「eスポーツ専⾨⾼校」だから育つデジタル⼈材の秘密に迫る。不登校の子どもたちを支援して50年余の中央⾼等学院(株式会社ディー・エヌ・ケー)が開校、一人一人の長所と短所に向き合い、可能性を探ってゆく
通信制⾼校サポート校「eスポーツ⾼等学院」(本校所在地:東京都渋⾕区 代表取締役社⻑ ⻫藤 暁)は⽇本で初めてeスポーツ専⾨の⾼校を開校し、2022年4⽉第⼀期⽣となる⽣徒たちを迎え入れました。その後、全国からの反響と要望に応える形で、渋⾕に続いて池袋、横浜、名古屋と主要都市に続々と開校され、2024年4月には九州地⽅の熊本・博多にも開校が予定されます。
今回は、国内外から注⽬を集めるこのeスポーツ⾼等学院のV Tuber学院⻑、eスポ学院長に教育現場から捉えたeスポーツの現状、eスポーツ⾼等学院の存在意義、そして eスポーツ教育の未来について取材をしてきました。⼀般的な世間からのイメージとは180度異なったeスポーツ教育のリアルを徹底解剖します。
日本の「eスポーツ」が先進国の中で遅れを取っている状況で、教育現場としてできることを模索
「eスポーツ⾼等学院」の企画は、開校の2年ほど前に立案されました。当時から、世界の先進国ではeスポーツは野球やサッカーのようなスポーツと同等、もしくはそれを超えるような注⽬度がありました。ニュースでe スポーツのとある世界⼤会で選⼿が得られる1日の優勝賞金がなんと300万ドル(日本円にして4億円以上)にものぼることを知って、これは大変な変化(パラダイムシフト)が起きていると衝撃を受けました。そして⽇本も乗り遅れずに早くこの⽔準に追いつかなくては、と開校のために動き始めました。
というのも、日本においてはゲームに対する価値観が古く、俗に⾔う「悪いもの」「勉強の妨げになるもの」という考え方が強かったからです。世界的には10代のプロeスポーツ選⼿が⽇々誕⽣しているにもかかわらず、⽇本だけが「ゲームを⻑時間してはいけない」という古い常識が蔓延してしまっている。このままでは、世界レベルで戦える⽇本の⼦どもたちにとって「機会損失」でしかないと考えていました。
それであれば、新しい教育の選択肢を用意しなければという想いでした。
10〜20代半ばでピークを迎えるeスポーツ選手たち。そして選手以外にも活躍の場は広がっていく
リアルスポーツは苦⼿でも、 ゲームだったら上手い⼦どもたちがたくさんいるのに、そういった⼦どもたちが脚光を浴びることができないのはもったいないなと思いました。ほかの数多くのスポーツと同様に、e スポーツも競技者としてのピークを迎えるのは20代半ばだと⾔われています。指先の器⽤さや動体視⼒、新しいゲームの飲み込みなどを考えると、やはり若い⼦たちの⽅がチャンスは多いですし可能性も広がりますよね。だからこそ、中学を卒業してアメリカに渡って、プロのeスポーツプレイヤーとして賞⾦を稼いでいる⽇本⼈も実際にいます。
プロのサッカー選⼿を⽬指す⼦どもたちが、⾼校卒業後にサッカーボールを蹴り始めるとは到底思えません。彼らが⼩さな頃からサッカーを始めて、中学・⾼校と強豪校を⽬指すのと同じように、eスポーツもできる限り早く、せめて⾼校⽣からは専⾨的な指導を受けて⼤いに才能を伸ばしてもらいたい。
そしてプロプレイヤーになることだけがeスポーツではありませんから、他のリアルスポーツと同じで競技者としての⽣き⽅もあれば、選⼿を⽀える側の⼈間もいる。⼤会を運営する、ゲームをつくる、デザインをする、など可能性が無限に広がっているよ、ということも⼦どもたちに早いうちに知ってほしかった。
だからこそ最高の教育でなければいけない。そこで、「eスポーツ⾼等学院」を最高レベルで運営するために国内のeスポーツの権威であり、通信技術のプロであるNTTe-Sportsさんにお声がけをしたところ、理念に共感いただき⼆つ返事でOKをいただき、産学連携で実現する運びとなりました。
部屋から一歩も出てこなかった子どもが自ら学校へ。「ゲーム」を通じて⾃分の存在を他者から認められ、心の余裕が生まれる好循環
当初は、eスポーツ選⼿になって将来的に世界で活躍したいと思う⼦たちが集まってくるのかと思っていました。しかし実際は、eスポーツはプロ級の腕前でゲームを本当は毎⽇やっていたいという⼦のなかには勉強が得意な⼦も多く、彼らは本学院を選べずに既成概念に囚われて進学校に進むという⼦も多数見受けられました。そういった意味では、まだまだeスポーツが教育現場の先⽣や家庭における理解を得られていない、ということだったと思います。
一方で、「eスポーツ⾼等学院」の教育が不可抗⼒的に「不登校」の解消に直結することもわかりました。私たちはこれまで姉妹校である中央⾼等学院で約50年、何らかの理由で学校にいけない⼦どもたちを多数サポートしてきました。そういった⼦どものなかには⼀般的に「ひきこもり」と呼ばれる、部屋から⼀歩も出てこない⼦どもたちがいます。eスポーツ⾼等学院に通う生徒の中にもこういった環境に居た生徒も少なくありませんでした。そんな彼らも外に出るきっかけになるだろう、と予想はしておりましたが、現実は予想を大きく上回る効果でした。
従来の教育現場では、ひきこもりの⼦をどうにか学校に⾏かせようと先⽣や保護者が必死になって、部屋の前で説得したりゲームを取り上げようとしたりしていました。しかしそれは、⼦どもたちがなぜ「ひきこもる」のかという根本的な理由を軽視した単純に型にはめる教育⽅針に過ぎない。実際、家族や学校や地域社会などにうまくフィットできなかったけれど、部屋でパソコンを開けばいつでも世界中とつながって、トップランカーとして評価を受けている⼦どもって意外といるんです。リアルな世界ではなかなか満たされない承認欲求が、ネットの中で満たされている。では、これを逆⼿にとって彼らが唯⼀⾃信を持てる「ゲーム」のフィールドを学校に作れば良かったのです。
オンラインゲームでは1番になれるし褒められる、でもそんな環境が学校にはないから部屋から出ようとしない。しかし⼀⽣部屋から出なかったら、社会では健全に⽣きていけません。「ひきこもり」のなかには、家族が部屋のドアの⽬の前までご飯の乗ったお盆を運んで、家族の⾜⾳が聞こえなくなったらそっと扉を開いてとって⾷べて、⾷べ終わったらドアの前に置いたり、⼊浴は1か⽉に1回でOKだったりする⼦もいます。そんな状態だった⼦が「eスポーツ⾼等学院」に⼊学して、自分から毎⽇登校しています。
⾃分のパソコンよりもハイスペックなゲーミングPCがあって、学校でゲームをしていても怒られない、それどころかもっと強くなるよう指導を受けるわけです。そして似たような境遇だった同志たちにも出会うことができる。世界で⾃分1⼈がものすごく不幸だと思って部屋にひきこもっていた⼦どもが、あの不幸だと思っていた仲間が、⾃分も含めてみんな幸せになっている。「ゲーム」を通じて⾃分の存在を他者から認められることで、⼼の余裕が⽣まれ「ゲームのために勉強もする」という好循環が⽣まれたのです。
必ず1人1台!ハイスペックなゲーミングPCを触れる環境で、長所・短所を見つけていく
⼈には⻑所と短所があって、それはゲーム好きな⼦どもも同じ。それなのに、今まではその唯⼀の⻑所を伸ばし、活躍できるフィールドが⽇本にはどこにもありませんでした。しかし「eスポーツ⾼等学院」が誕⽣したことによって、ゲームが好きで得意な⼦どもたちが集い、技術を磨き、互いに協⼒したり、価値観を共有したりできるようになりました。やっとフィールドができあがったところで、今はまだスタート地点。ここからこのフィールドの価値を上げていくこと、そして全国に拡⼤していくことに尽⼒していきます。(主要都市の渋⾕・池袋・横浜、名古屋に続いて、九州地⽅の熊本・博多にも開校予定)
eスポーツ⾼等学院の強みは、登校したら1⼈1台1⽇中必ずハイスペックのゲーミングPCが操作できること。200台のゲーミングPCが並ぶ渋⾕(シブヤeスタジアム)は圧巻なのでぜひ⼀度ご覧になっていただきたいです。今まで信頼できる⼤⼈に出会えていなくて部屋でゲームばかりやっていた⼦を「学校でゲームができるよ」と⾔って⼊学させて、実際PCは順番待ちでしたなんて嘘をつくようなことは絶対したくなかったので、ゲーム環境と設備には相当こだわりました。
eスポーツの集中力を高め、維持できるようにするために必要な、メンタルケア、ボディーケア、アイケア、⾷育などのケアプログラムも⽤意。プロゲーマー、ストリーマー、ゲーム実況、V Tuberなどになるためのプログラムもすべてプロから学べます。勉強⾯では⾼校を3年間で確実に卒業するための、基礎学習と個別学習プログラムがあるので⾼校卒業資格はもちろん取れて、⼤学進学も推奨しています。ゲーム好きな⼦ってトライ&エラーを続けることが得意なんです。この戦い⽅で負けてしまった、じゃあ次はこの戦略でいこうと常に反復練習をしているので、⾃然に論理的思考が⾝に付いていきます。ゲームで培ったその理系脳の⼒を受験勉強に活かせば圧倒的な強みになるはずです。
eスポーツ⾼等学院において、社会性、倫理観などを⾝につけ、ゲームだけではない様々な経験を積んで、まったく違う業種に進んだっていいと思っています。eスポーツの選⼿になる道を進んでいく過程で、ユニフォームのデザインだったり、ゲームのシナリオライターだったり、⾃分がもっと興味を持てることに出会うかもしれません。でもそれは学校で「eスポーツ」に触れ、知識をつけて初めて知る世界でしょう。規定路線ではなくて⼦どもたちの可能性を模索してあげる。そういった真の教育を今後も実践していきたいですね。
信用できる大人がいて、信用できる学校があれば、子どもたちの未来は拓ける
⽇本全国で不登校の解消がずっと社会問題としてテーマとして上がっていますが、⼀向に解決に向かわない理由としては、⻑所・短所を適切に⾒極めていない問題が挙げられます。⼤⼈が⼦どもの短所に注⽬して「勉強を頑張りなさい」「あれもこれもダメ」という教育に捉われていると可能性はどんどん狭まっていくばかり。今の時代「これもいい、あれもいい、ただここはちょっと改善しよう」という⼼意気で⻑所を伸ばして短所を改善してくという教育法が求められているのではないでしょうか。
今回、eスポーツ⾼等学院が不登校における具体的な解決の⽷⼝を見つける事ができました。ただこれは氷⼭の⼀⾓に過ぎなくて、全国にはまだ居場所がうまく⾒つけられない⼦どもたちが多数存在します。「e スポーツ⾼等学院」の卒業⽣が将来前向きに進んでいけるようサポートし、教育機関としての存在感を増していけたら「個⼈の⻑所・短所を⾒極めた教育の必要性」により具体的な説得⼒を付与することができます。
そのためにも、2026年に愛知県名古屋市で開催される第20回アジア競技⼤会において正式競技に追加されることが決定し、ますます盛り上がりを⾒せるeスポーツ業界を教育で支え、プロ選⼿はもちろんのこと業界全体を⽀えるデジタル⼈材育成に⼀層尽⼒していければと考えています。
現在eスポーツ高等学院の各校(渋谷・池袋・横浜・名古屋・熊本・博多)で、令和6年度に入学する新入生を募集しております。
また、プロからの指導も体験できるオープンスクールを開催中です。奮ってご参加ください。申し込みフォームはこちら:https://esports-hs.com/openschool/
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