保険業の悪しき見られ方を変えたい。挑戦を続ける老舗保険ショップの思いとは(前編)
本日、当社の運営する来店型保険ショップ『保険クリニック』のブランドステートメント動画を発表しました。
このステートメントに込めた思いについて、代表の勝本に聞きました。
勝本竜二(かつもと りゅうじ)
株式会社アイリックコーポレーション
代表取締役CEO
1964年石川県生まれ。1995年7月にアイリックコーポレーションを設立し、1999年に来店型保険ショップの先駆けとなる「保険クリニック」をオープンした。保険分析・検索システム『保険IQシステム』の独自開発をはじめ、インシュアテックへの取り組みを強化している。
―『保険クリニック』は日本で初めての来店型保険ショップです。なぜこのショップ形態をつくろうと思ったのですか?
元々、保険には良い印象を持っていませんでした。高校卒業後、地元・石川県の信用金庫に入庫しましたが、そのときの生命保険会社の営業の押し売りがあまりに強く、辟易していた部分がありました。保険は自ら選んで入るものというより、営業から「入らされるもの」というイメージの方が強かったです。
しかし外資系生命保険に勤める友人から、コンサルティングや必要な保障を組み合わせた商品設計といった、日本とは相違した戦略を教わり興味を持ち、この業界に入りました。外資系生命保険会社に入社して代理店営業をしていました。
個人向けのショップ形態開業に向けて走り出したのは、1996年の業法改正がきっかけです。この業法改正により、複数の保険を扱う乗合代理店が解禁となりました。過去の自分の経験から、複数の保険商品から自ら比べて選べるお店をつくりたいと思い、アイリックコーポレーションを設立しました。第1号店は1999年東京・文京区本郷にオープンしました。
―保険ショップを展開していくなかで、障壁となったものはありましたか?
オープン当初、地域に浸透するまでお客様からの反応は薄かったですが、口コミや認知活動の積み重ねによって次第に来店者が増えていきました。サービスを利用されたお客様から高評価をいただいていたので、大きな手ごたえを感じていました。
しかしながら、当初描いていた「『入らされるもの』である保険を『自ら選んで入るもの』にしたい」という思いを叶えるのは簡単ではありませんでした。保険は会社ごとに商品設計が大きく異なるため、一般の方が各社の商品設計書を見比べてその差異を理解するのはかなり難しいといえます。
そこで思いついたのが、分かりづらい保険商品をビジュアル化してその商品の特質を見える化し、同種商品と比較しやすい仕組みでした。これが現在の保険分析・検索システム『保険IQシステム』へとつながります。
出典:マンガでわかるアイリックコーポレーション 「勝本竜二物語」
―このとき開発したのが「保険IQシステム」ですね。どのようなシステムか教えてください。
複数の保険商品を保険料や保険金額、特約などの項目ごとに並べられる比較機能と、既存の保険商品の保障内容をグラフなどで分かりやすく示す分析機能があります。
比較機能は、保険金額や保険期間など、お客様のご要望に応じた条件で検索をかけることでタイムレスに各社の商品を一覧でだせるというものです。お客様の目の前で検索をかけて商品をご提示することで、募集人個人の恣意性のない、公正なご提案が可能となります。
分析機能は、お客様から保険証券をお預かりして、契約内容をシステムに入力するだけで保障内容をグラフなどで分かりやすくビジュアル化するものです。近年はOCR(文字読み取り機能)の開発により、よりスピーディーなご提示が可能になりました。
このシステムは実兄・勝本伸弘(取締役)によって開発されました。当時、兄はSEとして独立したばかりだったので、システム開発を依頼するにはうってつけだったのです。
「保険IQシステム」による商品比較表
「保険IQシステム」による分析シート
―兄弟タッグで保険とITが組み合ったという感じですね。このシステム開発によって、保険ショップとしてのサービスがさらに向上したのですね。
そうです。ただしこのシステム開発までは非常に困難な道のりでした。
保険は商品ごとに保険料や解約返戻金、特約などの内容が異なり、過去も含めると商品数は膨大で、ボタン一つで商品の特長をグラフで表したり、比較したりするシステムをつくるのは無謀ともいえる作業でした。本業の利益はシステム開発費にどんどん消えていき、銀行から融資を受けようにも相手にされず、資金繰りに苦しみました。当時の役員は「社長の道楽だ」と会社を去っていき、さらに追い打ちをかけていきました。
さらに、1年半の開発期間を経てシステムが完成した後も苦労は続きました。保険会社を集めて説明会を開き、保険商品の設計・保険料など各種データ提供の協力を仰ぎましたが、当初、他社商品と平等に比較・分析させるシステムの開発に保険会社は非協力的でした。他社と比較されることで、「自社の保険商品が売れる機会が損なわれてしまう」と考えられていたためです。「黒船」と揶揄され、「保険業法違反ではないか」とすら言われ、嫌がらせの電話も多々ありました。
それでも顧客のためという信念のもと地道に勉強会や説明を行いました。すると他の代理店からの賛同を得、また保険販売が一社専属から複数の保険会社の商品を扱う乗合代理店で選ぶ時代に変化していったことの後押しもあり、次第に保険会社の協力も増え始めました。現在では生損保あわせて20社以上の保険会社が当社のシステムにデータ提供されています。
代表の勝本と兄・勝本伸弘取締役(右)
インタビュー後半では今後の展開について聞きました。
【『保険クリニック』について】
1999 年に日本で初めて*オープンした保険ショップです。
日本の約90%の世帯が加入している生命保険を、視覚的に分かりやすくご説明するために、保険分析・検索システム『保険IQ システム』を独自に開発しています。保険商品の検索や比較の機能を追加し、保険の現状把握からお客さまに合わせたプランのご提案まで、全国の『保険クリニック』において均一で質の高いサービス提供の一端を担っています。(全国約230店舗 2020年9月現在)
*「日本初の来店型乗合保険ショップチェーン※」
※店舗数11店舗以上または年商10億円以上をチェーン店と定義 東京商工リサーチ調べ(2018年6月)
保険クリニック:https://www.hoken-clinic.com/
(株)アイリックコーポレーション:https://www.irrc.co.jp/
【本件に関するお問い合わせ先】
(株)アイリックコーポレーション 広報担当
branding@irrc.co.jp
03-4589-6384
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