スーパーホテルがお客様の声を直接聴くファンミーティングを開催。立ち上げ当時の苦労話と目指す未来についてプロジェクトリーダーが語る
スーパーホテルは1996年の開業以来、「Natural, Organic, Smart」をコンセプトに健康でサステナブルなライフスタイルを提案するホテルとして、国内171店舗、海外1店舗を運営しています。
「時代を先取りする創造的なホテル運営を通じ、お客様の活力ある社会活動をお手伝いし、地域社会に貢献する。」という経営理念のもと、地域密着型ホテルとして地域活性化の様々な取り組みも行っています。
ビジネスホテル業界では近年コモディティ化が一層進み、他ホテルとの差別化が重要になってきています。そのような状況下、経営幹部からお客様が感じてくれている価値を我々は正しく理解しているのかという問いかけがありました。これまでお客様との対話といえば各ホテルの接客時やアンケートなどで、当社の価値についてお客様に直接聴く機会はあまりありませんでした。
そこでスーパーホテルのお客様が感じてくれている価値を知り、当社の独自性を社内外に伝えていくため2023年10月28日にスーパーホテルのファンミーティング「超(スーパー)・集会」を初めて大阪本社で開催しました。
この「超(スーパー)・集会」をリーダーとして立ち上げた本社経営品質本部サステナビリティ推進室の迫田係長に広報がインタビューを行い、プロジェクト立ち上げ時の苦労話や舞台裏、また今後スーパーホテルが目指すファンベース施策について対話形式でエッセンスをお届けします。
◆ファンの価値観を直接聞くためファンミーティングを企画。「超(スーパー)・集会」という名称の由来
広報:「超(スーパー)・集会」を始めるきっかけはなんでしたか?
迫田:2023年にサステナビリティ推進室が新たに立ち上がり、私は他部署から異動してきました。サステナビリティ推進室としてスーパーホテルのブランド価値を深化させる活動を考えていたとき、経営幹部から“ファンが感じているスーパーホテルの価値を我々は正しく理解しているのだろうか”という疑問が投げかけられました。
その時、お客様が感じている価値観やどのようなサービスの提供を望んでいるのか直接お客様に聞いてみようということがファンミーティングを企画するきっかけとなりました。
私自身はファン分析により自社ブランドをブラッシュアップしていくことにも興味があったので今回リーダーとしてプロジェクトを推進することになりました。
スーパーホテルらしいファンミーティングにしていこうということで、「超(スーパー)・集会」とまず名付けました。
◆他企業のファンミーティングを徹底的に調査し、「共創」の重要性を実感
広報:プロジェクト立ち上げ前はファンミーティングについて具体的なイメージは持っていましたか?
迫田:そもそもファンミーティングというとアイドルのファンミーティングぐらいの知識しかなかったので、企業が行っているファンミーティングを徹底的に調査しました。その中でファンミーティングを実施している企業の多くが、ファンの方々と一緒になって「共創」している点が、自社にも通ずるものがあると感じました。
コアなファンと一緒になって会社や商品の好きなところを語りあうことで、会社の従業員側が気づいていない魅力や新たな気づきを得られ、更なるコンセプトの深化に繋がっている事例が多くありました。スーパーホテルでここまでできるかは不安でしたが、私が目指すファンミーティングに近いものがあり、やってみる価値があるとその時に確信しました。
しかし、「超(スーパー)・集会」を実施することが決まってから、社内では一部に「本当にファンが来るのか?」といったネガティブな反応や「ホテルに対する要望ばかり言われるのではないか?」と心配する声もありました。
◆プロジェクト立ち上げ時の不安。265名の応募に対する安心と感謝
広報:「超(スーパー)・集会」のプロジェクトを立ち上げた時はどんな気持ちでしたか?
迫田:本当に応募してくれるファンがいるのだろうか。どんなファンが来てくれるのだろうか。本音で対話してくれるようなスーパーホテルのコアなファンはいるのだろうか。応募を開始するまで不安一杯の毎日でした。
十分な告知活動もできなかったなかで、応募を始めると初日から驚くほど多くの参加希望がありました。1回目の「超(スーパー)・集会」では締め切り時までに265名が応募してくれました。我々の予想をはるかに超える多くの人が応募してくれまずは本当にほっとしました。
“未来を一緒に創るため、一緒に語り合いませんか?”という投げかけだけで、特別なイベントも報酬もないのにこれだけの人が応募してくれるのは驚きでした。また交通費は自腹にも拘らず近畿圏以外の東京、神奈川、香川などからも是非参加したいという熱量の高いファンからも多くの応募もありました。
社内でも265名の応募があったことへの驚きの声が多くありました。私も含めスーパーホテルのコアなファンがこんなにいる事が本当にうれしかったです。
2024年2月3日にスーパーホテル大阪天然温泉リニューアルに合わせて実施した第2回目の「超(スーパー)・集会」では、応募総数が842名にまで達し、ファンの間でも超・集会の認知度も急速に高まってきました。
◆ファンの本音を引き出すため雰囲気作りを工夫。熱いファンとの対話で興奮した1日
広報:スーパーホテル流のファンミーティングをどのような内容にしたいと考えていましたか?
迫田:最初はまったくイメージがなくて、兎に角、ファンと会ってみようという感じでした。ただ私自身が重要なポイントとして考えていたのは、お客様と本音の対話をすることでした。
しかし、初対面のファンの方々といきなり本音の対話は無理なので、ご支援いただいたパートナー企業様のアドバイスを元に、お互いに打ち解けるための雰囲気作りを工夫しました。
第1回の「超(スーパー)・集会」には12名が参加してくれましたが、ファンを4つのグループに分け、それぞれのチームにスタッフを配置しました。集会中はスタッフ含めお互いニックネームを付けて呼び合い、温かい雰囲気作りを行いました。
まず第1部ではアイスブレークとしてグループ対抗でスーパーホテルに関するクイズゲームや客室枕の早入れ競争などを行いました(スーパーホテルの枕は横幅が約100cmあるので、シーツに入れ込むのが結構大変…)。アイスブレークでスタッフとファンの距離感が十分狭まった後にメインイベントとして"スーパーホテルへの愛を語り合おう!"というグループトークを行いました。
休憩後の第2部では"スーパーホテルをもっと好きになるためには?"というテーマでさらに深い本音でのグループトークを実施し、ファンの皆さんにスーパーホテルへの愛を出し尽くしてもらいました。参加してくれたファンの皆さんはめちゃめちゃ熱い人たちばかりで、MCをしていた私もファンミーティング中は相当興奮していました。
その日の朝に私の二人目の子供が生まれたこともありますが、その日一日はアドレナリンが出っぱなしでした。
◆ファンからの高い評価を受けた「檜の香り」。これがきっかけとなり、各ホテルへアロマデフューザーを導入
広報:ファンはスーパーホテルのどのようなところに価値を感じていましたか?
迫田:1回目の「超(スーパー)・集会」ではスーパーホテルの好きなところを3つ上げてもらいましたが、全チームが「檜の香り」を挙げられていたのには驚きました。
これは岐阜県東白川村と提携した木材活用による地域活性化の取り組みの一環で、天然檜のアロマをホテルロビーで使用していました。“爽やかな香りで心身がすっきりリフレッシュする心地よさ”とファンの皆さんが高い評価をしてくれました。
しかしそれまで社内では「檜の香り」に対して特別な認識はありませんでした。このファンからのフィードバックがきっかけとなり旗艦店舗や全国のPremier店舗のエレベーター内のアロマデフューザーに導入し、「檜の香り=スーパーホテル」を前面に打ち出していくことになりました。
◆環境活動やSDGsの取り組みが知られていない現状。お客様視点で生まれた紙コップに環境活動を記載するアイデア
2回目の「超(スーパー)・集会」では“スーパーホテルが行っている環境やSDGsなどの活動をお客様に知って頂くためにはどうしたらよいか“というテーマでグループトークを行いました。
スーパーホテルは他ホテルにくらべ環境活動やSDGsの取り組みを早い時期から積極的に取り組んでいることが、なかなか世間に知られていないのはファンの皆さんも寂しく感じていました。
その中でホテルのロビーや朝食などで使用している紙コップにスーパーホテルが実施している特徴的な活動を文字やイラストで書き込んでおけば、お客様に読んでもらえるという意見がでました。このアイデアも確かにお客さま視点でなければ出てこないアイデアでした。
このアイデアは早速現場への導入が決まり、10月頃から全店舗に導入していきます。
デザインイメージ
それ以外にもお客様参加型のイベントとしてクイズラリーをしてはどうかという意見もあり、こちらも既に10店舗でトライアル導入をしています。
◆今後の「超(スーパー)・集会」の展望。スーパーホテルの輪を全国に広げるために
広報:今後のファンミーティングの展開はどう考えていますか?
迫田:6月末に東京での第3回目のファンミーティングを開催しました。大阪以外での初めてのミーティングとなりました。また9月には仙台のホテルオープニングに合わせて実施します。オープン前にホテル内にファンの方々に集まっていただき、普段は体験できないホテルのバックヤードツアーなども検討しています。
またスーパーホテルは全国に171店舗あるので、各地域のホテル近隣の方々にも参加して頂けるファンミーティングを目指して、北海道、北陸、東海、四国、中国、九州地方など全国行脚をして、それぞれの地域のファンの方々との交流をしていきたいと思います。目標としては、最低でも年3~4回のペースで各地域ブロック別にやりたいと思います。
広報:スーパーホテルと他企業のファンミーティングとの違いはどんなところですか?
迫田:スーパーホテル独自のファンミーティングのスタイルとしてコアなファンとの交流以外にも、全国171ヶ所の各地域のホテルでファンミーティングを実施することにより、普段ホテルに泊まることがないホテル近隣の方々にもホテルのことを知っていただく機会として参加してもらい、各地域の方々と積極的にかかわっていきたいと考えています。
現地のファンの声が現地のホテルに反映されることで地域活性化にもつながり、スーパーホテルの経営理念のひとつである地域貢献にもつながっていくと思います。
さらにそのファンの皆さんが発信する情報がこれからファンになっていただける方々に伝わるような仕組みを将来的には作り、ファンの方々がスーパーホテルの“ご当地結びスタ”*のチームメンバーになってもらい、その輪を全国に広げたいと考えています。これがスーパーホテルのファンミーティング「超(スーパー)・集会」の最終的な形態と私は考えています。
*ご当地結びスタの紹介のPRストーリー記事:
https://prtimes.jp/story/detail/px15GJf08Gx
広報:超(スーパー)・集会ではMCをされている迫田さんですが、熱量の高いファンと会う時の心構えはどのようなものですか?
迫田:私としてはお客様としてファンの方々と接するのではなく、スーパーホテルを愛してくれる仲間としてずっと付き合っていきたいと思っています。久しぶりに会った親戚とカラオケパーティーをしているような感覚で「超(スーパー)・集会」を今後もやっていきたいと思います。
でも、「超(スーパー)・集会」ではスーパーホテルを世界で一番愛しているのは自分であり、この思いは他のファンには絶対に負けないという気持ちを前面に押し出して、今後もファンの皆さんと接していきたいと思っています。
スーパーホテル 公式WEBサイト:https://www.superhotel.co.jp/
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