なぜプロスポーツチームがLED照明事業に進出するのか ~スポーツ事業以外の収入源を確保する狙いとは~
2020年5月1日、プロバレーボールチーム「ヴォレアス北海道」を運営する株式会社VOREAS(本社:北海道旭川市、代表取締役社長:池田 憲士郎、以下「VOREAS」)は、ヒカリレンタ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:井口 通雄、以下「ヒカリレンタ」)から、コロナショック救済のためのクラウドファンディングを通して100万円を調達したと発表した。今回高額支援を申し出たヒカリレンタは、LED事業を全国で展開する企業。今年度からVOREASにLED代理店事業を委託し、パートナーとして協業を開始していた。
【経営手法にみるヴォレアス北海道の特徴】
ヴォレアス北海道はV.LEAGUE DIVISION2に所属する、設立3年目の非常に若いチームである。チームとその運営会社VOREASの大きな特徴は、常に前提を疑い新しい手法を模索し、スポーツを通じて世の中に価値を提案していく、その経営スタイルにある。
興行面では、慣習を重んじるスポーツ業界において、チケットの電子化やキャッシュレス化などにいち早く注目し導入、結果を出し続けてきた。事業面では、スポンサー収入に頼らない骨太な経営を目指し、健康食品事業や新電力事業など様々な枠組みで事業提携を行ってきた。これは資金を提供するだけの単なるスポンサーではなく、課題解決型営業の新たなスキームを構築することで、パートナー企業と共に地域課題の解決を目指す姿勢の表れである。また、これまでの観戦スタイルにありがちなジャンクフードの飲食サービスを排除し、所属選手だけでなく来場者の方々の健康までをも意識している。生ハチミツ製品を販売しヒットするなど、サポーターやパートナー企業を中心にその輪が広がりを見せている。
【なぜLED照明レンタル事業なのか】
そんな中で、今回新しくパートナー企業としてVOREASと協業を開始したのが、LED照明のレンタル事業を全国で展開するヒカリレンタである。従来の蛍光灯や水銀灯などに対してLED照明が持つ、長寿命、低電力消費などのメリットは周知の通りであるが、初期費用やメンテナンスコストがこれまで導入への障壁となっていた。ヒカリレンタはその課題をレンタルスキームで解決し、企業のLED照明導入とそれによる環境コストの低減に寄与するビジネスを展開する。これは従来の蛍光灯が抱える廃棄時の水銀問題の解決や、エネルギー消費の観点からSDGsにまで貢献するという画期的なスキームであり、具体的には節電によりCO2の大幅なカット(CO2は最大90%カット)が見込まれる。「100年後の地球と子どもの未来を守る」をコンセプトに、環境に優しいLED照明の普及に努めている業績好調の企業である。
【なぜプロスポーツチームが行うのか】
バブル崩壊から始まった日本経済の停滞は、少子高齢化、人口流出に歯止めがかからない地方において特に影響が大きい。ヴォレアス北海道が本拠地とする北海道旭川市もその例外ではなく、チームをサポートする企業の経営者らからは地域の未来を悲観する声も多い。
そんな環境下、ヴォレアス北海道は設立当初から地域密着型のプロスポーツチームを目指している。その運営会社であるVOREASの経営ビジョンは「スポーツを文化に、そして喜びを」。この言葉には、プロスポーツチームとしてエンターテインメントを提供すること以上に、地域社会と密接に関わり、全てのステークホルダーと共に豊かな社会を目指し、地域に漂う閉塞感を打破するという決意が表れている。
今回のヴォレアス北海道を通じたLED照明のレンタル事業は、コストカットを行いたい地元企業と、スポンサー収入を得たいスポーツチームの思惑が合致したビジネスモデルである。さらにLED照明が商材であることから地域環境への配慮もできる、まさにwin-win-winのモデルといえる。
【コロナショック下でも力を発揮するLED照明スキーム】
このようなビジネスモデルを設計している最中、新型コロナウイルスにより人々の経済活動がガラリと変わってしまった。特にエンタメ業界へのダメージは計り知れず、この状況が続けば、スポーツ事業の収入のみに頼る経営では倒産もみえてくるのはVOREASも例外ではない。チームの大きな収入源であるスポンサー企業も、経営が苦しくなればコストカットが必要となり、真っ先に削られるのはこのスポンサー予算であろう。
この厳しいコストカット要求の中でも、VOREASのLED照明による経費削減モデルは有効と考えられる。このスキームであれば、企業のコストカットとヴォレアス北海道の応援、両方を実現できる。従来のようなスポーツチームへのスポンサーが厳しい経営環境においても、固定費削減へのニーズを満たし、かつ今まで応援していた地元チームにも変わらぬ支援ができるこのスキームにかかる期待は大きい。
【誰も予想できなかった経営危機】
設立から3年。チーム設立会見で社長の池田が掲げた「最短でトップリーグに昇格し、日本一を獲る」というチームの目標に順調に近づいていた2020年2月、コロナウイルスにより突如リーグが打ち切られた。V2昇格初年度にもかかわらず19勝1敗と大躍進を続けていたヴォレアス北海道は、首位との直接対決を含むホーム最終戦2試合を残したまま、リーグ2位でシーズンを終えた。さらに追い討ちをかけるように、V1昇格をかけた入替戦も無観客試合での実施ではなく中止という決定が早々に下る。
ホーム最終戦2試合の損失は数百万を超え、V1昇格を逃したことで、会社としての来シーズン売上予測も大幅に下方修正することになった。コロナの収束は見えず、収入見込みも立たず会社の存続が危ぶまれる中、VOREASは損失補填のためにクラウドファンディングの実施を決意。リターンの一つに設定した、一口100万円の「2020-2021オフィシャルパートナー “VOREAS FAMILY”」メニューに手を挙げたのがヒカリレンタだった。
【井⼝通雄 代表取締役社長】
「元々VOREASとはLEDレンタル事業で提携させていただく予定でしたが、先日スタートしたクラウドファンディングの内容を拝見しましたところ、想像以上に厳しい状況なのだろうとお見受けしました。そこでこれから北海道で一緒に頑張って行こうという想いで、事業提携とは別の枠組みでも協力をさせていただくことを決めました。今は世界的に厳しい経済状況ではありますが、VOREASと共に経費削減のお手伝いをすることで、皆がこの苦境を乗り越えるための一助となれば幸いです。」
【なぜスポーツ事業以外の収入源を確保する必要があるのか】
スポーツは娯楽であり、経済が縮小する中では真っ先に削減の対象となる。しかしこの未曾有の危機、活動自粛期間を経て、如何にスポーツを含めたエンターテインメントが日々の生活の活力になっていたかを多くの国民が強く自覚したことだろう。プロスポーツチームの一番の価値とは、応援していただく全てのステークホルダーに娯楽を届け続けることであり、そのためには安定した経営を目指して複数の収入源の確保が必要不可欠である。
「スポーツを文化に、そして喜びを」
「100年後の地球と子どもの未来を守る」
両企業が掲げる経営ビジョンには、地域社会の課題解決に向ける熱い想いがある。日々情勢が変わるこの不安定な世の中においても、変化を恐れず常に前向きに挑戦し、地域経済の課題にプロスポーツチームを通じてアプローチするこのスキームは、VOREASの新たな収入源となりこの危機を乗り越えるための重要な一手となることを願ってやまない。
【ヴォレアス北海道】
「V.LEAGUE」に2017/18シーズンより参戦し初年度で優勝(3部リーグ)、2018-19シーズンにおいても連覇。2019-20シーズンはV.LEAGUE DIVISION2に参戦し、19勝1敗で2位の成績(リーグ戦打切りにより2試合未消化)。⽇本代表経験もある古⽥史郎を中⼼に個性的な選⼿が集い、ヘッドコーチは世界各国で実績を積んだエド・クライン(クロアチア出⾝)がチームを初年度から率いる。チームスローガンは「Children of the Revolution (⾰命の⼦ら)」。そのスローガンの通り、⾰新的なアイディアとチーム運営の⼿法には定評がある。
映像コンテンツにも力を入れており、昨シーズンの激闘に密着したドキュメンタリーの制作・ライブ配信や、自宅でできるトレーニングを選手自らが紹介するYouTube動画も配信している。
ライブ配信詳細:https://voreas.zaiko.io/_item/325304
公式YouTubeチャンネル:https://youtu.be/AM8GTqmP2as
参考リリース
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