介護に関わるすべての人を応援する学びのネットワーク「CCN(クロスケアネットワーク)」の誕生秘話とその想い
私たちクロスケアデンタルは、高齢者の発症率が高い誤嚥(ごえん)性肺炎のゼロを目指す「誤嚥性肺炎ゼロプロジェクト」を展開し、福岡から全国へ「介護の口腔ケア」を広げる会社です。
誤嚥性肺炎ゼロプロジェクト(以下ゼロプロ)は、介護現場に週に2回の正しい口腔ケア(セロプロ式口腔ケア)を届け、誤嚥性肺炎をゼロにすることを目的として設立されたプロジェクトです。ゼロプロ式口腔ケアとして口腔ケアのやり方を統一することで、歯科医師や歯科衛生士でなくても、介護職のみなさん自らの手で誤嚥性肺炎から施設利用者の方の命を守れるようになることを目標をしています。
今回は新しく開設した、介護に関わるすべての人を応援する学びのネットワーク「CCN(クロスケアネットワーク)」についてお伝えします。
株式会社クロスケアデンタルの立ち上げ。誤嚥性肺炎をゼロを目指して。
誤嚥性肺炎の原因の一つに「お口の汚れを誤嚥すること」があります。そこで、ゼロプロではそのお口の汚れをブラッシングで取り除き、高齢者のお口の機能低下に対してのリハビリテーションをおこなっています。正しい口腔ケアを介護職のみなさまに届けることで、実際に特別養護老人ホーム マナハウス様では、平成28年10月よりゼロプロに取り組み始め、介護職員が週2回の口腔ケアを行ったことで1年間で誤嚥性肺炎による入院日数を約4分の1に減らすことができました。
代表の瀧内博也が歯科医師として大学病院に籍を置いていた際に、高齢歯科での診療と、口腔ケアに関する研究を行っていました。歯科の視点から口腔ケアを通じて専門性を持たせることで、介護職をもっとキラキラ輝く職業にするお手伝いをしたい。介護現場の方々と深く関わることでそのような思いが生まれ、高齢者の発症率が高い誤嚥性肺炎を介護者の口腔ケアによってゼロにすると決め、立ち上げたのが株式会社クロスケアデンタルです。
「CCN(クロスケアネットワーク)」立ち上げのきっかけとなった一件のお問合せ。
当社が展開しているゼロプロで、介護現場に正しい口腔ケアを届ける方法として、当初はプロジェクト参加施設にて対面式のセミナーを行っていました。しかし、コロナ禍ですべてを対面で行うことが難しくなり、オンラインでのセミナーへの移行を行いました。その結果、遠隔からのセミナー参加ができるようになり、参加施設は福岡県に留まらず全国へ拡大が可能となったのですが、それでも参加者はゼロプロ参加施設の職員に限られていたんです。
ある日、当社のホームページに1件のお問合せがありました。
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ダウン症の息子が夕食時に誤嚥し、救急搬送されました。入院5日目に担当医より、「胃ろうしか選択肢がない」と言われましたが、まだ承諾書は書いていません。入院10日目の昨日はご飯を半分くらい口から食べているようです。御社のセミナーなどを受けておられるような歯科、あるいは介護しなどが近辺においでならお頼みしたいと思いました。いらっしゃらなければ、個人でセミナーを受けることができるのかお伺いしたいと思いました。
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ゼロプロとして口腔ケアを届けているのは施設単位のため、個人での学びの場はありません。このときは個別に連絡をさせていただく形で対応を進めたのですが、「もしかしたら、在宅で介護をされている方で学びの場を必要としている方は多くいるのかもしれない」という想いが強まったできごとでした。
介護に関わるすべてのひとに学びの場を届けたい
在宅で介護をされている方以外にも、歯科医師や栄養士などの専門職の方々からのお問合せが増えてきたこともあり、「CCN」を開設することに決めました。当社の社名クロスケアデンタルの略称が「CCD」なのですが、「クロス(かけ合わせる)」「ケア(介護に)」「デンタル(歯科を)」といった意味合いです。「CCN」の正式名称は「クロスケアネットワーク」で、介護に「つながり」をクロスし「家族の介護をしている人も、専門職の人も、みんなの繋がりの場をつくりたい」という想いを込めました。
CCN開設にあたって、実施するセミナーの形式等について見直しを行いました。システムを実際に検討した担当者に詳しく伺いました。
―学びの場として提供するセミナーについて教えてください。
新型コロナウイルス感染症の始まりをきっかけに、オンラインでのセミナーが確立されました。それまでは、介護の現場においてオンラインやIT機器等はどちらかというと敬遠されていたように思います。私たちも対面形式のセミナーを全国各地で行ってきましたが、感染リスクを考えて開催を中止せざるを得ませんでした。コロナをきっかけに、業界問わずオンライン形式でのウェビナーも普及したことで、今では介護の現場でもオンライン形式のセミナーが当たり前に受け入れられるようになりました。
―システムを考えるなかで直面した壁はありますか?
当社で届けられる学びの場としてまずは、「介護の口腔ケア」について整備しました。そこで直面したのが「施設全体で取り組む場合ではなく、個人の場合はどうやったら適切な口腔ケアを身につけることができるか?」という点です。1回のセミナー受講だけでは技術を習得するのは難しい。だから、確認試験を含むステップアップ形式にしたんです。口腔ケア検定ではオンライン上で全て実技も含む確認試験が行われます。確認試験受講後は試験担当者より細やかなフィードバックも併せて行うことで、たとえ不合格になった方へも復習するポイントを明確にすることで、再チャレンジできる仕組みをつくりました。
―今後はどのように活用していきたいですか?
まずは、私たちが介護の現場で使ってきた肺炎を減らすための正しい介護の口腔ケアを学べる場所を提供していきたいと思っています。その次にあるのは、いつまでもおいしいお食事を食べられるお口づくりのためのリハビリテーションやアセスメント方法といった、「食事支援に関わる分野」を学べるようにしていきたいと考えています。また、介護施設で働く方だけでなく、在宅介護に携わっている方も同じように、介護技術を学べる場所や、医療従事者等の専門職の方に向けた、より実践的で深い知識も学べる場所も提供していきたいと考えています。
- クロスケアネットワーク
https://network.crosscare-dental.jp/
- クロスケアデンタル
- 誤嚥性肺炎ゼロプロジェクト
https://crosscare-dental.jp/goen-zero-project
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