「世の中にない教材を作りたい!」〜板書が苦手な子どもを救う、トレーニング教材の誕生秘話〜
子どもの発達をリサーチし、情報をお届けするWEBメディア『パステル総研』から、『【教材付】板書が苦手な発達障害の子におすすめの「探し物ドリル」ができました!』https://desc-lab.com/45752/?prt0831
今回の『探し物ドリル』は、パステル総研でも人気が高い「不注意を改善する教材」です。
そこで今回は、探し物ドリルの開発を担当した、発達科学コミュニケーションリサーチャーの森あやさんに、教材の開発から完成まで詳しくお伺いしました。
1.板書が苦手な子どもにおすすめの教材、「探し物ドリル」とはどんな物ですか?
発達凹凸の子どもによくある、「板書が苦手」「ノートが書けない」と言う困りごとの対処するために、
・見本をよく見て覚える(注意力+記憶力)
・覚えた情報をもとに、指定されたものを探す(ワーキングメモリ)
・応答編」として、スマホに見本を、パソコンに課題を表示することで視線を動かす訓練をする
と言うトレーニングを取り入れることで、板書の苦手を解消し、勉強嫌いをなくそうと作ったのが「探し物ドリル」です。
2.板書が苦手な子ども向けの教材を作ろうと思った背景について詳しくお聞かせください。
私の息子は注意欠陥多動性障害(ADHD)の特性を持つ、発達障害グレーゾーンの小学2年生です。
普段からテストのケアレスミスが多かったことから、不注意について研究していました。
するとそこでわかったのは、多動性や衝動性は年齢と共に落ち着くことが多いけれど、不注意は改善しにくい特性であると言うこと。
そして、大人の発達障害でも悩むことが多い特性でもあることが分かりました。
そこで市販のトレーニング教材を見てみましたが、一般に出回っているのは難易度が高かったり、子どもの興味を引きにくいものが多い…。そこで、「発達凹凸の子どもが楽しく取り組めて、効果も期待できる教材を作ろう!」と思ったのがきっかけでした。
今回の教材は私にとって、3つ目の教材です。
1つ目は探索問題のプリント教材。2つ目は、風船バレーやお玉レースなど体を動かし遊びを通しながら、注意力を高めるトレーニング教材
です。
最初の2つの人気が高かったことから、もっと発達凹凸の子どもに役に立つ教材を作りたい!と研究を始めました。
そこで発達科学コミュニケーションの創始者である吉野加容子先生とも相談し、「最近、板書が苦手、ノートが書けないと言う相談が増えている」と言うアドバイスをいただき、板書が苦手な子ども向けの教材を作ることにしました。
3.「市販にはない、発達凹凸の子ども向けの教材を作りたかった」とのことですが、どんなところを工夫されたのですか?
発達凹凸の子どもは不注意なタイプがとても多いです。
ですから、問題文を上下2箇所に設置して、集中して取り組めるようにしてあります。
また、発達科学コミュニケーションラボのメンバーからは「市販の教材は難易度が高いので、子どもは見ただけでやる気を失ってしまうことがある」と言う声もありました。
そこで、初級編ではぐっと情報量を減らして、集中することが苦手な子どもでも「これならできそう!」と思える難易度にしました。
そして今回1番工夫したのが、写真を使用したことです。
市販の教材はイラストのものが多く、なかなか実生活に応用が効きにくい面があります。
そこで、子どもが興味を持ちやすいブロック、文房具、ミニカーなど身近な素材を使用することで
・実生活でも応用できる
・子どもが食いつきやすい
と言う2つのメリットを兼ね備えた教材を作ることができました。
4.教材を作成するにあたって一番大変だったのはどこですか?
やはり、写真を撮影するところです。
この教材の最大の特徴は、「生活の身近にあるものを実物で」という点です。ですので、全て我が家にある物で作成しています。
「これとこれは似ているからこう配置しよう」と考えながら撮影したり、見本と課題でなるべく色が近くなるように撮影後に補正したり。
パソコンでイラストを使って作る場合とは異なり、「我が家にある物をどう組み合わせて、効果的な教材を作り上げるか?」という点が苦労しました。
5.どうやって改良を進めていったのですか?
他の発達科学コミュニケーションのリサーチャーやトレーナーの方に実際に使ってもらい、何度も改良を重ねました。1から撮影をし直したこともあります。
息子に取り組ませたときには気づかなかった、ちょっとした画像の違和感や声かけのコツなどを、仲間から教えてもらったお陰で、こうして完成までたどり着けました。
6.完成した時のお気持ちをお聞かせください
やっと形になったことがとても嬉しかったですし、何よりラボの仲間の感想で今までの苦労が吹き飛びました。
「市販の教材は見向きもしなけれど、写真だから食いついてくれた」
「この教材は、わからなくても自分で振り返ってちゃんとやってくれた」
「板書が苦手な子でも、自信を持って取り組んでいた」
「もっとやりたい!と言われた」
など、嬉しい言葉をたくさんいただきました。
息子も「お母さんが作った教材の中で一番楽しい!」と言ってくれています。
7.これから使われる方へのアドバイスはありますか?
板書の苦手は、残念ながら、一見「怠けている」と誤解されてしまうことがあります。注意されたり、すっごい頑張れば書けてしまうこともあるからなおさらです。
しかし、ノートが書けない子どもは本人も辛い思いをしています。だからこそ、おうちで楽しみながらゲーム感覚でトレーニングしていって欲しいな、と思います。
大事なことは子どもに自信をつけること。親子で楽しみながら取り組んで欲しいです。
―ありがとうございました!
■パステル総研オリジナル教材
世の中に数多くあるトレーニング教材が「もっとこうだったら良いのに!」という思いが詰まって作られたオリジナル教材です。パステル総研では、発達障害・グレーゾーンのお子さまの発達を何よりも伸ばすのは、ご家庭でのコミュニケーションだと考えています。そこで、教材を提供するだけでなく、トレーニングを始める前の注意点や、教材の使い方の解説にも力を入れております。ぜひ参考にしてお子さまと楽しく取り組んでください。
https://desc-lab.com/kyozai-entry/?prt0831
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