「商品をすすめない電話」で、ご注文をたくさん頂いたコールセンターの挑戦とは

当社スクロール３６０のBPO課は、80年以上の歴史を持つ通信販売「ムトウ」の流れをくむ、長い歴史を持つコールセンターです。日々、お客様からのご注文やお問い合わせに対して、電話やメールを中心に対応しています。

取り扱う商品は、化粧品や健康食品、ファッション、ブランドバッグ、家具、雑貨、アウトドア、食品・・・と、バラエティに富んでいます。

店舗の形態も、インターネット通販のみの店舗、実店舗とカタログ、カタログとインターネット通販などさまざまです。

老若男女、幅広い年齢層のお客様に接していますが、なかでも、女性のお客様、高齢のお客様から、きめ細やかな対応に対して喜んで頂けることが多いです。

コールセンターは『ほんの数分、電話やメールで買い物や質問に答えているだけでしょう』、と思われがちですが、お客様の人生の重要な場面に思いがけず立ち会うことになったり、お客様の今までの歩みに思いを馳せたりすることがたくさんあります。

私たちが一番大事にしていることは、お客様の言葉の裏側にある真のご要望を察すること。お客様が商品を通じて、生き生きとした日々を過ごされるお手伝いをすること。

コミュニケーターは常にお客様の人生と向き合っています。

ある時、優良顧客の減少に悩むクライアントとともに、コールセンターができることをご提案することになりました。高齢のお客様が多かったこともあり、商品をおすすめせずに、コミュニケーションをとるだけの定期的なお電話を掛けるチャレンジを行うことに。現代の御用聞きを電話でしてみよう、という試みです。

とは言え、ただ話をするだけでは無駄ではないのか、お客様に不審に思われてしまうのではないか、と様々な心配もある中でスタート。

しかし、毎月お電話するうちに、コミュニケーターの名前を覚えてくださり、毎月電話を楽しみにしてくださるお客様も増えてきました。

そして、お電話に出られて開口一番

「ちょうど良かったわ！買おうと思っていたものがあるのよ」

とご注文を頂けたり、お客様とお孫さんの温かな交流の様子を伺っていたら、最後にお孫さんに差し上げたいものがあった、とご注文を頂けたり。

お電話では楽しくお話しして特に商品の話題も出ずに終わってから、後日ご注文があったり。

一言も商品をおすすめしていなくても、ご注文を頂けることも増えていきました。

ベテランぞろいのコミュニケーターは、丁寧ながらも親しみやすい口調でお客様と何気ない会話を交わします。お話の中で、一人暮らしや、ご夫婦二人暮らしの方が圧倒的に多いことが分かり、子ども世代が同居する、昔ながらの家族は減少している事も実感しました。

ご注文やお問い合わせの電話を受けるだけでは分からない、お客様の日々の暮らしの様子が立ち上がってきます。

80代後半で社交ダンスをはじめ、様々な趣味を楽しむお客様。今までの人生の歩み、どのように今の穏やかな暮らしにたどり着いたのか、若いころにがんばったこと…人生の勉強になるようなお話を伺ったことも。

一方で、持病をお持ちで日々健康に気を付けて過ごされているお客様もいらっしゃり、毎回、コミュニケーターはお客様がお元気でお過ごしかどうか気に掛けながらお電話することもありました。

お客様の日々の暮らしに寄りそい、お話を伺うことで、人生の勉強にもなったとの声が、コミュニケーターからあがりました。

現代の御用聞きとなるべく始まった、定期的なお客様へのお電話。

押しつけがましくないのに、ご注文を頂ける結果をうむことができました。

お客様はコミュニケーターとのやり取りを楽しみにしてくださり、定期的にクライアントを思い出してくださる機会となりました。コミュニケーターの丁寧で親しみやすいコミュニケーションにより、クライアントへの親しみアップにも効果を発揮できました。

また、お客様の何気ない日常生活を伺ったことで、日々の暮らしぶり、お買い物の頻度、お出かけ先やご趣味、ご家族との交流など、お客様像も立ち上がってきました。

通常のお買い物のお電話だけではなかなか分からない貴重な情報が集まり、お客様へのアプローチを考えるヒントとなりました。

コールセンターは『ほんの数分』電話やメールでお買い物や質問に答えるだけで良いとおっしゃるクライアントもいらっしゃいます。

しかし、何気ない『ほんの数分』でお客様の満足度がアップして、店舗への価値を上げることができます。

これからも、お客様の日常や人生に寄り添って、一緒に笑ったり、悲しんだり・・・。お客様のお話しに耳を傾けていきます。

※スクロール３６０：

お客様の日々の暮らしや人生に寄り添うコールセンター

【スクロール360】

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