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OSS関連活動を支援するエイチームの「OSSポリシー」とは?エンジニアのスキルアップやキャリアの幅を広げ、OSSコミュニティに貢献

著者: 株式会社エイチーム


エイチームは、2020年7月1日にオープンソースソフトウェア(以下OSS)に関する活動についての方針を定めた「OSSポリシー」及び社内の運用ルールを定めた「OSSガイドライン」を策定しました。OSS関連活動の支援を通して、社員の技術スキルの向上やキャリアアップ、OSSコミュニティにおけるOSS関連活動の活発化、ソフトウェア業界全体への貢献を目指しています。


「OSSポリシー」「OSSガイドライン」策定に至るまでの想いを「OSS公開検討プロジェクト」を推進したプロジェクトリーダーに話を聞きました。


田又 利土(タマタ リト) 株式会社エイチームフィナジー CTO室 室長

2017年4月にエイチームライフスタイルへ中途入社、エイチームフィナジーの設立に伴い転籍。全サービスのインフラ基盤設計およびソフトウェアの開発やデータ分析基盤の構築、新アーキテクチャの研究などを担当。技術イベントへの登壇も多数経験し、エンジニアコミュニティへ大きく貢献。多くのエンジニアが働く会社にとってのOSS関連活動の重要性を経営陣に提案し、全社プロジェクトとして推進。



「OSSポリシー」「OSSガイドライン」を策定

エイチームで働くエンジニアのOSS関連活動を支援するため、「OSSポリシー」「OSSガイドライン」を2020年7月1日に策定しました。


OSS関連活動に関する取り決めを、会社の正式なルールである「社内規定」として整備することで、今まで曖昧だった知的財産権、業務中のOSS関連活動の労働管理などの課題をクリアにして、エイチームで働くエンジニアのOSS関連活動をバックアップすることが狙いです。


※オープンソースソフトウェア(OSS)とは

オープンソースソフトウェアとは、オープンソースの定義(※)に基づくライセンスで利用可能なソフトウェアを指します。ウェブなどで公開されているソースコードを無料で改良・再配布・利用がライセンスの範囲で可能です。OSSは、ソフトウェアの世界で当たり前のように利用されています。


OSS関連活動で市場競争力の高い人材になる

エンジニアが身をおくIT業界は急速に変化していきます。業界の動向や技術のトレンドに敏感になり、常に新しい技術の習得を意識することが大切だと思っています。得た学びや技術を社内外で実践し続けることで、高いパフォーマンスを発揮できるエンジニアになれると考えています。


そのためにも、エンジニアによるOSS関連活動はとても重要です。OSS関連活動を積極的に行うことで、技術開発の機会が増え、プログラミングのスキルアップなどにつながります。より幅広い技術を習得することにより、技術領域におけるキャリアの幅も広がると考えています。このように、OSS関連活動の支援により、エンジニアの技術向上を促進し、さらにはモチベーションの向上にもつながると考えています。


エイチームでは、OSS関連活動に対してルールを整備し、運用のレギュレーションを掲示することで、OSSに貢献したい社員をサポートする体制を構築し、社員のOSS関連活動をバックアップしたいと考えています。それにより、エンジニアの学びの機会創出と、エンジニアの成長を後押しできると考えています。

 

※OSS関連活動とは

OSSを開発することに関わる活動のことです。世界中で一般的に使われている既存のライブラリやプロダクトに機能を追加・改善などのメンテナンスをしたり、フレームワークを自分で開発・公開し、他者に使ってもらったりなど、OSSを利用するすべての他社に大切の貢献の活動を指します。


OSSに支えられるソフトウェア業界

ソフトウェア業界では、インターネット上に無料で公開されたソースコードを世界中のプログラマたちが自由に開発してより良い製品をつくっていく「オープンソース文化」が形成されています。オープンソース文化に基づき、当社の製品・サービスにおいても数多くのOSSが利用されています。


無料で公開されたOSSは世界中のプログラマの誰もが自由に開発が可能なため、新機能を開発したり不具合を修正したりしながら製品の完成度を高め、ソフトウェアの進化に貢献していく「オープンソース文化」がソフトウェア業界では当たり前のように根付いています。


2019年12月に「OSS公開検討プロジェクト」を発足

2019年12月に、エイチームの経営会議で「OSS公開検討プロジェクト」が承認され、グループ横断プロジェクトとしてスタートしました。エイチームでは、プログラミング言語としてRuby・PHP・Golangなど、開発フレームワークとしてRuby on Rails・Symfonyなど、オペレーションシステム(OS)としてLinuxなどのOSSを利用しています。これらOSSは、エイチームの多様なサービスで利用されているため、プロジェクトメンバーには、ライフスタイルサポート事業本部やエンターテインメント事業本部、EC事業本部のエンジニア組織長やリードエンジニアなどが選ばれました。さらに、知的財産権や労働管理の議論のため、法務や労務など、コーポレートスタッフもプロジェクトに参加しました。


OSS関連活動を社内のルールとして整備

これまでのエイチームのOSS関連活動は、エンジニアそれぞれの判断のもと、個人活動としてある程度自由に行っていました。OSSコミュニティへ貢献したいという使命感、自身のスキルの幅を広げたいなど、目的は様々です。ただその一方で、会社にOSS関連活動に関する明確なルールがなかったため、活動そのものに不安を抱えたり、活動が消極的になっていたりする社員が少なからずいたように感じます。


OSS関連活動について、会社としてルールを明確化させること、また判断が難しい「ライセンス」や「労働管理」の課題をクリアにすることで、OSS関連活動に積極的に取り組める環境を整備しようと考えました。


OSS関連活動を掌握する「OSS管理組織」を発足

エイチーム内で他者OSSの使用、エイチームOSS(エイチームが外部へ公開するOSS)が適切に管理されているか確認を行うため、OSS管理組織を発足しました。


<OSS管理組織の具体的な役割>

  1. 「OSSポリシー」の管理
  2. 「OSSガイドライン」の管理
  3. 各子会社や事業部より申請されたOSSの公開に関する権限等の管理
  4. 他者OSSへの修正パッチの提供と管理


OSS管理組織は、OSSの公開に関する管理・承認を行う責務を負う立場として、OSSの公開・承認プロセスなどのワークフローの設計・整備、社内規定の策定などを行いました。


OSSの公開に関するワークフロー

OSSを公開する場合、下記の手順で行います。

  1. 公開したいOSSを開発
  2. 社内システムで稟議書を提出、OSS管理組織の承認プロセスで承認
  3. GitHubにて承認OSSを公開


なお、OSSとして公開したいソフトウェアの開発方法、公開申請方法や公開手順、社外からのOSS貢献への対応、開発に関する勤怠管理などについては「OSSガイドライン」で定めています。



GitHubで公開した「OSSポリシー」

「OSSポリシー」はソフトウェア開発プラットフォーム「GitHub」にて公開しています。


GitHubページ:https://ateam-dev.github.io/oss/POLICY


OSS関連活動に期待すること

長年エンジニアとしてOSSに関わってきました。そして、精力的にOSS関連活動に携わってきました。OSS関連活動を会社として支援することで、エンジニアが積極的に活動に参加すること、活動を通して幅広い知識やスキルを身につけてエンジニアとして高いパフォーマンスを発揮することをエイチームのエンジニアには期待しています。


また、ソフトウェア業界はOSSに支えられています。OSSの今後の進化は、私たちが提供するサービスの価値をさらに高めることにもつながります。OSSの進化なくして業界の発展、ひいてはサービスの価値提供の高まりはないと言えます。


そのため、私たちエンジニアは、エンジニアとして働き続ける以上は、プライベートや業務問わず、OSSへの貢献活動は継続していくべきだと考えています。


今後のソフトウェア業界の技術の発展に対して、高い当事者意識とオーナーシップを持ち、関わり続けていきたいと考えています。


OSS関連活動の促進には、企業がルールなどの体制を整えるだけではなく、社員に対してOSS関連活動を積極的に行う必要性を伝えたり、目的や意義を伝えるいなどの教育も必要だと考えています。この点については、今後の課題として、これから取り組んでいく予定です。


ソフトウェア業界におけるOSSの今後の動向

今後、ますますソフトウェア業界におけるOSSの需要は高まっていくと考えられます。

RedHat社の「State of Enterprise Open Source」調査(※)によると、ITリーダーの約75%はオープンソースソフトウェアが「extremely important(極めて重要)」または「very important(非常に重要)」と回答しました。同様に、オープンソースの採用も、重点的に継続される見通しです。


私の実体験でもありますが、OSS関連活動に積極的なエンジニアのほとんどが、自由な開発に楽しさを感じ、新しい技術を学び、そしてオープンソースコミュニティの一員としてOSSの発展に貢献できることを喜びとしています。今後もOSSの関与するエンジニアが増えるのではないでしょうか。OSSにより開発スピードの向上及び開発コストの削減などのメリットにより、OSSやコミュニティによるソフトウェア開発は主流になっていくのではないでしょうか。


今後ますます需要が見込まれるOSSコミュニティにおいて、エイチームでは社員のOSS関連活動を支援することで、エンジニアの成長を応援し、業界の発展に貢献していきたいと考えています。


▼本記事のプレスリリースはこちら

社員のオープンソースソフトウェアに関する活動を支援!エイチームが「OSSポリシー」「OSSガイドライン」を策定!

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001685.000001348.html




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