「法律はあくまで法律。大事なのは思いやり。」YouTuber弁護士・ビーノ先生の初出版から、これからのSNSと法律の関係性を考える。
YouTube・TikTokなどで“弁護士ビーノ”として活動する、弁護士・日比野大(ひびのまさる)が自身初の書籍、『仕事でSNSを使いたいけど初心者の「やらかし」が怖いので弁護士さんに気になること全部質問してみた』<著:ヤマサキミノリ/日比野大(弁護士ビーノ)>を、2024年1月19日(金)に株式会社サンマーク出版から発売しました。
ここでは、SNSフォロワー数・計12万人のYouTuber弁護士、日比野大から、弁護士&YouTuberとしての活動や、初書籍出版までの経緯、そして、これからのSNSと法律についてお伝えいたします。
チャレンジ精神で駆け抜けた、弁護士としてのビーノ先生
ーそもそも、なぜビーノ先生は弁護士になろうと思ったのですか?
「高校生の時に社会科目が全部得意だったんです。それで進路を選ぶ時に、母から“この世は資格業だ!”という現実的な(笑)アドバイスをいただき、司法試験という資格を取って大学に通いながら実績を残せる、弁護士としての道を考えて、法学部に進みました。
弁護士が特にいない家系で育ったので、当時の自分からすると挑戦的な選択だったのですが、その方が自分には向いているなと思います。」
ーそこから難しい司法試験に合格して、弁護士としてのキャリアをスタートさせたのですね。
「私はチャレンジ精神が旺盛なタイプなので、裁判官や検察官ではなく、一般の弁護士の方が向いているだろうなと思っていました。試験に合格してから弁護士事務所への就活を始めたのですが、当時は弁護士業界の超・就職氷河期で…。当時は“弁護士業、ヤバいな”という感覚があって、だからこそ、私たちの世代の弁護士はハングリーな人が多いなと感じます。」
ーそして、事務所所属の弁護士として活躍されてから、独立されたのですね。
「当時の感覚でいうと早めの独立だったと思います。変わったやつだなぁと思われたかもしれませんが(笑)。でも、今考えると早く独立してよかったなと思います。結局自分で責任を持たないと成長しないので。」
弁護士YouTuberとしての活動、初の書籍出版まで
ー今までの経歴をお伺いしていると、保守的なイメージのある弁護士の中で、ビーノ先生はかなり挑戦的だなと感じました。現在ご活躍されているYouTube活動も、弁護士としてはかなり攻めた選択だったのではないでしょうか?
「そうですね。YouTubeを始めたのは2020年1月ごろでしたが、当時の弁護士の広報活動でいうと、webのリスティング広告が最盛期だったんです。広告費が多い方が有利な状況で、集客のために広告費を出し続けることに勝ち目がないな…と思っていたところ、たまたま知り合いがYouTubeの運営代行をやっていまして。それがYouTubeを始めたきっかけですね。人がやっていないことをやるところにチャンスがあると思いました。」
ーそこから、YouTubeなどでの活動を現在まで続けて、振り返ってみるとどう思われますか?
「結果的に、まわりよりも先に始めておいて正解だったなと思います。今でこそ弁護士でYouTubeを始める方は増えてきましたが、まだまだ少ないなと思います。でも顧客目線で考えた時に、どんな弁護士かを動画で知ってもらうことは安心感につながるので、YouTube活動はとても意味のあることだと思います。また、自分のチャンネルで実際に相談を受けている様子を動画で公開しているのですが、これがかなり好評をいただいていて、動画を見た方から実際にご相談をいただくこともあります。」
ービーノ先生にとってもSNSは切っても切り離せない、重要な関係なのですね。YouTuberとして成果を出されていく中で、今回の出版に至った経緯はどのようなものだったのでしょうか?
「今回、サンマーク出版様のほうからお声がけいただきました。たぶん私の動画を見てくださったのだと思います。法律という難しいテーマを扱うにあたって、向こうから“マンガにしましょう!”と提案いただいて、かなり読みやすい内容になってよかったなと思います。多くのビジネスパーソンの方が読んでくださっているようで、本をきっかけに取材やセミナーのお声がけをたくさんいただけて、ありがたいです。」
一億総クリエイター時代に、誰もが持つべき「思いやり」
ー近年、企業や有名人のみならず、一般人でもSNSでの炎上騒動に巻き込まれたり、裁判になってしまうケースが増えていると痛感します。ビーノ先生は、この状況について、どのような考えをお持ちでしょうか?
「依頼者の方にも、SNS・ネット関連のご相談をいただくケースが増えています。そんな中で私が思っているのは、SNSの利用者に対して“ルールを守ってください”とだけ言うのは意味のない行為で、結局はみんなが少しでも思いやりを持つことが重要だということです。例えば、パクリ騒動なども、どう感じるか?の線引きは作者によってバラバラです。法律はあくまで法律で、やはり大事なのは、お互いに気持ちよくいられるための思いやりを持つことだと思います。」
「さらに、SNSが発達した現代において、情報が広がることはすでに大前提となっており、逆に言うと、広がることで人気が出て作者の利益になれば、作者にとって嬉しいことなはずです。例えば、“歌ってみた”動画でその楽曲が多くの人に使われれば、その楽曲は人気が出て、ストリーミングでのダウンロード数が増えます。つまり、著作権法が保護したいものが、保護されないことで経済的な利益になる可能性がある。それは、時代があまりにも急速に変わりすぎて、法律と経済の合理性が取りきれていない状況になっているわけです。自分の作品がちゃんと正しく広まれば嬉しいし、無茶苦茶な方法で情報拡散されればムカつく。それは誰でも変わらないからこそ、この“一億総クリエイター時代”はみんながモラルやルールを身につけてほしいなと思います。」
分かりづらい法律を、いかに分かりやすく伝えるか
ー確かに、法律の問題以前に、みんなが気持ちよくいるための思いやりを持つことは大切ですね。それでは最後に、ビーノ先生から読者の方・本著に興味を持ってくださっている方へのメッセージをお願いします。
「YouTubeで発信する際にも思っていることなのですが、結局法律って分かりづらいんですよね。法律をいかに分かりやすく伝えるかは、法律家の責任だと思っていますし、今の法律家はそれを果たしきれていないと思っています。法律は身近にあるけど身近にないからこそ、この本に興味を持っていただいて、読んだ方の判断材料のひとつになれば、これ幸いです。ぜひ気楽に、肩肘を張らずに読んでみていただきたいです。」
【書籍情報】
書名:仕事でSNSを使いたいけど初心者の「やらかし」が怖いので弁護士さんに気になること全部質問してみた
著者:ヤマサキミノリ/日比野大(弁護士ビーノ)
定価:1,540円(税込)
発売日:2024年1月19日(金)
発行:サンマーク出版
判型:四六判並製 本文160ページ
【著者:“弁護士ビーノ”・日比野大について】
著者:日比野 大(ひびの まさる)
中央大学法学部卒(2010年)、中央大学法科大学院修了(2012年)。
現在は弁護士法人mamoriを設立し、日本全国で活動中。
YouTuber“弁護士ビーノ”としても活動しており、SNSのフォロワー数はYouTube7.7万人/TikTok4.4万人、計12万人を超える。
“弁護士ビーノ”SNS: YouTube / TikTok / Instagram / Twitter
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