伝えたいのは、昔の学歴よりも現在の能力。シニアライフデザイン協会が開発した「シニアが書類選考を通過するための履歴書」とは
人生100年時代。生涯現役で働き、社会とつながる。
人生100年時代、定年退職後もまだまだ現役として働いていきたいというシニアの方々が増えています。充実したシニアライフをデザインするための条件には「仕事」「健康」「お金」の3つが考えられ、中でも「働く・仕事する」を当協会は最も大きな軸として捉えています。生涯現役で働き続けたいという方々の再就労(セカンドキャリア)や起業を応援し、できるだけ多くの皆さんに参考にしていただける情報を提供していきたいという思いで運営しています。
「書類選考」から「面接」に進まないのはどうして?
超高齢化社会となった日本。生産年齢人口が減少を続ける社会となり、企業は人手不足のはずなのに、シニアが履歴書・経歴書を提出しても、なかなか面接にこぎ着けることができない。それは何故でしょう。
まず、第一に考えられるのは年齢差別や偏見です。企業によっては、シニアの方たちのスキルが最新の技術やトレンドに適合していないと誤解することがあります。急速なテクノロジーの進化や業界の変化に追いつけるかといった柔軟性や適応力を疑問視されることがあり、これが年齢に基づく差別や偏見の一因となることがあります。 また、長いキャリアを持つシニアの方たちは、給与や待遇の面で要求が高くなることがあるため、これをコストの増加と見なす企業もあります。いわゆるスキルとナレッジをコストという天秤にかけた場合、若い人材の採用のほうがコストを抑えられるとするステレオタイプの人事部による弊害といえます。
自分語りの大量のレジュメは人事部も辟易。採用現場の課題解決のために「新シニアの履歴書」の制作へ
また、一方で応募する側のシニアが提出する経歴書にも問題はあります。自分が伝えたいこと、自分の輝かしいところを書き並べて、ラブレターのように「私はこれが出来ます」と書いても、「この人、なに言っているの?」「うちの会社のこと、どう思っているの?」「うちが何をしている会社か知ってるの?」と相手は思います。
募集している会社のことを良く調べて、その会社に自分の経験がどのようにフィットするかを書かないと、相手には響きません。履歴書が「自分語りの書類」になってしまっていて、相手目線になっていない。書類が一方通行になってしまっているということも原因の一つです。
さらに、長年働いてきていることから、経歴書を書こうと思えばいくらでも書けてしまいます。でも受け取る側にしてみれば、あまりに経歴書の枚数が多いのは読む気にならず萎えてしまいます。ここで必要なのが「削る作業」です。しかし、現在の応募スタイルの通常の履歴書と職務経歴書との併用では何も変わらないのと一緒では……。という疑問が発端となって「新シニアの履歴書」の制作が始まりました。
採用側の立場に立った新たな履歴書のフォーマットを企画
一般的に使用されているJIS規格の履歴書。これを使用しなければいけないというルールはどこにも存在しません。特に企業側の指定がなければ、実際はどの用紙を使っても良いことになっています。JIS規格の履歴書では、その人が「何ができるか?」「どんな人柄か?」は欄が小さく、読み取りづらいかたちになっています。
採用する側の企業にとって、シニアの何十年も前の学歴や職歴は採用の検討材料になりづらく、一方でその人が「何ができる人なのか」「どのような能力があるのか」「自社の課題解決ができるのか」が興味のポイント。また、シニアの採用にあたっては健康面の点も知っておきたいはず。
そういったポイントの洗い出しを上級生涯生活設計コンサルタントの高平ゆかり先生と徹底的に行いました。
「新シニアの履歴書」の特徴
PCで作成したものになりますが、書き方のサンプルは以下となります。協会としては、できる限り自筆で記入されることをおすすめします。たとえ、字が上手でなくても、誠意を込めた字で書くことは、相手にも気持ちが通じるでしょうし、PCの文字よりも温もりはありますので。
キャリアの棚卸しと気持ちの切り替えの重要性
シニア層の就活は、現役世代の就職、転職活動とは異なる点が少なくありません。特に再雇用制度満了の65歳以降は、労働市場における応募可能求人も限定されます。すなわち、シニア求職者には必然的に新たな働き方、職種選択において現実に向き合う気持ちの切り替えが求められます。
キャリアの棚卸しにおいても、かつての栄光にフォーカスするのではなく、自分のスキル、ナレッジを軸に、求人先が必要としているポイントと何が合致するのかを記入することで、「書類選考の壁」を越えることもできると考えます。
現在はサイトからPDF版がダウンロード可能ですので、ぜひ、サイトをご覧になってください。
一般社団法人シニアライフデザイン協会のホームページはこちらです。
行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ