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旅のプロであるホテルと地元職人とのコラボが実現!神戸牛の皮革を活用した旅アイテム誕生秘話

著者: 株式会社ホテルマネージメントジャパン


オリエンタルホテルズ&リゾーツのオンラインショップ「ORIENTAL MARKET(オリエンタルマーケット)」では、神戸元町発祥のレザーブランド「Kiichi」と共同開発し、コインケースやフォンポーチなど旅先で活躍するアイテムの販売を開始しました。


使用しているのは、多くが活用しきれず廃棄されていた神戸牛の皮革を活用するべく開発された皮革素材「神戸レザー」。この「神戸レザー」は希少価値があるだけでなく、サスティナブルな新素材としても注目されています。



この記事では、株式会社ホテルマネージメントジャパン(以下HMJ)が掲げる「コ・クリエーション戦略」の取り組みの一環として、「Kiichi」とタッグを組んだ経緯から、「神戸レザー」が開発されるまでの奮闘や「神戸レザー」の特長、そして商品のこだわりについて、HMJの商品開発担当・吉田穂波と「Kiichi」ブランドオーナー・片山喜市郎さんの対話を紹介します。


片山喜市郎(かたやま・きいちろう):革職人、「Kiichi」ブランドオーナー。神戸元町で創業100年以上の歴史を誇る靴店の4代目。2010年に革小物の製造販売をする「STUDIO KIITCH」を創業する。2019年に神戸レザー共同協会を設立。同協会の理事長のほか、神戸タータン協議会副会長、元町六丁目商店街副理事長を務める。



吉田穂波(よしだ・ほなみ):株式会社ホテルマネージメントジャパン 経営企画本部 経営企画部 マネージャー。都内ラグジュアリーホテル等の勤務を経て、2019年に入社後、新規ホテル開発や経営企画業務を担当。2022年のプロジェクト立上げ時よりECサイト事業に携わり、商品開発とプロジェクト全体のコーディネートを担う。


地域の魅力を伝えたい想いが重なり、HMJと「Kiichi」とのコラボが実現

――双方の出逢いのきっかけは?


吉田 HMJでは、地域の人々や事業者と共に、その地域の魅力や価値を創造し発信する取り組み「コ・クリエーション戦略」を行っています。共に「コ」、創る「クリエーション」、つまり「地域共創」という意味です。エリアを巻き込んだ独自性のある滞在を生み出すことを目標としていまして、地域の価値を高めることでホテルのみならず地域全体の活性化を目指しています。この戦略はどうしても体験がメインになってしまいがちなのですが、物を通して魅力を発信することもできると考え、地域の方々とコラボした商品を開発することになりました。それで弊社の「神戸メリケンパークオリエンタルホテル」とかねてから交流があった片山さんに、お声がけしたんですよね。


片山 はい。お話をいただいて非常に嬉しかったですね。革職人としてずっと神戸で活動しているものの、そこまで表に出てやってこなかったので、神戸を象徴するホテルと一緒に物作りができるのはとても楽しみでした。ホテルに溶け込むような革製品は何だろうと、ワクワクしながら考えましたね。

▲片山さんが手掛ける革製品のブランド「Kiichi」のフラッグシップショップ「STUDIO KIITCH本店」


吉田 そもそも片山さんが手掛けている「神戸レザー」が、我々がやりたいことにマッチしていたんです。神戸の魅力を伝える新素材を自ら開発して物作りをしている片山さんに、我々も伴走して一緒に地域を盛り上げていきたいと思ったので、自然な流れで「神戸レザー」を採用することが前提になりました。そして、具体的にどんなアイテムを作ろうかという段階で、片山さんから「ホテルだから旅に関する小物にしてみては?」とご提案をいただき、テーマが決まりました。

▲工房で「神戸レザー カードホルダー」の試作をする職人


「神戸レザー」を使い、旅をテーマにしたプロダクト作りが開始!

――神戸レザーとは?


吉田 片山さんはなぜ「神戸レザー」を開発しようと考えたんですか?


片山 皮革はそもそも家畜の副産物です。でも原料となる牛の原皮は海外から仕入れる物がほとんどなんですよ。なぜならば、和牛の原皮は加工が難しいから。神戸牛もなめし業者※さんからは好まれていませんでした。

そういった和牛の皮が有効利用されることなく廃棄されたり、いろんなものと混ざって流通している現状を知った私は、もったいないからどうにかできないかと考えました。それで神戸牛(但馬牛)を、皮革の産地であるたつの市でなめし、製品も兵庫県内で完結できるように仕組みづくりをしようと試みたんです。


※そのままの状態では腐敗して硬くなってしまう「原皮」に、なめし剤を結合させて、安定した素材である「革」に変化させる業者


吉田 「神戸レザー」は誰でも扱えるものではないんですよね?


片山 はい。前提として「神戸レザー」という名称は、神戸牛の皮革を使ったものしか使用できません。神戸牛は神戸肉流通推進協議会という団体が厳しく管理しています。神戸牛(神戸ビーフ)という名称を皮革に使用するための許可を取るのに一番苦労しましたね。

そしてお肉同様、皮革にもトレーサビリティの仕組みを作らなければならなかったので、そこも難しかったです。行政や肉の組合さんとの関係づくりも重要だと感じました。


吉田 神戸牛の原皮を仕入れるのも大変な苦労があったのではないですか?


片山 そうですね。神戸牛自体が年間で6,000頭弱しか流通されないので、そもそも貴重な素材なんです。1頭あたりの皮革で、フォンポーチが約10個分しか作れないくらいの分量です。

それに普通、革職人は原皮の仕入れに関わることはしません。原価が分かっちゃうから、なめし業者さんもあんまり私みたいな人は好まないんです(笑)。でも業者さんと直接やりとりしていると、革の仕上がりがイマイチだった時に、一緒になって真剣に考えてくれるんですよ。

▲片山さんが兵庫県たつの市のなめし業者さんに足を運んだ際、最初は「神戸牛か…」とパッとしない反応を受けた。写真は職人さんが革に色をつける工程


▲現在職人さんたちは、熟練の技術で上質な素材になりうるという明るい未来を見据えて、神戸牛のなめしに取り組んでいる



吉田 これらが実現できたのは、片山さんのお人柄に寄るところも大きいのではないでしょうか。

そして革を熟知されているので、こちら側はすごく安心感がありました。「旅小物だから絶対に軽いものを作りたい」という私の希望を聞いてくれて、どうやったら金具を使わずに形になるのかを試行錯誤してくださいましたよね。頭ごなしに無理だと決めつけるのではなく、「できるかどうか分からないけど、面白そうだからやってみましょう」という片山さんの姿勢は素晴らしいと思いました。


片山 大変でしたね〜(笑)。でも、おかげできれいな仕上がりになって良かったです。


▲商品は全て片山さんの監修のもと、1つ1つ手作業で作られる

ブランド和牛の品格ここにあり!コラボ商品「神戸レザー」シリーズの魅力

▲ORIENTUM「神戸レザー」シリーズは、全5アイテム、各4色展開


吉田 「ORIENTUM」というブランド名は、オリエンタルホテルのORIENTALと、勢いや弾むという意味の英単語momentumが合わさった造語です。商品を通じてお客様の心が弾み、地域が一層活気を帯びてくれたら、という想いが込められています。

今回は片山さんのおかげで自分が思い描いていたよりも、何倍も良いものが出来上がりました。どれも思い入れがあるんですが、カードホルダーは何度も微調整をしたこだわりの一品です。ビジネス利用のイメージが強いカードホルダーを、“旅のおとも”として連れて行ってもらえるような便利でおしゃれなアイテムにするにはどうしたら良いか。サイズ感や紐を通すフープの位置、首からかけた時の本体の傾き具合…いろいろ試行錯誤しました。


片山 カードホルダーは最後まで悩みましたよね。おしゃれに仕上がって良かったと思います。金具を使わないというこだわりも実現できましたしね。


吉田 はい。金具を使わない代わりに、紐を結ぶことで長さを調整できる仕様にしていただきました。使う方によって結びの様子も変わるので、いいデザインのアクセントになるのではないかと思います。滑らかな革なので、使い心地もいいですよね。

▲「神戸レザー カードホルダー」12,100円(税込)



片山 革はある程度柔らかさを出すように仕上げました。全体を通してブランドコンセプトに合った統一感が出ましたし、色も良いですよね。


吉田 差し色になっているニュアンスカラーのブルーは、「神戸メリケンパークオリエンタルホテル」がある神戸の港町をイメージして、片山さんがお持ちのサンプルから選びました。神戸らしいものに仕上がったと思います。


▲金具を使用せず軽量化を実現させた「神戸レザー フォンポーチ」17,600円(税込)



片山 実際に、材料調達から生産まで全て兵庫県で完結しているのもこのシリーズの特長ですよね。「神戸牛」は世界でも有名なブランドですから、海外の方にも喜ばれる神戸土産になるのではないでしょうか。


吉田 そうですね。これから少しずつアイテム数を増やし、オリジナルの色を開発していきたいですね!


限りある素材を大切に扱いつつ、商品数やバリエーションを増やしていきたいと意欲的に語る片山さんと担当の吉田。今後の展開にもぜひご期待ください。



【販売サイト】

ORIENTAL MARKET: https://www.oriental-hotels-shop.com/


【会社概要】

株式会社ホテルマネージメントジャパンは、国内20ホテル(総客室数6,220室)を展開するホテル運営会社です。グループホテル総従業員数は2,501名。独自ブランドである「オリエンタルホテル」と「ホテル オリエンタル エクスプレス」に加え、「ヒルトン」、「シェラトン」、「ホテル日航」など多様なホテル経営及び運営を行っています。(2023年9月現在)

公式HP:https://www.oriental-hotels.com/hotellist/

公式Instagram:https://www.instagram.com/oriental_hotelsandresorts/





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