも今までお付き合いのなかった規模の企業や業種の方に評価してもらえたことは、とても励みになりました。
AI JIMY Paperbotはサービスの開始以降もユーザーの声を聞きながら、現場が使えるサービスであることを念頭に、1年間で多くの機能を追加しています。サービスの開始当初にはなかった機能も増え、今後も皆様と真摯に向き合って業務効率化のお手伝いをしていければと考えています。
AI JIMY Paperbotは無料トライアルが可能です。データ入力作業にかかる時間を削減したいとお考えの方は、ぜひ下記よりご登録ください。
シー・システム株式会社 会社概要
代表者:代表取締役 森下 康夫
所在地:大阪府大阪市北区梅田2丁目5番6号 桜橋八千代ビル4階
TEL:06-6136-5960
FAX:06-6136-5961
事業内容: AI・RPA・システム開発によるDX推進事業
公式サイト:https://seagp.com/
サービスサイト「AI JIMY Paperbot」:https://aijimy.com/
メディアサイト「AI JIMY Labo.」:https://aijimy.com/dx/
健康経営支援事業「ストレスチェックサポートセンター」:https://stresscheck-s.com/
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