東京都町田市が「オシャレで使ってもらえるエコバッグ」を作った理由
東京都町田市は人口43万人。東京都南部に位置し、都心から電車で30分程度の場所にあります。
町田市役所の環境・自然共生課では、省エネや次世代エネルギー推進を掲げており、地球温暖化対策に取り組んでいます。
そんな町田市が「おしゃれで使ってもらえるエコバッグ」を作った理由について、環境資源部環境・自然共生課の山内紘一がお話させていただきます!
山内紘一:2017年10月、町田市役所入庁。現在は環境・自然共生課で、主に地球温暖化対策に関する普及啓発部門を担当。
ーエコに興味を抱くきっかけづくり
皆さんもご存知のとおり、地球温暖化は、かなり深刻化しています。温暖化が最も進んだ場合、2100年末には日本の真夏日は、現在よりも約53日増えると言われています。
こうした異常気象は悪化の一途を辿っており、地球温暖化を防止するために、より多くの人に現状を知ってもらうこと、そして行動に移していただくことが、我々の重要な使命の一つです。
町田市民に実施したエコに関するアンケートでは、20~30代の回答率が低く、将来を担う若い世代や子育て層が、エコに興味を抱くきっかけづくりについて考えていました。
従来であれば、トークショーや講演会などのリアルなイベントを実施してきましたが、コロナ禍でさまざまな制約があり、どうすれば良いのか頭を悩ませていました。
ーみんなの“自分ごと”になったらいい
ちょうどその時期(昨年7月)に、レジ袋が有料化されました。それまではエコバッグを持っている人って、どちらかと言えば少なかったと思うんです。
でも、今ではほとんどの人が持っていて、使うのが“当たり前”になっていますよね。
周りの人が持っているエコバッグを眺めていると、繰り返し長く使うモノだからなのか、見た目やデザインにこだわりを持っていて、自分のお気に入りを見つけて使っている人が多いな…って感じました。
そこで、自然と使い続けたくなる、オシャレなエコバッグを作るのはどうかと、思いつきました。ただ作って配るのではなく、作る過程やエコバッグが手に届く過程でも、多くの人に関わってもらって、みんなの“自分ごと”になったらいいなって考えたんです。
まずはデザインですが、町田市が作るので「町田」の要素は外せない。だけど、「町田市」の文字や市章が大きく書いてあるだけの「いかにも役所」っぽいものでは、使ってもらえないんじゃないかって…(苦笑)
なので、もうストレートに、“まちだっぽく!町田市っぽくない!?「まちバッグ」をテーマに、皆さんからアイデアを公募することにしました!
すると、我々の予想をはるかに超えて多くのアイデアが集まったので、本当に驚きました。
市民の皆さんのアイデアを参考に、イラストレーター・エイイチさんが作成したデザイン(写真上)には、町田に関するものが、沢山描かれています!
これは芹ヶ谷公園の噴水かな?町田リス園のリスかな?など発見していく楽しみがあります。この絵を見ていると、町田を好きになる、町田に遊びに行きたくなるのではないでしょうか?!
また、アーティスト・ぺロコ(石橋理香)さんが描くハートや言葉に込められた「コロナ禍で先が見えない今、色々な感情や状況でも大丈夫。状況や他人、自分を許せなくても、それでも“ありがとう”と思う気持ちを忘れないように」というメッセージを知ったときは、胸が熱くなりました。
このエコバッグは、エコ宣言(家庭でのエコ活動を宣言する取り組み)に参加した人に抽選でプレゼントするという仕組みにしたところ、約1ヶ月半で244人の方がエコ宣言してくれました。若年層の方からも多く届いたこともあり、嬉しかったですね。
このバッグが単なるバッグとしてではなく、環境に配慮した行動をするきっかけになることを願っています。
ーエコを暮らしに溶け込ませていく
コロナ禍という状況になり、事業の手法を見直すことになったわけですが、今回の事業を通して、エコバッグを持っていることが皆の"当たり前"になったように、今までは特別だと思われていたエコ活動も、習慣化してしまえば、生活の一部として根付いていくということが分かりました。
そういった部分に、我々がどうアプローチしていくか、いかにエコを暮らしに溶け込ませていくか、という視点を大切にしていきたいと思います。
3月上旬から、町田駅前のマルイ・モディと共催で「まちだサステナビリティフェス」の開催を予定しています。町田市のSDGsの取り組みを紹介するなど、事業者とも手を取り合って普及活動に取り組んでいます。
環境問題は行政だけが取り組めば解決できるものではありません。市民・事業者を巻き込み、持続可能な社会を目指して、力を尽くしていきたいと思います。
▼町田市ホームページ「まちだオリジナルなエコバッグ作製プロジェクト」
https://www.city.machida.tokyo.jp/kurashi/kankyo/kankyo/setudenshoene/ibent/ecobag.html
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