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300を超えるプロジェクトを手掛け、進化を続ける「面白企画創造集団・トコナツ歩兵団」。あえて会社化せず”ニッポンを、セカイを、オモシロく”するクリエイター集団の魅力。

著者: 株式会社マイロックチョコレーツ(トコナツ歩兵団)

面白企画創造集団・トコナツ歩兵団(以下トコナツ)は様々な分野で活躍するプロフェッショナルなクリエイターであり公私共に仲間である12人によって2010年に結団しましした。それから14年が経ってメンバーも25人に増え、生み出したプロジェクト数は300を超えました。トコナツは企業や地方自治体のソフト(無形要素/プロモーションやサービス、商品、イベント)からハード(有形要素/施設、都市計画)までを一貫したブランディングの元、企画・デザイン・設計・プロデュースを行っています。


お客様を楽しませるエンターテインメントをベースにしつつ、クライアントや仲間と一緒に楽しみながら稼ぐ企画を作り続けています。

トコナツに求められたのはプロジェクト毎に最適解のプロフェッショナルなクリエイターをキャスティングし、プロデュースすることでした。そしてそれを可能にしたのは、チームを会社化せず屋号のままで活動し続けてきたこと、です。


会社化による上下関係や内部都合を排除し、最適なプロフェッショナルかつ気心が知れたクリエイターたちと共に、内的に外的にもフラットな関係性を保ちながら議論やデザインを進めてプロジェクトをプロデュースしていく。

そんなクリエイティブ集団の面白さをお伝えできればと思います。

「商品企画から都市計画まで」プロフェッショナルなクリエイターによるプロジェクト数300超の実績

(新・いわき湯本温泉まちづくりビジョンブック・福島県いわき市・2023)


(緑茶・農業・観光の体験型フードパーク KADODE OOIGAWA・静岡県島田市・2020)


(TOKYO 桜吹雪 STATION・東京駅ステーションシティ運営協議会・2024)


小さな販促プロモーションから始まったトコナツも、結団から14年を経て、今では企業や地方自治体のソフト(無形要素/プロモーションやサービス、商品、イベント)からハード(有形要素/施設、都市計画)まで、一貫したブランディングの元にあらゆる種類の企画立案/設計デザイン/プロデュースを行えるようになりました。手掛けたプロジェクトは大小あるものの300を超えました。


参考までに主だったものをいくつか上げてみます。東京駅グランスタ各種販促プロモーション、イベント「TOKYO 桜吹雪 STATION」(東京駅)、イベント「NIIGATA CHU LIP STREET 2014」(東京駅)、シティブランディング「島田市緑茶化計画」(静岡県島田市)、地域アイドル「フラ女将」(福島県いわき湯本温泉)、地域交流拠点「まちゆい」(テラスゲート土岐/岐阜県土岐市)、体験アクティビティ「山鹿あそび」(熊本県山鹿市)、シティブランディング「フラシティいわき」(福島県いわき市)、地域特産品ブランド「SADOSAN」(新潟県佐渡市)、緑茶・農業・観光の体験型フードパーク「KADODE OOIGAWA」(静岡県島田市)、「新・いわき湯本温泉まちづくりビジョンブック」(福島県いわき市)等。


こう挙げてみてもトコナツが何屋なのかは私たちにも分かりません。ちなみに現在まで携わってきた2つの都市計画は偶然にも両方とも企業間や関係者間の仲違いを仲裁して欲しいというオーダーから始まりました。そんな始まりもあれば、誰もが知る大手企業や公共施設の将来像を描くところから始まることもあります。お土産や商品は日々開発していますし、駅や広場などの公共空間、商業施設の設計もしています。

「いっそアイドルになりたい」という東日本大震災の風評被害に悩む温泉旅館の女将さんたちを束ねて「フラ女将」(福島県いわき湯本温泉)を作り、その流れがシティブランディング「フラシティいわき」(福島県いわき市)となり、都市計画「新・いわき湯本温泉まちづくりビジョンブック」へと繋がってきています。


(フラのまちオンステージ・福島県いわき湯本温泉・2017)


老若男女の市民が朝昼晩と緑茶を飲む街をシティブランディング「地球上でもっとも緑茶を愛する街・島田市緑茶化計画」(静岡県島田市)としてまとめ、様々な商品やプロモーションを行い、観光拠点「蓬萊橋897.4茶屋」を作り、緑茶・農業・観光の体験型フードパーク「KADODE OOIGAWA」などを作ってきました。

(島田市緑茶化計画コンセプトブック2・静岡県島田市・2023)

「ニッポンを、セカイを、オモシロく」お酒の勢いで結団されたトコナツ歩兵団の始まり

面白企画創造集団・トコナツ歩兵団の団長兼プロデューサー・プランナーである私(渡部祐介/株式会社マイロックチョコレーツ代表取締役)は、富士急ハイランドのアトラクションプランナーとしてエンターテインメントを創造し続けて14年、楽天トラベルの観光プロデューサーとして地域振興を行い4年というキャリアを重ねてきました。


それらの日々の中で、私は様々な分野の優秀な同世代のプロフェッショナルたちと出会ってきました。仕事を通じて、時にプライベートで、私たちはどうすれば日本をもっと面白い国にできるかということを議論してきました。そして次第に、皆で、会社や業界、地域などのしがらみに縛られることなく、面白いことを創造できる集団を作りたいと考えるようになっていきました。


2010年、これまでプロジェクトを重ねてきたプロデューサー、プランナー、建築家、空間デザイナー、グラフィックデザイナー、イラストレーター、カメラマン、アウトドアクリエイターたち12人で下北沢の居酒屋に集い、お酒の勢いで面白企画創造集団を結団しました。「ニッポンを、セカイを、オモシロく」するための集団です。チーム名は一生青春を置き換える言葉として「常夏」(後にカタカナに変換)を、走らずに楽しそうに歩く集団という意味で「歩兵団」を組み合わせて命名しました。

(結団初期の下北MTG・2012)


当初は仲間が集まり、それぞれが抱えるプロジェクトに皆で意見を重ね合わせてより面白いものを作り上げていくチーム、ぐらいの認識でした。この時点でトコナツを本業にするというイメージまでは持っておらず、あくまでそれぞれが本業に取り組む傍らで刺激し合うチームでした。

仲間内でワイワイといくつかのプロジェクトを重ね、試行錯誤するうちに、いつしかトコナツの基本ルール、①皆で楽しみながら企画を作ること、②稼ぐ企画を作ること、が出来ていきました。


(MTG風景・2017)


(MTG風景・2018)


(MTG風景・2019)

「クライアントとともに楽しむ」エンターテインメントを盛り込んだ面白い企画作りの裏側

いくつかの偶然を経て、新規事業を立ち上げようとしていた高速道路を生業とする企業と、駅の販促プロモーションに悩んでいた鉄道会社のグループ企業から、オファーがありました。求められたのはエンターテインメントを盛り込んだ面白い企画を作ってほしいというものです。

早速メンバー編成を行い、面白い企画を立案し、それらを実施していきました。元々僕らそれぞれは個人でまたは企業で20年近い実績を重ねてきています。それが一堂に集ってプロジェクトに臨む。あの個人デザイナーも、あの会社のデザイナーも、トコナツの旗印の元に参加する。これを可能にするのは僕らが仲間であるからです。個人は個人の意思で、会社員であるメンバーはそれぞれが会社に掛け合いそれぞれの会社にお金を落とすことで、参加しています。


当然オファーをくれた企業は喜んでくれました。さらにトコナツの基本ルールに則って、クライアントの担当者も含めて一緒に楽しみながら企画を作り実施していきます。そこに結果もついてきました。そういうことを重ねていくうちに徐々に様々な企業や地方自治体からプロジェクトの誘いを頂けるようになっていきました。

(体験プログラム「山鹿あそび」ワークショップ・熊本県山鹿市・2016)


(地域特産品ブランド「SADOSAN」ワークショップ・新潟県佐渡市・2018)


ちなみにトコナツに依頼が来るオファーは、すでに多くの予算を割いて大手企業に依頼するも失敗を重ねてきた企業や自治体からがほとんどです。そこにトコナツのエンターテインメント思考と最適解のチーム編成が見事にハマりました。


もっとも皆個人として実績はあったものの、当時のトコナツはチームとしての実績はほとんどゼロに等しかった。結団初期のトコナツに依頼をくれた企業や地方自治体の関係者の方々には今も感謝の気持ちでいっぱいです。どこの馬の骨とも分からないトコナツによく依頼をしてくれたなと。組織の大小に関わらず、そういう面白い方というか気概がある諸先輩方がいて、その方たちに支えて頂いたからこそ今日までトコナツは存在することができています。


やがて嬉しいことに団長兼プロデューサーの私が専念しなければトコナツに来る依頼を受けきれないようになってきました。そこで私が会社を辞めてトコナツの仕事に専念することにしました。それが2013年のことです。

「会社化させず屋号で活動し続ける」上下関係のないフラットなチーム作り

仲間や友人同士でのチームは絶対にうまくいかない、と結成当初多くの人から言われましたが、結成から14年が経って当初12人だったメンバーは25人になりました。2名が方向性の違いから脱退したものの1人は戻ってきました。


チームが長続きしている理由は1つ。それは会社化せずに屋号で続けたからです。会社化してしまうとどうしてもメンバー間で上下が出てしまいます。メンバーからすれば得意でない仕事や気持ち的にやりたくない仕事も会社に命じられればやらなければならないかもしれない。会社からすれば時に社員を養うためにやりたくない仕事を受けなければいけない時もあるでしょう。会社組織ではなくあくまでも最初の頃と同じ仲間であり、かつ外注関係であればこそ適度な緊張状態も保てる関係だからこそ(ちなみにメンバーはトコナツの仕事を自由に断ることもできます)、各プロジェクトに最適解のチーム編成ができます。

(KADODE OOIGAWAプロジェクト参加のトコナツメンバーとTEAMトコナツ・2015-2020)


実際に僕が会社員時代にプロジェクトで最も苦労したのは思うようなチーム編成ができないことでした。社内事情でお願いしたい会社やクリエイターに発注ができない、発注したい企業に仕事を依頼できたとしても優れたクリエイターがキャスティングされるとは限らない。トコナツは最適解のチーム編成を行うためにあえて会社化せず、今日まで屋号で活動しています。映画撮影における○○組のようなものが近いかもしれません。一つの映画のために最適なメンバーが集まり終われば解散する。このチーム形態は結成当初から斬新と言われていましたが、14年経った今でもそう言われます(笑)。最近ではこのチーム形態についての講演依頼も頂くようになりました。


ちなみにトコナツのような会社でもないクリエイティブチームが営業しても怪しまれるだけです。ですからオファーを頂いたプロジェクトを楽しくし続け、稼ぐプロジェクトを作り続けることのみが次のオファーに繋がっていきます。鶏が先か卵が先かというのはありますが、私たちが生み出す面白い企画以前に、頂くオファーそのものが私たちの想像を超えて面白いことも多々あります。それもまたチームを活性化させてくれます。

「トコナツ歩兵団 ザ・ヤングを作りたい」若手クリエイターへ継承されるトコナツの理念

この14年間でトコナツが企画したプロジェクトは都市部の企業だけでなく、福島、新潟、群馬、千葉、東京、神奈川、静岡、愛知、岐阜、和歌山、富山、石川、福井、京都、愛媛、山口、熊本、鹿児島などで実施されてきました。成功もあり失敗もありまだまだ道半ばですが「ニッポンをオモシロく」するチームとしての足がかりはできてきました。


(地域特産品ブランディング「印旛沼ヒーローカード付きちばエコニンジン」・千葉県富里市・2017)


(東海北陸自動車道全線開通10周年CPN・NEXCO中日本・2018)


(岐阜県観光連盟WEB CM「Perfect G 貴方もこれで岐阜マニア」・2022)


一方で「セカイをオモシロく」はまだまだです。ただコロナ禍が終息し、ここに来てようやくメンバーが本業の中で日本以外の国でのプロジェクトを行う機会が出てきました。日本のエンターテインメントやトコナツのやり方で、世界中の方々と一緒に笑顔を作っていきたいと思っています。


もっとも私たちはそのように考えることはしますがそこに向けて明確に動いたりはしません。これまでもそうであるように地に足をつけてやっているとやがて自然と延長線上に出会いが訪れます。そのためにも今携わっている国内のプロジェクトをもっともっと楽しいものにする必要があります。その先に日本以外の国からのオファーがあるのかもしれません。


結団当初のトコナツメンバーの平均年齢は30代半ばでしたが、気が付けば40代後半から50代前半となってきました。トコナツは一線で活躍するクリエイターチームですので若手を育てる機能は持っていません。幸いなことにまだまだプロジェクトの依頼を頂くので、それが無くなるまでこのまま皆で年を重ねていけばいいと思っていました。


(トコナツ歩兵団4期撮影風景・2022)


ただ最近、かつての私たちと同じような実績を重ねてきた30代半ばのメンバー志願者が増えてきました。彼らは私たちのメンバーの下で実績を重ねてきたものもいますし、別の場所で実績を重ねてきた者もいます。彼らの技術や仕事に対する姿勢は一度仕事をすればすぐに分かります。そして彼らの何人かが若手チーム「トコナツ歩兵団 ザ・ヤング」を作りたいと言っており、現在どうするかを思案中です。技術を継承するためのチームではなくあくまでも「ニッポンを、セカイを、オモシロく」するチームの理念の継承。それをどうすれば面白くできるのか、もう少し考えてみようと思っています。


【面白企画創造集団 トコナツ歩兵団 公式HP】

https://tokonatsu.net






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