サービス開始から5年で計測者人数21万人を達成。なぜワコールの3D計測サービスが下着の領域を超えたサービスを展開するのか。
株式会社ワコールが展開する3D計測サービス「SCANBE(スキャンビー)」は、3Dボディスキャナーを用いた3秒のセルフ計測により、自分のからだを360度見られる3D映像をはじめ、全身18か所の採寸データや体型特徴、インナーウェアのサイズを知ることができるサービスです。
2023年10月には、3D計測結果から10分でからだに合ったブラジャーのタイプがわかる[わたしに合うブラ診断]を、2024年3月にはセルフでAIによる骨格診断が受けられる「SCANBE」初の有料サービス[わたしを知る骨格診断]を提供開始しました。
~ワコール・アイシービー・TOPPANが共同開発。ワコール3D計測サービス[SCANBE]東急プラザ表参道原宿にて、セルフでAIによる骨格タイプ判定が受けられる『わたしを知る骨格診断』を開始。
2019年5月から「3D smart &try(スリーディースマートアンドトライ)」として始まった本サービスは2023年12月時点で計測者人数が21万人を超え、若年層を中心に多くの女性に支持されるサービスに成長しています。
PR TIMES STORYでは「SCANBE」が既存のインナーウェア売場を超えてお客様に新しい価値をお届けしていく様子を連載で発信していきます。第一回である今回は、そもそも3D計測サービスはどのような背景・狙いで開発されたのか、「3D smart &try」から「SCANBE」へリブランドした狙いと今後どのようにサービス展開を行っていくのかをサービスデザイン担当の南さんとテックデザイン担当の小川さんに話を聞きました。
『インナーウェアの買い方の選択肢を広げる』ために始まったサービス
―3D計測サービスはどのような経緯で開発されたのですか?
南:3D計測サービスは2016年から開始したワコールのオムニチャネル戦略のひとつ「次世代ショッププロジェクト」として着手され、当初は『インナーウェアを誰でもストレスフリーに選べる、買える』ことを目的としていました。というのもインナーウェアを購入する際、採寸・試着をしていただくのですが、販売スタッフと試着室で裸に近い状態でいる空間に苦手意識を持つ方もいて、セルフで完結できたらより多くの方に快適にインナーウェア選びを楽しんでもらえると考えたからです。当時はECの拡大が加速し、接客を受けずに買う文化が広がりつつあったので、接客が前提となっていたインナーウェアの買い方の選択肢も広げたいという想いがありました。
―確かに狭い試着室で販売スタッフと2人きり…というのは苦手という方もいらっしゃいますよね。開発で苦労したエピソードはありますか?
小川:開発チームには商品企画、人間科学研究開発センター、販売スタッフなど社内のさまざまな専門性を持つ社員が集まっていました。それぞれ部門の役割や視点に基づいたサイズの考え方が存在するため一義的に決定することが難しく、どこを着地点とするかについて検討を重ねました。ただ、色々な角度からアプローチできたからこそ、セルフでもひとりひとりのお客様に合ったインナーウェアが提案できるサービスができたと思っています。
―部門の垣根を越えて、さまざまな視点を持った社員が集まったチームで開発されていたんですね!世の中にはさまざまなボディスキャナーがありますが、ワコール独自の3D計測サービスの強みは何でしょうか?
小川:ワコールでは人間科学研究開発センターで60年以上からだの計測を継続して行っており、その豊富な計測データや知見をボディスキャナーに活用しています。
これまでに蓄積された人体計測データを分析し、それをもとに計測ができるようシステムに反映しています。また、長年の研究に基づく独自のノウハウによってバストの体積(ボリューム)からサイズを算出し、より正確なインナーサイズのご提案を実現しました。
―なるほど。長年継続してきた人間科学研究開発センターの計測データや知見があってこそ実現した3D計測サービスなんですね。「3D smart & try」としてデビューして、実際のお客様の反応はどうでしたか?
南:多くの方が興味を持ち体験してくださいました。SNSで『手軽で便利でいい!』『面白い体験ができた!』という声や、ご自身の計測結果をアップされるなど、多くの反響がありました。計測の際、専用のブラとご自身のショーツの姿になっていただくことに当初は抵抗があるのではと懸念していたのですが、そこは抵抗なく体験頂けていることに対して、インナーウェアを取り扱うワコールが行うサービスだからこそだと感じると同時に、お客様からのワコールへの信頼にとても感謝しています。
お客様が感じている価値は「計測できる」だけではないと気づいた
―「3D smart & try」でもお客様に満足していただけていたのではと思うのですが、反響が良かった「3D smart & try」をなぜ「SCANBE」へリブランドしたのですか?
南:「3D smart & try」を体験したお客様の多くが『楽しかった!』『面白かった!』『自分のからだってこんな感じだったんだ』と反応してくださるのを聞いて、お客様が感じている「3D smart & try」の価値はただ単に“からだを計測する”“インナーウェアのサイズが分かる”というところだけではないと気づいたことがきっかけです。自分のからだのことを知り、『こんな自分になりたい』などと想像する体験自体に価値があるのだと感じました。そのため、“計測する”という機能的な訴求をするのではなく、サービスをブランドとして確立させて、ひとつのエンターテインメントのような体験を届けるブランドにリブランドしようとなったんです。
―企業側が想定した以上の価値をお客様が感じ取ってくださったというのはとても素敵なエピソードですね。今後「SCANBE」で提供していきたいものはなんでしょうか?
南:Z世代をターゲットとし、ボディスキャナーでからだを測ったときの感情にアプローチをするコンテンツやサービスを『美・快適・健康』をテーマに拡充していこうと考えています。ボディスキャナーで測って自分のからだを知った時、『もっとこんな風になりたいな』『自分のここが好きでここが嫌い』など様々な感情が湧くと思います。そんな『こういう自分でありたい』という想いのソリューションとなるものを提供していきたいです。
今年3月に開始した[わたしを知る骨格診断]もご自身の骨格タイプを気軽に知り、
その骨格タイプに基づいたお洋服の提案をすることで“ありたい自分”に近づくお手伝いをしたいという想いで展開しています。
―パーソナルな体験が注目されるなか、「ありたい自分」という想いのソリューションは個性を大切にする重要なものになりそうですね。実際に[わたしを知る骨格診断]を体験された方の反応は?
小川:『パーソナライズされた結果が知れて嬉しい』、『自己診断でやっていたが、客観的に知れてよかった』などと多くの反響をいただいています。初めての有料コンテンツだったので、“どのような体験であればお客様が価値を感じてくださるのか”を確かめるため、テスト運用を何度も行い内容の検討を重ねました。実際に『もっとこんなアウトプットが欲しい』という声に応えた[あなたのからだ分析]は最も人気の診断結果ページとなっており、[わたしを知る骨格診断]自体、満足度が非常に高いコンテンツとなりました。
インナーウェア売り場に限らず、幅広いところに出店していきたい
―『こういう自分でありたい』という想いのソリューションとなるものを提供していくということですが、今後どのような場所に出店していく予定ですか?
南:インナーウェア売り場に限定せず、幅広いところに出店していきたいです。
今後どのようなコンテンツ及びそのコンテンツがもたらすソリューションを展開するかによって適切な出店場所は変わりますが、より多くの人に『自分を知る』という価値を体験して欲しいです。
その第一段として、[わたしを知る骨格診断]のコンテンツを中心に体験いただけるPOP UP STOREを5月24日(金)~6月10日(月)の期間、ルミネ新宿店 ルミネ2にて開催します。ルミネ新宿店 ルミネ2は来館人数がとても多く、ブランド認知に繋がることはもちろん、さまざまなアパレルブランドが出店しているので[わたしを知る骨格診断]を通してお洋服の買い方に変化があるのかなど、今回のPOP UP STOREで検証し今後の出店計画で生かしていきたいと考えています。
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