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これからも「思い出の味」でいたい。お馴染みの「湖池屋ポテトチップス」がリニューアルで体現する“不変”のこだわり

著者: 株式会社湖池屋

1962年、「ポテトチップス のり塩」の発売以来、長きにわたり看板商品として愛されてきた「湖池屋ポテトチップス」シリーズが3月27日にリニューアルする。「うすしお味」の名称を「じゃがいもと塩」に変更するなどの背景には、湖池屋が守り続けてきた「じゃがいも」と「塩」へのこだわりを改めて伝えたいという想い、そして未来に向けての想いがあった。


(リニューアル後のパッケージ。上記フレーバーの他、「ガーリック」「のり醤油」もある。)



看板商品であり続けるための変化。

「うすしお味」から「じゃがいもと塩」へ


「のり塩が好きで入社したんですよ」。

入社後3年間、京都の工場で勤務したのち、約27年にわたり商品開発部でさまざまな商品に関わり、現在は執行役員でマーケティング本部副本部長を務める白井秀隆は言う。

「湖池屋ポテトチップス」は発売から60年以上経った今でも、湖池屋の看板商品としてその地位を守り続けている。消費者にとっても、先の白井のように湖池屋で働く社員にとっても、根幹となる存在であることは間違いない。


(湖池屋執行役員マーケティング本部副本部長の白井秀隆氏)


今回のリニューアルでは、「のり塩」「うすしお味」「リッチコンソメ」など、湖池屋ポテトチップスのすべてのフレーバーでパッケージをリニューアル。「うすしお味」「リッチコンソメ」ではさらに、それぞれを「じゃがいもと塩」「金のコンソメ」に変更し、味わいもアップデートさせる。どちらの味も、それぞれの味わいや素材の旨味がよりはっきり伝わる改良が施されているという。


今回のリニューアルは大幅な方向転換をするものではなく、変わりゆく時代の中でも変わらず愛され続けるためのもの、と白井は語る。


「2010年頃より進行する価格競争やコモディティ化する市場に対し、湖池屋では2016年頃から新しい価値の付与を目指し、高付加価値商品の投入を進めてきました。たとえばフラッグシップ的な商品である『プライドポテト』を始めとした新商品も数多く発売し、支持を集めてきました。そうした流れの中で『湖池屋ポテトチップス』のような定番商品も、そのこだわり・価値を改めて感じていただくため、現代のニーズに合わせて変化する必要があると考えたのが、今回のリニューアルの背景です」。


「じゃがいもと塩」という、ポテトチップスの素材名をそのまま打ち出す背景には、長年親しまれ、身近な存在であるが故に見えづらくなっていた、「業界最高品質」を目指すという創業以来のこだわりがある。今回のリニューアルには、この長年大切にしてきた素材へのこだわりとそれを生かす製法、そして、そこから生まれる湖池屋ならではの美味しさを、改めて実感してもらいたいという狙いがある。



「国産じゃがいも100%使用」のこだわりと

随所かつ細部に宿る製造ノウハウ



湖池屋は創業以来、国産じゃがいも100%使用を貫いている。近年でもいわゆる「ポテトショック」(※)でじゃがいもの供給が不安定になることもあったが、湖池屋では一度も、海外産じゃがいもに切り替えようとしたことはないという。

「じゃがいもの味わいはもちろん、創業以来の精神である日本の農家さんへの感謝、そして日本の農産を守りたいという想いがあります。これまでそうして築き上げてきた農家さんとの信頼関係があるからこそ、我々の品質が守られていると考えています」。


各地の契約農家で収穫されたじゃがいもは、土がついたまま工場に届けられ、数多くの工程を経てポテトチップスになるのだが、約60年にわたって培ったノウハウの下、素材のポテンシャルを最大限に引き出すための細やかな工夫が、各工程随所に散りばめられている。



たとえば、じゃがいもを剥く工程には、そのおいしさを逃さないためのこだわりが詰まっている。じゃがいもの旨味は皮付近に凝縮しているため、じゃがいもを水洗いし、皮を剥いていく際、その旨味を逃さぬようできる限り薄く剥いているのだという。

「皮の剥き方ひとつでも旨味の強さが決まってきますから。じゃがいもをスライスする厚さも0.01ミリ単位で調整をしています」(白井)。


また、そうして残した糖分の含有量が多いほど、じゃがいもの甘みや味わいは豊かになる。しかし、その分揚げると焦げやすくなる。そのため、旨味は最大限に残しつつ焦がさないよう揚げる、ということにも心血を注いでいる。フライヤーの温度調節や揚げる時間、揚げ方などは門外不出の技術だ。「湖池屋ポテトチップス」ならではの鮮やかなきつね色と美味しさは、そうした努力の賜物といえるだろう。


※ポテトショック:2016年に北海道に上陸した台風によって、2017年に使う予定だったじゃがいもの収穫量が大幅に減ってしまい、じゃがいもを使った商品の流通・販売が滞ったこと。



現代の消費者ニーズに合わせた

「塩」へのこだわり


主役のじゃがいもを引き立たせる塩の役割も、ポテトチップスにとって重要な要素だ。今回「うすしお味」から「じゃがいもと塩」へリニューアルするなど、塩へのこだわりも改めて感じてもらえるよう、塩の旨味がより感じられるアップデートが施されている。


たとえば「じゃがいもと塩」で使われている塩は、数種類の粒度(りゅうど)の違うものを独自にブレンドしている。塩はその粒度によって、食べた際の舌先への残り方や結晶の溶け方、また後味にも違いが生まれる。そのため、「じゃがいもと塩」では改めて、じゃがいもとの相性を検証しながら塩の粒度の組み合わせ方を調整しているのだ。


(カラッと揚げられたじゃがいもが、生産ラインを流れていく様子)


今回、「じゃがいも」と並ぶ形で、「塩」へのこだわりも押し出す背景には、素材にこだわる消費者ニーズの高まりがあると白井は語る。

「これまでずっと『うすしお味』という名称でやってきましたが、多くのお客様は決して薄い塩味を求めていたわけではなく、素材に合う美味しい塩味を求めていたのだと思います。そして、今は素材にこだわる方も増え、それに合わせて『塩もよりいいものを選びたい』とおっしゃる方が多くなってきた。そこで、そうした声に応えていくため、我々は塩についても改めて問い直しました。今回の『じゃがいもと塩』というネーミングは、我々の塩に対するこだわりや姿勢が表現された、ぴったりの名前だと思います」。



これまでも、これからも

「思い出の味」であり続けるために



湖池屋では、今回のリニューアルを通して、多くの消費者に親しんでもらっている定番商品のさらなる高付加価値化、そして「湖池屋の味」へのファン化促進を実現したいと考えている。


関東圏以外ではまだまだ湖池屋の商品流通量が少なかった頃から、商品開発部に所属し、ファン拡大に長年尽力してきた白井は、「湖池屋ポテトチップス」がこれから担う役割についてこう語る。

「約60年間販売し続けている意味は非常に大きいと思っています。今まで色々な年代の方に食べていただきましたが、その数の分だけさまざまな記憶があると思います。我々としては今までと変わらずこれからも、多くの方に手に取ってもらい、『思い出の味』としてあり続けることを目指していきたい。そのためには定番商品といえど、お客様のニーズや時代に合わせて変わっていかなければならないと思います。そして、ポテトチップスというスナック菓子自体の価値も高めることで、市場全体の底上げにも貢献していきたいと考えています」。


変わらない価値を提供するため、時代の要請に応じてやるべきことがあるならば、怠ることなく変化・行動していく。「湖池屋ポテトチップス」が約60年もの間、変わらずに愛され続ける秘訣はそこにあった。




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