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ターゲットはおしゃれ女子!ビネガードリンク「フルーティス」の開発秘話に迫る

著者: 株式会社Mizkan Holdings

ミツカングループの株式会社Mizkan(以下ミツカン)は企業理念である「買う身になって まごころこめて よい品を」に基づき、商品やメニューを通じて、お客様へ「おいしさと健康」を提供していきたいと考え、調味料を中心にお酢ドリンクや納豆など様々な商品を発売しております。今回は2020年に新発売したりんご酢ドリンク「フルーティス」について商品開発者自ら語ります。既に自社にて主力商品がある中、新規のブランドを0から考え、成功に導いたストーリーと今後の展望についてお届けしたいと思います。


株式会社Mizkan商品企画部 柳沢和浩

商品企画歴は16年とミツカン内でも長く、

食酢、鍋つゆ、新規プロジェクトなど様々なカテゴリーを手掛けてきた。


■序章 

健康需要の拡大に伴い、お酢ドリンク市場はこの5年間(2016-2020年)で119%と右肩上がりに伸長しております。市場拡大に伴い、「お酢を飲む」人を増やしたいと考え、従来のお酢ドリンクとは異なるコンセプトを持つブランド「フルーティス」を立ち上げることとなりました。「フルーティス」は、フルーティなおいしさや飲みやすさだけでなく、炭酸や牛乳などお好みのもので割る楽しさなどでもご好評いただき、売り上げは計画比120%(期間2020年 3-8月)に到達しました。従来のお酢ドリンクのメイン購買層(50-60代)とは異なる世代の女性(30-40代)に支持され、2021年は新フレーバーの追加や飲み切りサイズ、炭酸タイプの新発売と、商品ラインナップの拡大につなげることができました。


■暮らしを応援する「ライフサポートドリンク」を目指したい

従来のお酢ドリンクの多くは機能性表示食品として「肥満気味の方の内臓脂肪が減少する」ことを訴求しています。そのため、購入層が健康に関心を持つ50-60代 がメインとなっています。今後もお酢ドリンク市場を成長させていくにはこれまで取り込めていない30-40代をターゲットにした新しいお酢ドリンクを開発する必要があると考えたことが新ブランドを立ち上げるきっかけとなりました。

どうしたら30-40代に飲んでもらえるかを分析したところ、健康よりも、飲み物としておいしさを訴求する必要があることがわかりました。従来の購買層は切実に健康を求めていますが、30-40代は味のおいしさやオケージョン、どんな気分になるかの方が大事だとわかり、そのようなニーズに見合った商品にしたいと考えました。また、お酢ドリンクをお客様の暮らしを応援するような存在にしたいという想いから、「ライフサポートドリンク」という立場にしたいと思いました 。そのため、従来の商品とは異なる切り口としてそれぞれのフルーツが持つ「おいしさ」や「イメージ」を大事にして商品化することにしました。



<ミツカンのお酢ドリンクシリーズのラインナップ お客様のニーズにあわせ商品やブランドを設計しています>


■商品開発時のこだわり

①味づくり

フルーツが持つ香りのイメージを掛け合わせる

 30-40代が好むフレーバーの中で組み合わせや品種を工夫し、「ざくろ」と「ラズベリー」、「ピーチ」と「ライチ」といったフレーバーの組み合わせや、「シャルドネ」や「ピンクグレープフルーツ」などの品種の選択など、おいしさや飲んだ時の気持ちを大切にした商品設計としています。この設計に関しては、技術担当者に若手の女性社員を抜擢し、自由な発想の中で味づくりの基礎を作っていきました。


お酢の独特の酸味を抑制する

 酸っぱい飲み物というイメージ通りの味にしては長らく愛されていく商品にはできないと考え、ミツカンが持つ技術を棚卸し 、様々な検討を重ねた結果、お酢がもつイガイガした喉への刺激やツンとした香りや、独特の酸味を抑制することを目指しました。


何度も実施した試飲テスト

 通常は愛知県にある本社のみで試飲テストを社内で実施しますが、ターゲット層の社員が多く 勤務する東京のオフィスにも足を延ばし、試飲テストを行い味づくりに反映させていきました。

②ブランドネーミング

 ターゲット層に支持していただけるよう女性に好かれる音の響きや、化粧品のブランド名などを参考したりして、検討を重ねた結果、ネーミングの候補案は200以上となりました。最終的にはわかりやすさが大事と考え「フルーツ」✖「酢」からフルーティスという名前が生まれました。商品パッケージで「Su」を大きくしたのは店頭で目立つようすることと、遊びを 持たせておきたいと考えたためです。TVCMでは「Su」が際立つ広告演出となりました。

③パッケージ

容器

 世の中にある容器の中から生産可能なものを候補として広く検討をしました。そのまま飲むのではなく希釈して飲む商品であることが伝わらないといけないという制約もあり、社内でも意見が分かれました。そこで、容器だけでは商品にした時のイメージが掴めないということから、複数の容器の候補が残っているが決まっていない段階で並行してラベルのデザインも考えてもらいました。通常では容器が確定してからの依頼になるのでデザイナーさんには苦労をおかけしたと思います。出てきた案は複数回、ターゲット世代の女性社員の意見を聞き、最終的にはお客様の意見をヒアリングし、今のボトルにたどり着きました。


ラベル

 最初は果実の画像でデザインを検討していました。しかし清涼飲料水の規約で果汁の含有量が少ない商品には、果実の画像を使うことができないルールの壁にぶつかりました。やむなく画像ではなくイラストに変更してみたところ、これがピタッとはまり、採用となりました。

 おしゃれ・可愛いというイメージは今まで他の商品で狙ったことがなく、難しさも感じましたが、いい意味でミツカンらしくないパッケージで、おしゃれ女子が好むパッケージ、いわゆる「ミツカン史上一番映える商品!」になったと自信を持っています。


■フルーティスが支持されている理由

 現在の購買層は30-50代女性がメインであり全体の8割が女性に購入いただいております。

 流行に敏感で美容・健康意識が高く、正確は真面目で慎重、安心・信頼できるものが好きな女性に購入いただきたいという狙い通りの方に購入いただいていることが調査やインタビューを通してわかりました。よく購入してくださる方の声を聴くと、リフレッシュというよりリラックスタイムに飲んでいるという方が多くいらっしゃいました。飲むシーンとしては「お風呂上り」「家事の合間」「帰宅時」などほっと一息つきたい時が多いようです。忙しい中の隙間時間でリフレッシュ・リラックスをしたいというニーズがあり、そのような女性の心情にマッチしていることが支持されている理由だと実感しております。

 また、味に関してもご好評いただいており、お酢ドリンクというよりも「普通に飲み物としておいしい」ということが評価された結果、継続購入につながっていると感じています。「健康にいいから飲む」というより「味がおいしい、リラックスしたい時に飲む」というお客様の思考の変化を起こすことができ、お酢ドリンクではなく健康的な清涼飲料水として認められつつあるのでは?!と考えております。

 またフルーティスはinstagramアカウントを運営しており、コンセプトや世界観の情報発信を行い、お客様との繋がりを作り、より支持されるブランドへと成長させたいと思います。



フルーティス公式インスタグラムアカウント(@fruitysu_official)より


■今後のブランド展開について

 最終的にはお酢ドリンクを一般的なドリンクのカテゴリーとして育てていきたいです。おいしくてヘルシーかつリフレッシュができる飲み物として、認知され、他の清涼飲料水と比べた上でも選ばれる商品にしていきたいです。

私の夢としては、ゆくゆくはミツカンのお酢ドリンクが「ライフサポートドリンク」として幅広い年代・生活スタイルの人の生活の一部になり、暮らしを応援していく存在となっていくことです。

夢の実現に向け様々な展開を検討しています。家の中だけでなく、外でも楽しんでもらうようにしたいですし、より若い世代の10-20 代の方にも飲んでいいただきたいと考えています。そのためには容器や容量を変容させ、ニーズに応えていきたいと考えます。2021年はその取り組みの一歩として、イエソトでも手軽に楽しめるようにフルーティススパークリングや飲み切りサイズの紙パックタイプを発売することとなりました。また、外食店様向けには業務用サイズを発売し、ノンアルコールドリンクとしての提案を行うなど、「フルーティス」を活用し、お酢ドリンクを広めていこうと計画しております。今後も進化を続けるフルーティスに是非ご期待いただきたいと思います。


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