民家の壁に歯磨き粉の自販機!?おかしなことだらけ”おばちゃんの開発秘話”
Y&S株式会社は主婦の偶然の発見から歯周病に関する特許を取得した
口腔ケア用品「デンタアプローチ」を販売しております。
開発者の竹内洋子は阪神淡路大震災のショックで重度の歯周病になったことから独学で実験を開始し、歯周病予防薬の特許を取得。自力で商品化までこぎつけた口腔ケア用品デンタアプローチシリーズを開発。
この度歯磨き粉専用の自販機を設置いたしました。
1975年から神戸でうどん店を経営。新店舗の完成の翌日に、阪神淡路大震災が起きた
弊社の口腔ケア用品「デンタアプローチ」が誕生したきっかけについてお話しさせていただきます。
私は1975年から神戸市でうどん店を経営しておりました。
とても小さなうどん店だったのですが、店の隣の家が売りに出されたのをきっかけに店の拡大工事を行うことになりました.
1年間休業し、晴れて新しいお店が完成したのが1995年1月16日でした。
夕日に映る真新しい建物が本当にきれいで、特に近くに住んでいた義理の両親は大喜びで義母は大きな声で万歳三唱しておりました。
そして翌日の1月17日、阪神淡路大震災が起こりました。
私たちの住む神戸市長田区は特に火災がひどく、目の前まで火が襲いかかり消防車が駆け付けるも、水道管が壊れている為に水が出ませんでした。みんなで必死に消火器をまき土をかけ奇跡的に全焼は免れました。しかし昨日完成したはずの綺麗な新しいお店は外壁が焼け焦げてしまいました。そして前日あんなに喜んでいた義母は屋根の下敷きとなって、完成したお店に入る事無く亡くなってしまいました。
震災前日に完成した自宅兼店舗 95年1月19日撮影
自宅の窓から見た震災直後の様子 95年1月19日撮影
震災直後、借金の返済が始まり、焼け野原で途方に暮れた。
店を改装するにあたり1年間仕事を休んだ為、貯金はほとんど底をつき始めていたところに、借金の返済も始まりました。隣の駅まで見えるほどの焼け野原でこれからどうやって商売を、生活をしていけばいいのか途方に暮れておりました。
そして何より大変だったのは、義母を失ったショックから義父が認知症となってしまったのです。体をさすってあげているときは不思議と穏やかで家族の記憶もはっきりしていたことに気づき、毎日時間がある時は義父の肩揉みをすることにしました。
毎日肩揉みをして義父の見事に禿げた頭部を見ているうちに、なぜそう思ったのか自分にもわかりませんが、このツルツルの頭から毛が生えたらお義父さんは若返って元気になるのではないか。認知症もよくなるのではないか。
そんな風に思い立ち育毛剤の研究を始めました。
義父の頭に毛を生やすための育毛剤研究。100種類以上の草花を塗り込むも、毛が生えず
研究といっても、身の回りにある草花を摘んできて、お酒やオリーブオイルなどに漬けたようなものを、肩を揉んであげるついでに頭に塗り込むといった程度でしたが、次はこれを試してみようと考えている時間だけは、辛い現実を少し忘れることができました。
実際の実験の様子
100種類以上の植物を試しましたが、残念ながら毛が生えてくることなく、阪神淡路大震災から4年後に義父は亡くなってしまいました。
自身の歯周病を機に、高野槙から作ったエキスの殺菌効果を発見、「デンタアプローチシリーズ」の発売へ
ちょうどその頃、私自身が重度の歯周病と診断され42歳にして入れ歯宣告をされてしまったのです。
まだ42歳、入れ歯にはなりたくないと思った私は、家中にあった育毛剤の失敗作を自分の歯に塗り込んで行きました。なんとしても入れ歯になるということを避けたかったのです。
その中で一つ、高野槙から作ったエキスを使った時に他とは違う感覚になりました。口の中が燃えるように熱く、「これはアカン!」と思いました。しかし数日後、高野槙エキスが他とは違う感覚だったため、もう一度口の中に塗り込んでみました。そんなことを続けていくうちに、それまで毎週のように歯医者へ行き痛み止めを貰わないと生活できなかったのが、全く歯医者へ行かず、気付けば2年経っておりました。
歯の詰め物が取れてしまったので、口内の様子を確認してもらおうと歯医者へ行くと、私の口内を見た主治医がびっくりして治療の手を止めました。
「入れ歯になりたくなかったから自分で薬作ったんや」と私が半分冗談で言うと
「竹内さんこれはすごい事かも知れんから、ちゃんと大学で実験してもらった方がいい。僕も力になる」と進言されました。
そこで大阪歯科大学に実験を依頼したところ歯周病菌、虫歯菌に対して殺菌効果があることが証明され特許を取得することができました。
そして2007年「デンタアプローチシリーズ」を発売いたしました。
その後口コミだけでたくさんの方に知って頂き、
発売から累計30万本以上を売り上げ、毎日感謝のお手紙もいただくようになりました。
夫の介護で店を開けられず、自販機設置を決めた
しかし家族に変化が起きました。
主人が脳梗塞で半身不随となってしまったのです。
主人の介護のもあり会社へ行けない日が続き、
お客さんからも”行ったけどお店開いてなかった”と言われることが多くなりました。
そこで歯磨き粉の自販機を設置することにしたのですが、
歯磨き粉が入る自販機は大きいものしかなく、設置する場所がありませんでした。
そんなとき事務所の勝手口の大きさがちょうど自販機の大きさと同じぐらいなことに気づき、設置してみると家の壁にすっぽりはめ込んだかのようになりました。
"何やこれ”
”歯磨き粉の自販機??”
前を通る人皆さん不思議そうに見ていかれます。
開発経緯からおかしいことばかりだったこの商品には
ピッタリの設置場所だと思っております。
また弊社では保護猫活動も行っており、
その活動の中で犬猫の歯周病も深刻な問題になっていることも知り、
犬猫専用の口腔ケア商品「デンタアプローチペティ」も開発いたしました。
デンタアプローチペティの収益の一部は保護活動に役立たせていただいております。
事務所では今保護猫のクロちゃんも一緒に仕事をしております。
看板猫のクロちゃん
育毛剤の研究、歯磨き粉の開発、自販機の設置、保護猫活動。
すべてつらいことを忘れるため、乗り越えるために
”目の前にあること”だけを見て必死に生きてきた証です。
おかしなことだらけの商品、会社ですが、
誰かのお役に立てると信じて今日も
”目の前にあること”を見つめて頑張っていきたいと思っております。
Y&S株式会社 竹内洋子
078-631-3377
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