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今日が、残りの人生の最初の1日。

年間400万切を売り上げる京都一の傳「蔵みそ漬」が食への安心感と品質、受け継がれる技術で「本当に美味しい西京漬」の看板商品になるまで

著者: 株式会社 京都一の傳

京都一の傳は、「本当に美味しい西京漬を、もっと多くの方に知ってほしい」という思いのもと、 “素材の旨味を引き出すために味噌床に二昼夜漬け込んで作る”こだわりの西京漬「蔵みそ漬」を開発し、現在では、年間400万切を販売しています。

今回は当社最大のヒット商品でもある「蔵みそ漬」のご紹介とともに、仲卸売事業をしていた当社が通信販売用商品の開発に挑戦した経緯や背景、その当時の想いについてお話します。


お客様の声を聞きたい想いから“本当に美味しい西京漬”作りへ

当社は京都中央卸売市場とともに誕生し、もともとは塩干品や自社で加工した西京漬の仲卸売を行っていました。私たちのこだわりをお客様にもっと知っていただけないか、また、購入された方の声をダイレクトに知ることができないかと思いを募らせる中、物流技術の発達にも後押しされ、現社長の秦 健二のもとで通信販売用の商品「蔵みそ漬」の開発に踏み切りました。

「蔵みそ漬」開発にあたり、社内で徹底的に追及したのが「何度も取り寄せて食べたくなる “本当に美味しい西京漬”」であるということ。それは、売り手の姿が見えない通信販売という形態に挑戦する当社にとって、絶対に妥協できないハードルでもあったのです。


そんな西京漬を作るためにどんなことをしてきたのか、当時から現在まで京都一の傳の商品開発に携わる、商品本部 水内 隆博 部長に話を聞きました。

味噌床の味こそが「蔵みそ漬」の原点。一切の妥協を許さない京都一の傳の信念

「蔵みそ漬」の名づけ方について話す 水内 部長


水内:西京漬は、魚そのものの美味しさと合わせて、味噌床に使う素材の旨味が魚に浸透することで、奥深い味わいが生み出されます。

そこでまず、味噌床に使う素材の選定からはじめました。

安心して食べられるものにしたいという社長の秦の強い思いもあり、味噌、酒、醤油ともに、着色料・保存料・うま味調味料を使っていない京都の老舗から取り寄せたものを使用することになりました。取り寄せた調味料の配合については何度も検討しました。そうして出来上がった味噌床の味こそが京都一の傳の「蔵みそ漬」の原点です。

ちなみに、蔵みそ漬の「蔵」は、調味料を作る蔵のことを指しています。世間の西京漬と差別化するため、蔵で作られる素材へのこだわりを示し「蔵みそ漬」と名づけました。


京都の老舗から取り寄せた調味料で練り上げた味噌床


漬け込み時間は、塩分・糖度・アミノ酸が味噌床から魚に移る時間を何度も検証し、二昼夜以上漬け込むよう定めました。均一に漬け込めるよう、冷蔵の温度を一定に保ち、熟成させています。

魚の厳選の仕方には厳格な基準を設けています。仕入れる魚は、サンプルを必ず取り寄せ、鮮度、身質、身色、脂乗り、傷、身割れの有無などの検品項目を設け、歩留りも数値化しています。これがなかなか厳しい基準で、2人以上の目を通し、基準を満たさない魚は仕入れられないのです。もう少し基準を甘くしてはという意見もありましたが、「本当に美味しい西京漬をお客様に届ける」という信念のもと、今でもこの基準を変えることなく守り続けています。


実際に使用している評価表の一部

”美味しさを数値化”するまで試行錯誤の日々、いつ食べてもいつも美味しいを実現するために

このように美味しさを数値化するまでには紆余曲折がありました。

美味しいという感覚は人によって違うので、はじめは秦がすべての魚を試食し基準を作っていきました。秦以外の人でも判断できるように、項目ごとの数値を定めるまで長年苦労しました。

また、販売開始当初は、お客様の手に渡ることで、社内では想定していない意見をいただくことも多くありました。例えば、塩辛いというご意見と塩味が薄いという意見を同時に頂戴した際には、なぜ同じ商品なのにお客様によって感じ方が違うのか、ということを検証しました。その結果、塩のふり方にムラがあったのが原因だと判明したので、ふり塩から立て塩に工程を変更し、均一に塩をふれるように改善しました。些細なことから工程を変える大きなことまで、試行錯誤しながら今の形に辿り着いたのです。今でも新しい食材を蔵みそ漬として売り出す際には、様々な観点から味の見直しを行っています。変わらない美味しさを届けるために調整や変更を繰り返すことで、いつ食べてもいつも美味しい「蔵みそ漬」を日々作り続けています。

安心・安全な製品、品質の安定感、受け継がれる技術「照らし」がお客様の“また食べたい”に繋がる

「その時々の流行りのもの、美味しいものというのは、この世の中にたくさんあふれています。そんな中、安心・安全で安定した品質の“いつ食べても美味しい西京漬”をお届けすることが、お客様の”また食べたい”に繋がり、それが長くご愛顧いただけることにも繋がると思っています」

そう話してくれたのは製造部 光井 俊哉 課長。


「西京漬の製造工程」を説明する 光井 課長


光井:私は、原材料の仕入から販売に至るまで、安全で品質の良いものをサプライチェーン全体で安定して供給し続けていくことが安心や美味しさにつながり、そこに京都一の傳としての価値があるのではないかという思いのもと西京漬を製造しています。ISO22000の認証取得企業として、例えば日々の冷蔵、冷凍庫の温度管理、殺菌工程、使用する水の管理、製品表示の確認等に至るまで定められたルール、工程通りに製造していくことで、安全で品質の安定した製品の製造に繋げています。

また、西京漬は、自家需要だけでなくギフト需要が高い商材のひとつであることから、安心・安全面だけでなく、見栄えにもこだわっています。例えば、パッケージに入った状態からお皿に乗せたときまできれいに見えるよう、切り身の面を広く出す、社内で「照らし」と呼ばれる独自のカット技術を採用しています。そして、いつどのタイミングで買っても同じ品質になるよう、照らしや身の長さなどを厳密に管理しながら加工しています。また、素材の色を活かすという京料理ならではの視点から、味噌床に使う味噌はできるだけすりつぶし、なめらかにすることで白さを保っています。切り方、色ともに常にクオリティーを維持することで、いつ、どんなときに食べても美味しい西京漬を提供しています。そして、その品質への安心感がお客様の“また食べたい”という気持ちにつながっているのだと信じています。


焼き上げた「蔵みそ漬」

(「照らし」カットを施すことで、皮目がまっすぐで身の面が広い西京焼きになる)

通信販売でスタートした「蔵みそ漬」が看板商品に、実績で掴んだ確かな手応えとお客様からの支持

リピーターの方からいただいたアンケートはがき


水内:「『蔵みそ漬』は、リピートしてくださる方が多いのが特徴です。京都一の傳の顧客の定着率は約6割にものぼります。『いつ食べても、いつも美味しい』西京漬だから、何度食べても『美味しい』と感じていただけるのではないかと思っています。そして、リピートしてくださるお客様が増えた結果、今では『蔵みそ漬』は年間400万切を販売する京都一の傳の看板商品となっています。通信販売という売り手が見えない形態でのスタートでしたが、私たちのこだわりがお客様にしっかりと届いているのだと自信になりました」

“贈ってよかった”という嬉しいお声、贈る人も笑顔になる「蔵みそ漬」

お客様から届いたアンケートはがきの一部


「蔵みそ漬」を購入されたお客様からいただいたアンケートはがきでは、ギフトとして利用された方から「自分がおいしいもの、大好きなものだからこそ、自信をもって贈ることができます」「みなさんから、おいしい、どこで買ったのかと聞かれます。評判がいいのでうれしいです」といった、“贈ってよかった”の声がたくさん寄せられています。


光井:「京都一の傳では、時期によっては販売数のうち約6割がご贈答に利用されています。安心感が贈る人、そして贈られる人の笑顔につながっているのではないかと自負しています」

魚離れをしている若い世代にも。「蔵みそ漬」を通じて、より多くの方へ喜びと笑顔を。

現在、私たちは、蔵みそ漬を通して、たくさんの人に喜びと笑顔を届けたいという思いのもと、西京漬を食べたことがない人や、魚離れをしている若い世代にも西京漬の魅力を伝えるための様々な施策を行っています。


京都一の傳プレスリリース:

本当に美味しい「西京漬」を一人でも多くの方へ届け、「食べたことない」の声を0に!


2017年には、レンジで1分温めるだけで焼きたての西京焼きが食べられる「焼き 蔵みそ漬シリーズ」を開発。そして、2022年には、カフェ形態で若い方にも西京漬を楽しんでいただけるようにと発酵カフェ「Haccomachi」をオープンしました。


「Haccomachi」の発酵ごぜん 中央の切り身は蔵みそ焼


今後も、発酵食品、伝統料理、京都など、様々なキーワードからタッチポイントを創出し、本当に美味しい西京漬「蔵みそ漬」を通して、より多くの方へ喜びと笑顔をお届けいたします。


※内容、所属、役職等は公開時のものです




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