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グンゼの森林保全の取り組み

著者: グンゼ株式会社

グンゼは、1997年環境憲章を定め、環境に優れた製品・サービスの提供を通じて、恵み豊かな地球社会の発展に貢献するとともに、私たちの事業活動が自然の恵みに大きく依存している事実を正しく理解し、生物多様性の保全に配慮した地域環境との共生に努めております。そこで今回は、当社の森林保全の取り組みについてご紹介します。


■森林保全のために「モデルフォレスト運動」を推進

グンゼは、公益社団法人京都モデルフォレスト協会と「森林の利用保全に関する協定」を締結し、約14年前の2010年4月から「京都モデルフォレスト運動 in 綾部」として、創業の地である京都府綾部市で森林の保全活動に努めております。

2018年からは地元小畑城を守る会、NPO法人里山ねっと・あやべ、京都府立林業大学校、京都府中丹広域振興局、綾部市農林商工部との協働にて小畑城跡再生プロジェクトを進めており、これまでに46回を重ねるに至りました。昨年11月には、小畑城跡再生プロジェクトとして一昨年植樹したモミジの手入れや付近の雑木伐採を行いました。

グンゼは、桑や綿や水など自然の恵みを受けて事業を営んできました。従業員や地域の皆さまと里山保全活動を行うことで、環境や自然の大切さを実感するとともに、豊かな自然を未来に残すため、これからも貢献していきます。

モデルフォレスト運動、ミツバツツジ群生化に向けて取り木を実施


【コラム】モデルフォレスト運動と森林保全

小畑城跡に立ち、目の前に広がる里山風景を眺めていると、懐かしさと安心感に包まれます。かつて、里山は木材、薪、竹材、きのこ、山菜、堆肥など、生活必需品が手に入るコンビニのような存在でした。使いたい木を切ると光が入り、光を得てツツジや下草が生える。高木、低木、下草が重なる「階層構造」の森は、流出する土砂を減らし洪水を和らげる効果があります。ところが最近は人と森の関わりが疎遠になってしまいました。この関係を継続する新たなチャンネルがモデルフォレスト運動と言えましょう。森の大切さを理解しつつ森の恵みを良い塩梅でいただくことで持続可能で豊かな森を維持することができます。

グンゼさん、地元の皆さんが集まり、歴史と文化の森、薪を得る森、ツツジや桜の咲く森を一緒に作っていく取り組みが続いています。林業大学校は林業技術を学び、多様な森づくりを提案できるプロを養成するため、皆さんの活動から多くのことを学ばせていただいております。今後ともよろしくお願い申し上げます。

京都府立林業大学校志方先生


■森林の再生保全のために広葉樹苗木175本を寄贈

グンゼが目指す森林保全については、当社主体の活動では限界があるため、専門団体の協力も得ることも必要となります。そのため、グンゼは創業の精神に基づき「グンゼラブアース倶楽部」を設立し、会員の皆さまからの寄付と会社のマッチングギフトを原資とし、「持続可能な社会形成」のために活動しているNPO団体などへの支援を続けています。

森林保全の取り組みについては、公益財団法人 Save Earth Foundation様の協力を得て、森林の再生保全に取り組んでいます。2022年度は広葉樹苗木175本を寄贈し、本年度も引き続き寄贈を続けていきます。

Save Earth Foundation様活動の様子


【 コラム 】公益財団法人 Save Earth Foundation 活動報告

私たちは、森林の再生保全、森林資源の利活用、森林環境教育を行うことで、自然の恵み豊かな社会の実現を目指しています。国土緑化推進機構のガイドラインに準拠した森林ボランティア活動の企画運営に努める中で、多くのボランティアの方にご参加いただきました。その成果として、2022年度は総勢237人の方にご参加いただきました。

現在、森林保全協定を締結している5地域7か所(約86ヘクタール)の森は、それぞれ特徴があります。スギやヒノキの人工林では間伐、植樹、下草刈、枝打ち等の活動を行うことで、将来世代に良質な木材資源を残す活動を継続して行います。里山林では生態系が保全された森づくりを目指し、自然環境調査に基づき、特定外来種の抜き取り作業を行います。また、小中高を対象にした自然について学ぶ森林環境教育にも力を入れて活動していきます。

ご支援いただきました広葉樹の苗木計175本は、千葉県山武市と協定を締結し森林再生保全活動を行う「日向(ひゅうが)の森(千葉県山武市)」にて、2023年5月14日(日)に植樹会を開催し、植樹いたしました。

杉の人工林から、針広混交林へ移行し、天然林に近い環境を整え、生物多様性の保全を図ることを目指しており、グンゼ様からの広葉樹の苗木寄贈は大変感謝しております。


■大阪御堂筋イチョウ並木保全のためにイチョウ19本を寄贈

グンゼは、大阪のシンボルである御堂筋のイチョウ並木を守り、後世に伝えていくために、2019年12月に大阪市と「御堂筋におけるイチョウの供給等に関する協定」を締結しました。この協定に基づき、グンゼはイチョウの植樹、育成を行い、大阪市の要請に基づき保全育成上必要なときに無償にてイチョウを供給しています。

2024年3月には19本のイチョウを提供する予定です。これまでに提供したイチョウは順調に育っており、引き続き、2037年の御堂筋完成100周年フルモール化に向けて協力していきたいと考えております。

また、必要なイチョウを迅速に供給するためには、計画的な育成が必要となります。そこで、連結子会社であるグンゼグリーン株式会社の調達能力を活かすとともにグンゼ創業の地である京都府綾部市にある研究所敷地内にイチョウの圃場を設け、育成を行っております。

グンゼは、祖業である製糸業で培った桑の育成技術をベースとしたグリーンビジネスを通じ、御堂筋のイチョウ並木の保全に協力し、街の魅力の維持・向上に貢献したいと考えております。

2023年2月に提供したイチョウは順調に育っています

創業の地京都府綾部市にあるイチョウの圃場


【 コラム 】 御堂筋のイチョウ並木保全のため、イチョウの安定供給確保

グンゼグリーンでは、御堂筋のイチョウ並木保全のため、20年以上前からイチョウの木の調達に携わっており、既に180本以上を納入しております。2018年の台風21号被害の際には40本の出荷を行いました。

今回納入するイチョウの木は、栃木県と茨城県の契約圃場から出荷しました。近年、イチョウの緑化需要に樹木の生産スピードが間に合わない状況となり、イチョウを確保することが困難となってきています。そのため、創業の地である京都府綾部市のグンゼ研究所敷地内に圃場を設けてイチョウの養成木の確保を行っています。

グンゼは大阪のシンボル「御堂筋のイチョウ並木」が末永く愛されることを願って、今後も御堂筋のイチョウ並木の保全に対し、迅速にイチョウの木を供給し、街の魅力向上に向け取り組んでいきます。

グンゼグリーン㈱山岡関西営業所長




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