「日常とアートを結びつける」新しい文化とギャラリーの可能性を発信するL-1GALLERYの今後のヴィジョンと誕生までのストーリー
"都市を舞台としたショーケースギャラリー"をテーマに設立から3年目を迎えたL-1 GALLERY。
文化の発信地としての今後のヴィジョンと誕生までのストーリーを創業者でありクリエイティブディレクターのKALAN に聞いた。
KALAN │ カラン
クリエイティブプロデューサー。山岸征史氏に師事し、テキスタイルアートスタジオで働く傍ら、朝日新聞、映画、建築関連のライターアシスタント、音楽の作詞等を手掛ける。その後、村上隆のGEISAIスタッフ等を経て、目黒に複合アートスタジオ、"M・A目黒青猫"を設立。2019年、目黒区に於ける文化活動に参画しアートプロデューサーを手掛ける。2020年から目黒区の後援名義によるアートイベント"LADYBIRD" を主宰。 同年アート・ファッションの複合チャンネル"STYLES"を主宰。その他、日本最古のロック喫茶 渋谷B.Y.G にて、ブラックミュージックを題材に、"TO BLACK RAMBLER ’69" "BLIND BLUES CINEMAS" "NEO SOUL LUSH"、計三本のミュージックプログラムを主宰。2021年 渋谷区広尾に「都市を舞台としたショーケースギャラリー」をテーマに"L-1 GALLERY"をOPEN。2022年 アーキプロジェクト"VOID²"設立。2024年1月 コンサルタント・マーケティング企業と協賛しアーティスト支援事業"Opportune"設立。2024年3月「芸術@REFLECTION」をモチーフに"PLOW THE ART Assoc."設立予定。活動はジャンルを問わず多岐に渡る。
L-1 GALLERY設立のきっかけは、10代の頃からカルチャー全般に興味があったこと
KALAN アートギャラリー設立の計画は20代に(15年以上前)考えていました。
誕生の具体的なきっかけと言えるかはわかりませんが10代は絵描きになりたくて絵を書いていましたし、絵画以外でも映画、音楽、ファッションと言ったカルチャー全般が好きだったので、それにまつわる仕事をしていきたいという想いから具体的なプロジェクトの計画を10~20代の頃に行っていました。その中の一つがギャラリーでした。
13年前に目黒でLIVEを行えるBARをオープンし、その後3-4年後にはギャラリーを開く予定でいましたが、目黒のお店の経営や、当時私が目黒区の文化活動を行い始めた経緯もあり、なかなかオープンの目途が立てられずずいぶんと伸びてしまいました。実際このギャラリーの物件を借りたのは今から10年程も経つんです。オープンする前までは主に事務所兼倉庫として使用していました。
ギャラリーのコンセプト”都市を舞台としたショーケースギャラリー”自体も基本的には当時考えていた事がベースになっていて、日本のコンテンポラリーアートを世界に発信できるギャラリーの開廊、ギャラリーをコミュニケーションの場と考え、集う人たちが作品を通し作家や作品と直接触れ合える場を提供すると同時に、ギャラリー自体を日常とアートを結びつける機能を持った装置 ”オブジェ”として捉え、都市を演出したいという考え方が今のギャラリーのコンセプトの原点になっていると思います。
ギャラリーの設計から運営の工夫。アーティストからの要望で空間はシンプルに
KALAN 経営で苦労した点については当初自分が考えていたよりもお客(展示会やレンタル等)が入らなかった事です。今となっては告知の仕方の問題等あったと思いますが、当時自分が考えていたギャラリー(展示空間)の提案の仕方と、実際使われるアーティストの方々が考える使いやすい展示空間のイメージが違っていたんだと思います。壁の色も現在のほぼ白壁よりも黒壁のスペースが多かったり、什器も数が多かったりと、"間"がなくアーティスト側から見ると若干展示しにくい空間だったんだと思います。実際使われるアーティストの方々から、「この什器は使用しないので片づけて頂くことはできますか?この什器の代わりに収納スペースがあったらいいですね。」等、その後意見を色々と聞かせて貰いながら、結果空間自体はよりシンプルな形に淘汰されていった気がします。
また大変だったという点では、この物件自体が当初、天井、床、壁全てコンクリート剥き出しで音が反響してしまうので、天井には吸音材、床や階段には汚れが目立たないよう全面タイル貼り、入口のファサード部には展示の告知や展示会の演出が施せるよう鉄板を全面に張ったり等、内外装の工事に経費も含めずいぶんと時間(自分で設計、デザインをしていたので余計に)をかけてしまいました。また、工事も全てイメージ通りに進むという事もなく、例えば施工会社にお願いして取り付けた天井の吸音材がその後一年で全て落ちてきて(天井に若干凹凸があり作業自体が難しかったため)、結果、その後スタッフと一緒に四苦八苦しながら接着し直したりする場面もありました。
吸音材って接着中天井に手を挙げた状態で抑えていなければならないので2.3枚付けるだけで腕がフラフラになるんです。ちなみに接着剤を強力につけたので吸音材はその後一度も落ちてきていません(笑) 思い通りに行くことばかりではありませんが今となっては全ていい経験です。
こだわりの什器と自らのギャラリー清掃でより良い展示空間へ
KALAN 展示後アーティストさんから「作品が思っていたよりも売れました、また次回よろしくお願いします。」との声や、「今までで一番良い展示会だったとお得意さまから言われました!」等の声を頂けるのは嬉しいです。結局はこのギャラリーを気に入って頂けることが一番嬉しいです。
その他ギャラリーに置いてある細かな什器、入り口やテーブルの上に置いてあるZACKのソープディスペンサーやトレイ等、「これいいですね、うちでも使いたいので型番教えてください」等言われたりする事はとても嬉しいです。自分達が好きな什器をセレクトして置いているのでそういったプロダクトを世間に広告できる事も含めて嬉しい。ギャラリーを通してうちで使っているCassinaやAlflex、Artemide等、より良いプロダクトの広告塔としての機能も兼ねられるような場所(ギャラリー)として今後より運営していければと何よりだと考えています。
大事にしている部分については幾つかありますが、その中でもギャラリー使用後の清掃に関しては丁寧に行うようにしています。ちなみに清掃はスタッフに任せず現在基本的には私が行うようにしています。綺麗な状態で会場を使用するアーティストにできるだけ気持ちよく展示をして欲しいのは勿論ですが、それ以外に私自身が使用後のギャラリーを見る事で、その展示がどのように行われたか細かくわかるので(什器の配置の変化等)、今後より良い展示空間を提案をしようとする立場としては非常に参考になっています。
既存のギャラリーの枠に捉われず、現代に沿った新たなギャラリーの可能性を提示する存在でありたい
KALAN ヴィジョンとしてはできるだけ既存のギャラリーの形式や枠(レンタル、コマーシャル等)に捉われず、L-1 GALLERYというプロジェクト(組織)として世間に認識されるような活動ができればと考えています。現代に沿った新たなギャラリーの可能性を世間に提示できるような事ができればと思っています。
具体的には近々ギャラリーのECサイト(アーティストを集い)を開く予定ですが、その他、専属のフォトグラファー(カメラマン)をギャラリーに設け"フォトスタジオサービス"(写真スタジオ業務)を開始します。また今年には、若い才能あるアーティストに向けたアート支援事業 "PLOW THE ART ASSOC"を企業(マーケティング会社、コンサルタント会社)と協賛し設立するので、そこにL-1 GALLERYも共同で事業に参画する予定です。その他私が"区"の文化活動等も行っている経緯もあり今後自治体とも連携を取らせて頂きながら、より多角的に国内において"カルチャーそのものの持つ価値"の底上げができればと考えています。
L-1 GALLERYの"L-1"は"B1"がルーツです。私が当時(15年以上前)ギャラリーの企画を書いていたノートには、「光を浴びるべく 用意された 作品と、それ等にかけられた全ての"熱量"に捧ぐ 純粋な装置として」と、原案(コンセプト)が残ってあります。
当初の自分の想いに恥じないよう、光を浴びるべき、新時代を切り拓くアーティスト達の活動を支持しながら、現代の先端のアートを世界に発信し、未来に希望の持てるアートの土壌を開拓する"日常とアートを結びつける装置"として今後プロジェクトを発展できればと考えています。
ギャラリー情報
L-1 Gallery│エルワンギャラリー
「都市を舞台としたショーケースギャラリー」をテーマに、クリエイティブプロデューサー KALAN が2021年に設立。彫刻、写真、映像、サウンド、アパレル展示、絵画、パフォーマンスと幅広いジャンルのアーティストの活動や試みを支援、また作家同士のコミュニティーを兼ねた定期的なレジデンスプログラムを搭載するオルタナティブスペース。ファサードからギャラリー内全体のスペースが作家の作品や状況と呼応し、日常とアートを結びつける装置として都市を演出します。
https://www.l-1gallery.com
〒150-0012 東京都渋谷区広尾3-13-1 trust value hiroo B1F
TEL : 090-1936-8037 Email : info@l-1gallery.com
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