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Craft Tokyoの考える、顧客体験を重視した海外進出の新しい方法論。“日本のものづくり”が世界に羽ばたく道づくりを目指して

著者: 株式会社Craft Tokyo

「日本のものづくりを海外に」というモットーを掲げて、Craft Tokyoは2021年9月に創業しました。地域産業が抱える伝統文化や技術の途絶え・事業継承そのものにおける危機的な状況を、防ぎたいとの強い思いから、中小メーカーや個人事業主でも海外市場で戦える道筋を目指せる仕組みを考えることからスタートしました。


きっかけは、農業ベンチャーに参画した時に築いた実績と手応え。台湾、香港、東南アジア地域に日本産果物を輸出することで、生産者に利益が還元される仕組みが作れたことを、日本のものづくりでも実現したいと考えました。


私自身が世界を40カ国以上回ってきたからこそ、日本産プロダクトの魅力への造詣は、一層深くなりました。


元々は、世界を席巻してきた日本の製造産業。日本製プロダクトは、性能と製造元の信頼性の高さから、歴史的に世界から評価をされて来ましたが、いつしか、日本メーカーの存在感は薄れて来ました。


一方、まだまだ、日本製プロダクトに対する世界からの信頼は厚く、更に、中小企業・個人の職人や作家の商品に目を向けると、日本人以上に海外の方から評価される素晴らしいプロダクトが存在します。


実際に、私自身が地方を巡り日本が誇る「ものづくり」に触れることで、それらの商品の可能性を確信しました。


また、地場産業のメーカーや職人さん達のお話を伺うと、彼ら自身も「自分が作ったものを海外の方にも使ってもらいたい」という思いを抱いていることが分かりました。


だったら、海外進出のハードルと感じられている物流や言語対応、何よりも現地ローカルのマーケティングサポートを一手に請け負うことで、「海外進出」を、より身近に考えてもらおう!と。


自らの思いと、自分が積み上げてきた経験が重なった瞬間でした。


このストーリーでは、台湾のショールームで見られた日本のものづくりの反響と影響、今後の展望についてお話しします。

年間5%の経済成長率。親日国・台湾でのテストマーケティング

日本に好意的な人は、世界にもたくさんいらっしゃいますが、中でも台湾は類まれな親日国です。日本の文化風習との親和性も高く、年率5%で成長している経済市場は、トライアル市場としては非常に魅力的です。今や一人当たりのGDPは、ほぼ日本と同じで、何より片道3時間と距離が近い!


日本市場のテストマーケティングを九州で行うことと同じ感覚で、世界市場のテストマーケティングを、まず、台湾で行うことでノウハウを溜めながら、次なる市場を目指せれば理想だと考えています。


幸い、台湾なら前職で培った各方面の業者ネットワークと得意な中国語が生かせる優位点もありました。

台湾の裏通りで魅力を体験。伝統文化と消費者起点が織りなすものづくり

創業当初は、台湾のクラウドファンディングからスタートしました。

約40社の出展支援をする中で見えてきた課題として、高額で良い商品ほど「体験」が必要だということ。


実際に手に触れ、試用してみることで、商品の本当の魅力が伝わり消費者はそこに対価を払ってくれます。オンライン決済が加速していく時代だからこそ、消費者理解に「体験の場」は、今まで以上に求められています。


そのため、2023年1月31日に、思い切って「体験型ショールーム」を「赤峰街」という、ちょっと、昭和のノスタルジックな雰囲気が漂う再開発エリアに開店しました。


台北でも多くの人が集まる「中山」というショッピングエリアの1本裏通ですが、元々、船や自動車・オートバイなどの修理工場で栄えていた町工場の跡地で、「日本のものづくり」を発信するには、この上ないベストな立地です。


我々と同じような思いを抱く台湾のクリエイター達も集い、ユニークな雑貨店やお洒落なカフェ、アートギャラリーや古着屋などが軒を連ね、東京の蔵前や清澄白河のような下町エリアを彷彿とさせます。


Craft Tokyoにも週末では約300人以上、月間で約4000人のお客様に来店いただいています。


狙い通り、来店顧客の「生の反応」が得られることは、売り方・商品開発において、とても役立っています。


作り手が自負する「技術」や「こだわり」が、消費者にとって重要か?は別問題。伝統だけにこだわり続けるのではなく、消費者の声に耳を傾けて、共に歩んでいただける「ものづくり」は、少しずつですが、結果にも繋がりはじめています。


例えば、日本人作家の手作りによるアクセサリーは台湾で非常に人気ですが、欧米や日本と同様にターゲット層を考慮してピアスをメインに扱っていました。一方、最近の台湾では若い方達も耳に穴を開けることを避けて、クリップやイヤリングタイプを好む方も半数近くいることが分かり、入荷比率を変更することで、その後の販売が飛躍しました。


また、試食会をすることで発見できたエピソードとしては、「スープを飲み切る」という習慣から、スープの塩加減を少し薄めにすることで、台湾人にも受け入れられる「食品」になることも発見出来ました。「美味しさ」だけではなく「食べ方の習慣」も、選択眼に関わってくるという貴重な一例でした。

顧客との交流を通じて、日本のものづくりの魅力を再発見

開店から約150のメーカー様と取り組みさせていただいております。小さなメーカーが集結した力で、日本の製造業全体にもカンフル剤になればと目標は大きくなりました。


日本ならではの美しい造形美。「詫び・錆び」の奥ゆかしい美しさ。「おもてなし」精神が培ってきた「気の利いた商品」。様々な作り手が日々、精を出して作った商品への反応は、非常に高いことを実感しています。


開店時から展示出展いただいている「燕」と「高岡」の伝統技術が詰まった独特な斑点模様の「ORI-EN」シリーズは、お客様の殆んどが、商品の前で足が止まります。伝統文化にこだわることだけに執着せずに、今の時代に合わせた柔軟性を持ち合わせたものづくりが、結果的に反応が良いです。


少しずつですが、小売業者や卸業者様とのお取引の成約に繋がっています。


その他にも、石川の伝統工芸品や新潟のアウトドア製品で、卸業者・小売業者とのバルク取引の実績が作れてきています。


日本を愛してくれる台湾人自らが、日本の商品を見つけて、広げてくれる流れも最近の潮流です。そういったプロダクトも、私たちのショールームで展示することで、リアルな体験が可能となり、購買における説得力のサポートになっています。正規の販売店があることで消費者の方は安心されるようです。


台湾人が発見してくれた個人の作家さんのプロダクトでも海外進出を叶えられるのは、我々のような規模の組織の存在意義だと自負しています。

海外基盤の安定化と、さらなる台湾市場の開拓に向けて

「最初の一歩」をお試しいただいたメーカー様の次なる一歩の成約確度を高めて、より継続的な海外市場での基盤づくりを安定させたいと考えています。


弊社店舗でのテスト販売・マーケティング支援を前提に、今後は3つの核となる施策を進めていこうと動いております。


①Craft Tokyo店舗以外の小売・販売先開拓と運営(台湾小売)

Craft Tokyoは、台北に1店舗を構える小さな拠点にすぎません。

そのため、弊社店舗以外の小売開拓を進めています。自社で積極的に台湾のBtoB向けの展示会に出展し、誠品書店やMaraisをはじめとする雑貨・インテリア等、各ジャンルごとに小売を開拓し、店舗各社に関心を持って頂き、条件面の合う商品が販売できるルートを作っていきます。


最初は委託販売からスタートするかもしれませんが、弊社の1店舗だけでなく、台湾の様々な客層のいる各小売でもテスト販売が可能となり、より多くの台湾消費者・バイヤー様の目に止まるようになります。弊社店舗と多店舗でも展開することで、実績やデータも多角的に取れるため、メーカー様にとっては、多くの可能性に繋がると考えております。


また、台湾で売れる上代、素材、色・デザイン、形状、用途・機能が分かることで、

マーケットインの発想で、「台湾のニーズ」に合わせた商品開発・製造をメーカー様と共に実施できます。


②台湾のBtoB開拓(台湾の商社・輸入業者)

台湾の商社・輸入業者も日本の商品に対して大いに興味・関心を持っていますが、最初から売れるか分からない、単価の高い商品は、前払い・買い切りで在庫負担になるので新しい商品へのチャレンジ等、中々リスクが取りにくい事情があります。


そこで、弊社店舗でテスト販売をしつつ、どの商品が売れ筋で、それは何故なのか?

色々と検証を重ねるうえで、台湾で可能性がある商品がわかってきます。

また、①の弊社以外の小売での販売も実施することで販売実績・データの取得、消費者・バイヤーへの認知拡大が広がり弊社店舗でのテスト販売と合わせて台湾の商社・輸入業者的にも、ある程度検証を重ねたうえでの「リスク軽減した仕入れの検討」が可能となります。


③台湾のOEM・ODM開拓(台湾メーカー)

最近、台湾のBtoB業者と話をする機会が多くあり、台湾ブランドが日本の工場でOEM製造したいと相談を受ける機会が増えております。


日本のモノ作りや技術に対する評価は高く、


「自社ブランド商品を日本の工場で開発・生産できないか」

「自社ブランド商品のこの部分を日本の染色技術で染められないか」


等のような相談を受けます。大きな企業というよりは比較的、小規模でやられている企業です。今後は、そのような「日本のモノ作り」を活かしたOEM・ODM案件なども少しずつ携われないかと考えております。


<Craft Tokyo代表 柴田 卓洋>

前職の農業系ベンチャーでのアジア地域( 台湾・香港・東南アジア )統括任務を通して、台湾をはじめとしたアジア各国の輸入業者・小売と直に取引を行い、日本農産物の輸出実績20億円を作る。この経験で築いた物流・流通網を武器に、農業からものづくりにシフトし、Craft Tokyo 創業に至る。


<Craft Tokyo 出展サービス内容>


<その他の提供サービス>

  • 台湾の市場調査
  • 台湾のクラウドファンディング実施代行
  • Craft Tokyo台北店舗 テストマーケティング(展示・接客)
  • 台湾流通・小売店での委託販売支援
  • ビジネス展示会での出展支援
  • 現地コーディネート支援
  • 営業ツールやプロモーションツール等の制作支援
  • 各種中国語翻訳/デザイン支援
  • 販路開拓/パートナー開拓支援(B to B開拓支援)
  • プロモーション支援





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