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ストーリーの著者は、読者でもあります

理論派?行動派?両面を併せ持つ社長が挑戦する「選ばれる中小製造業」になる支援をする会社の創業ストーリー

著者: 株式会社ジャパン・エンダストリアル

弊社、株式会社ジャパン・エンダストリアルは、中小製造業を専門にDX研修を通して「選ばれる企業」になるためのご支援をしている会社です。

2019年7月の創業以来、「ものづくりの世界を元気にする」という志を胸に、中小製造業のお客様と共に歩んでまいりました。創業時は代表の杉山が1人で事業を行っていましたが、現在では事業の内容も変化し、チームメンバーも10人(公開時点)まで拡大しました。


そんな弊社と筆者が出会ったのは、2022年の6月でした。創業から約3年、会社が凄まじいスピードで変化しているタイミングでの参画でした。参画から1年半余りが経過しましたが、現在もお客様により良いものを提供するため、変化を続けています。


そんな中ふと、ここまでの会社の変化を代表の想いとともに聞いてみようと思い立ちました。筆者もまだまだ知らないことばかり。弊社の創業期から現在までの変化と代表の想いに迫りましたので、お届けします。

杉山 純一 / Junichi Sugiyama 

株式会社ジャパン・エンダストリアル代表取締役社長


2013年に株式会社リンクコーポレイトコミュニケーションズ(リンクアンドモチベーショングループ)入社。プランナーとして、日本の大手メーカーのコーポレートブランディング(IR・理念浸透・採用)を中心に30社以上支援。

2019年に株式会社ジャパン・エンダストリアルを設立。製造業専門のMicrosoft製品の利活用サービスを提供。2022年より講師活動を開始し、セミナー受講者数は100名以上。同年10月に情報経営イノベーション専門職大学客員講師を拝命。

悩んで、考えて、聞いて。そして見つけた自分の答えが「起業」

ーー2023年7月で創業から4年が経過しましたが、なぜジャパン・エンダストリアルを起業されたのでしょうか?起業するまでの経緯を教えてください。


起業することは、大学生のときに決めました。その頃、私は自分がどのように生きていくと良いのかを本気で考えていました(当時は考えるというより悩んでいました)。当時の私は、どんなものにでもなれる気がしていました。選択肢が増えるというアドバイスを親からもらい、大学まで進みました。そのアドバイスはとても有益でした。また進学させてくれたことに感謝しています。おかげで思う存分勉強もスポーツもできました。素敵な友人にも恵まれました。 

 

しかし、順風満帆の大学生活でしたが大きな壁にぶつかりました。自分の進みたい道を、1つに決めることができませんでした。私は比較的、置かれた環境で求められていることに適応できます。でも、そもそも何をやるべきか、どの環境に身を置きたいのかがわかりませんでした。 

 

就活の時期になり、みんなと同じように就活すべきなのかというところから疑問を持ちました。リクルートスーツを着て説明会に行くときは、本当に辛かったです。自分がなぜその説明会に行くのかわからなかったからです。意志がないまま進んでいくことが辛かった。 

 

就活の間に、いろいろな人に会いました。OB訪問もしました。親族にも話を聞きに行ったり、1人で新宿二丁目に行き、そこで出会った人に話を聞いたり。建設現場やカレー屋のバイト先にも話を聞きました。税理士の先輩もいたので、士業の方にも話を聞きました。一通り話を聞いた中で、私は自分で事業をしている人に関心を持ちました。自分で事業を起こしている人は、自分の意思をもって、自分を生きていると感じました。この探索期間がきっかけで、起業を志すようになりました。 


いろいろ考えて最終的に選んだ道は、リンクコーポレイトコミュニケーションズという会社でした。「将来起業します」と面接で言っても落とされなかった会社です。起業することを決めていたので、就活は3つの軸で選びました。「経営層が顧客」「無形商材」「無名な企業」この3つでした。いつか自分が経営したいので、経営者に近い仕事をしたい。商材がないので、コミュニケーション力が必要。無名なので、会社の名前は使えない。こういった制約をかけて選びました。 

 

前職には、法人営業として6年ほど勤めました。自社のセミナー企画や採用、育成まで経験させてもらいました。実は、そのままいるかもしれないと考えたのですが、6年在籍している間に企業規模が大きくなり、体制も変化し仕組化が進みました。分業体制では、当初のやりたかったことができなくなるため、当時の社長が退任するタイミングで私も退職しました。 (社長の退任は狙っていたわけではなく、偶然でした。)

 

その後ジャパン・エンダストリアルを創業することになりますが、企業理念は家族の影響を受けています。私の家族は代々、大工や製造業に従事していました。家には物置があり、工具が並べられていて、ほしいものがあれば自分でつくるという家でした。父親は職人気質です。好きなことに没頭すると、何時間も同じことを続けられます。起業するなら、職人気質で、ものをつくる企業を支援したいという想いからお客様のイメージを決めていきました。 

図1 創業直後の様子

実現したいことや困りごとを整理し、解決策を提案する

ーー創業当初から現在まで、事業内容はどのように変化してきたのでしょうか?


創業当初は、産業用ロボットの導入支援から始めました。中小製造業のお客様の現場を視察させていただき、要望や問題を整理して自動機を導入する支援をしていました。「実現したいことや困りごとをヒアリングして、現状とのギャップを整理する」というプロセスは、前職の営業活動と通ずる部分がありました。ギャップがわかれば後は解決する方法を探します。その手段が前職とは異なり、自動機や産業用ロボットになりました。専門的すぎてわからないこともありましたが、経営指標にどのような影響があるのか、投資対効果はどれだけあるのか、など経営の意思決定を支援するという点においては、応用できるものがありました。専門知識は専門のパートナーに協力をしてもらい、私はプロジェクトマネジメントを専門に支援をしていました。 

 

創業当初は産業用ロボットの導入支援でしたが、徐々にIT導入の相談をいただくようになりました。世の中ではデジタル人材の不足が問題になっていますが、その波に乗るような形でIT導入支援が少しずつ増えていきました。経営課題を解決するという意味において、デジタル活用も同様です。製造業のデジタル活用は、難易度が高く、物理的な世界とデジタルの世界を両方理解することが必要です。そして、ものの流れだけではなく、人の業務理解も必要です。 

 

当初は「デジタルを使って何かやりたい」という相談が多かったです。現在もDXという言葉に代わり、同じような相談がありますが、私のやり方は「実現したいことや困りごとを整理し、解決策を提案する」という点で以前と同じです。困りごと解決の手段が、少しずつデジタルになっていきました。もともとはプロジェクトマネジメント代行でしたが、現在は形を変えて教育になりつつあります。極論かもしれませんが、事業を通じて「デジタルツールを入れても課題は解決しない」ということを学びました。システムの受託開発をすることもありましたが、現在では提供していません。理由は、受託開発では、本質的な課題を解決できないとわかったからです。発注者と受託者では、構造的に問題を解決できません。発注者は、システムを通じて、課題を解決したいはずです。しかし、受託者は、要望に対して、品質を担保し、滞りなく開発することがサービスになります。発注者側の責任は、企画・設計し、開発部分のみを委託するべきです。しかし、実態は、企画・設計・開発までをベンダーに委託することが少なくありません。こうしたことから、現在は、研修と伴走支援をメインの事業にしています。 

 

扱っている技術においても、試行錯誤がありました。さまざまなデジタルツールを模索しました。パッケージソフトやローコードツールなど、実際に調査し、テスト導入もしました。最終的にベストだと思ったものは、Microsoft製品でした。特に弊社では中小製造業のお客様に技術を提供します。導入コストと拡張性、そして安定性で評価するとMicrosoft製品がベストでした。

図2 DXに関するセミナーで講演している様子

自分ができるかではなく「お客様は何に困っているのか」

ーー創業期、お客様を獲得するためにどのような工夫をされたのでしょうか?


前職は大手企業の経営層を顧客にしていましたが、新しい事業は中小製造業の現場が顧客でした。今思うと大変なことですが、社会人になってから築き上げてきたネットワークもなく、文字通りゼロから始まりました。当初の営業で取り組んだことは、「地元の商工会議所や銀行にチラシを配布する」「リストを購入して手紙を書く」ことでした。納品するものがなかったので、当時は産業用ロボットの導入支援をチラシにして配布していました。人手不足と自動化は大きなテーマだと考えていたからです。相談をいただいたら、自社でできないものはパートナー企業に紹介し、まずは相談をいただけるようにする。サービス化できるものは、少しずつサービス化し、内製化するようにしました。


創業直後の私には何もありませんでした。営業職だったため、具体的に自分の手で納品したことがありませんでした。起業してからより強く感じたことですが、会社が仕組みを整えていてくれていたため営業に集中できる環境が整っていました。しかし今は、自分で納品するものをつくるしかありません。そこでまずは自分の手で納められるものを探すことから始めました。 ソリューションは、自分ができるかどうかではなく顧客が困っていそうなことから考えました。実現方法は後から考えようとも思っていました。自分たちができることではなく、顧客が実現できたら良いこと、社会的にも提供できると良いものから考えるというのは、このときから大事にしているものだと思います。

図3 創業期から必ずメモを取ることを忘れない

一緒に挑戦する仲間と、もっと面白いことに挑戦したい。           

ーー創業期は杉山さんお一人で始められたそうですが、前回のストーリー配信時(2021年4月)と現在では、組織はどう変化してきたのでしょうか?


当時は何を提供するかもわかっていない、まだまだ試行錯誤段階でした。その頃は前職の後輩が手伝ってくれていました。今のウェブサイトの原形はその後輩が作ってくれました。また、ウェブマーケターも当時業務委託で支援してくれていました。 

 

そこから、体制は大きく変わりました。今はMicrosoft製品のプロがいます。新規事業に一緒に挑戦してくれるインターン生がいます。これは、もっと言葉にしたいところです。当時よりも広がりと可能性を感じています。 

 

自分の心の在り方も少しずつ変わっているかもしれません。 

今、一緒にプロジェクトを進めているチームとともに、さらに新しいことや面白いことに挑戦したいと思っています。特に今のチームは、各々が独立していても強くいられる人たちだと考えています。それでも一緒に活動しているということが、私たちの可能性を広げていると感じています。今以上に面白い機会をたくさん作ることに、さらに注力して取り組んでいきたいです。

図4 メディアとして取材に伺った企業の皆様と一緒に


製造業を”元気”にすることで「選ばれる企業」を増やす            

ーー創業当初から「製造業の世界を元気にしたい」ということをお聞きしていますが、現在の志や想いに創業時からの変化はあるのでしょうか?


当時から製造業を元気にしたいという気持ちは変わっていません。それがより具体的になってきているように思います。元気とはなにかをずっと問い続けてきましたが、今は「誰一人変化から取り残されない、ものづくりの世界が働きやすい未来を実現する」という答えを持っています。これが弊社のMissionにもなっています。ものづくりの世界は、サプライチェーンが長大です。歴史もあり、なかなか変わることが難しい世界ですが、デジタルや環境など時代の流れとともにテーマが生まれ変化が求められています。そのような世界で、過去を否定することなく未来に向かうエネルギーに適切に変換することができれば、すごいことが起きると考えています。そのときに、誰一人取り残さずに変化していきたい。 

 

そんな企業になるための支援をする私たちは、「製造業サポートのマーケットリーダー」になりたいと考えています。これは志が高く、簡単には実現できないことです。「製造業として」ではなく、サポーターとして存在することが弊社の立ち位置になります。顧客理解はどこまでも努力しますが、自社はサポートに徹します。 これが弊社のVisionです。


MissionとVisionが言語化されたことで、どのように変化し続けると良いのか?という問いが生まれてきました。現状の弊社の解は、「選ばれ続ける企業になる」ということです。資本主義にも限界が生まれると考えています。また、ものづくりは単純に資本市場で成長を求められている企業だけではありません。成長が必ずしも目標ではないと気づき、このような言葉になりました。製造業は、あらゆるステークホルダーとともに活動しています。それぞれのステークホルダーから選ばれ続けるということが、雇用を生み出し地域の活性化に貢献すると考えています。

図5 2023年に策定したミッション


馴染みあるツールで変化のきっかけを

ーー最後になりますが、今後に向けて、現在杉山さんが最も力を入れて取り組んでいることを教えてください。


現在は製造業向けのPower Platform(※)研修に力を入れています。

理由は2点あります。1点目は、Microsoft製品は既に現場に浸透しており、ほとんどの企業の基盤になっているため選びやすい製品である点です。企業のデジタル活用において、まずはこの技術を浸透させることで、より働きやすい環境をつくり、人材の定着を支援できると考えています。2点目は、デジタル活用の基本は応用が効く点です。企画・開発・運用は、Microsoft製品に限らず、あらゆる技術で共通のステップになります。デジタル活用を進められる基盤を構築できれば、製造業の働き方を十分に変えていけると考えています。働く環境を変えることで、従業員から選ばれ続ける会社創りの支援をしていきます。


※Power PlatformはMicrosoft社の製品群の1つで、ローコードでアプリやオートメーションなどの開発ができる製品です。

図6 セミナーの質疑応答で対話している様子


終わりに

私がチームに参画してから、代表とは幾度となく会話を重ねてきました。弊社のブランディングも担当させていただき、MissionやVisionの策定にも関わらせていただきました。

知られざる代表の想いを聞いた今、改めて事業内容や言葉選びを見てみると、これまでの杉山社長の経験が色濃く移り、「ものづくりの世界を元気にしたい」という熱い想いに触れることができました。


今後も株式会社ジャパン・エンダストリアルは、「誰一人変化から取り残されない、ものづくりの世界が働きやすい未来を実現する」というMissionのもと、中小製造業のお客様に「選ばれる」企業になれるよう常に変化してまいります。



会社概要

商号     株式会社ジャパン・エンダストリアル

代表者    代表取締役 杉山 純一

ミッション  誰一人変化から取り残されない、

       ものづくりの世界が働きやすい未来を実現する

事業内容   DX研修サービスの提供、オウンドメディア「工場経営ニュース」の運営   設立     2019年7月23日

拠点     (営業所)東京都港区港南1丁目9-36 アレア品川13階

      (本店) 埼玉県深谷市

Webサイト  https://emdustrial.co.jp

採用サイトhttps://en-gage.net/emdustrial_jobs/





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