地獄の債務整理体験談 ~闇金、出会い系サイト、出会い系パーティ潜入、風俗で竹の子剥ぎに遭遇、マルチ商法に引っかかる、パチンコ釘師へ転職、パチンコ釘師とは?業務内容暴露、そして借金完済~

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しかし、いつまでも事務所で遊ばせているわけにはいかない。

2 ヶ月目からは、先輩と同行しながら、現場にデビューすることにな

る。

■ 勤務時間

基本は朝9 時から18 時である。

事務所にいる場合は、18 時に上がれる。

昼休みも12 時から1 時間

だが、基本的に現場に出ている場合が多いので、実際はこの限りで

はない。

大体1 日に3 店舗回ることがノルマになっていた。

午前1 件

午後1 件

夜( 夜中) 1 件

午前は大体朝9 時頃~

午後は14 時頃~

夜はもちろん閉店後なので、23 時~

これだけ見ると、残業代が物凄いのではないかと思われそうだが、

残業代は一切出ない。

というのも、車での移動時間が長い為で、

移動時間は業務時間に含まない! という社長方針のためだった。

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会社は都内にあり、

車は貸与される。

平日の午前、午後のアポは大体都内ではなく、

茨城、千葉、群馬、山梨といった地方が多く

会社に出社してからでは間に合わないため、社用車を持ち帰り、

自宅から直行となる。

だが、都内在住の私の場合、

朝9 時に地方へ向かうのはかなりの困難であった。

首都高を通過しなければならないからだ。

常磐道、東北道に乗る為なのだが、

朝は必ず首都高が渋滞する。

でも、渋滞を理由に遅れることは許されない。

こと、私のように叩くのが遅く人間の場合、午後の仕事に影響を与

えない為にも、時間

より前に着くのが鉄則だ。

しかし、どうやっても首都高の渋滞は回避出来ない。

そこで私は、毎朝4 時に起床し、5 時に家を出発。

首都高が渋滞する前に都内を抜け、

常磐道や東北道のPA で仮眠を取ってから、アポの時間へ向かうとい

う生活を強いられることとなる。

午前のアポが終わると、昼休憩となる。

午後のアポまでは自由時間となる。

午後のアポが終わると、長い休憩時間が始まる。

夜の23 時までの休憩時間だ。

午後のアポは、大抵3 時間程度で終了する。

夕方の5 時には終了するのだから、約6 時間の休憩。

自宅へ帰るにしても、地方に出てきている場合、

帰るだけで2 時間近くかかるので、時間の無駄。

そうなると、ここらへんで時間を潰すしかない。

大体の場合、サウナや健康ランドで時間を潰した。

横になって仮眠も出来るためだ。

最後の夜のアポは、23 時にお店に行っても、

まだ作業が出来ない場合が多い。

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パチンコ台の場合、店員や大工が設置まで行ってくれるので、

その設置を待つわけだが、大体1 時間はかかる。

日をまたいで、翌日の深夜0 時から釘を叩き出すのだ。

これが終わるのが、大体深夜2 時頃。

そこから、猛スピードで高速を利用して、自宅へ帰宅する。

渋滞は皆無の為、家に着くのは大体深夜3 時頃だ。

そこで、少し休んでシャワーを浴びて、就寝。

だが、1 時間も立たぬうちに起床して、出勤するのだ。

これが主な1 日の勤務体系である。

■ スロット台の導入

スロットの場合、私の苦手な、「釘調整」という作業が無くなる。

だが、逆に重いスロット台を設置したり、外したりという重労働が

伴う。

大工を呼んで、設置までしてくれる店も稀にあるが、

ほとんどの場合は私が設置を行った。

まず、閉店後に店舗へ入店する。

新台はトラックで閉店時間に合わせて運び込まれるので、

そのトラックを待つ間に、入れ替え場所にある旧台を取り外す。

スロット台は、枠が木で出来ていて、内側からスロット台の島のそ

れぞれの枠に、長いネジで止められている。

これをドライバーで取り外していく。

( 連ドラを使います)

取り外すのは結構簡単。

でも取り付けるのがかなり面倒。

コインの自動補給や、回収がある店の場合、

スロット台の後ろと底に穴を開けて、煙突を取り付けないといけな

いのだ。

煙突は、島の裏側にあるコイン補給の口と接続

センサーをスロット台の内部に入れればOK

回収は簡単で、底に穴を開けておけば、溢れたコインが勝手に回収

するベルトコンベアに落ちていく。

そして、一番重要なのが基板のセット。

スロット台は、台の本体と基板が別々に店に送られてくる。

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( アルゼだけはなぜか台に固定されていた)

基板のセットは、資格を持った人間がやらなければならない。

基板セット後は封印シールを貼り付け、基板が細工されてもすぐに

わかるようにする為だ。

この資格は、入社後に強制的に取得させたれた。

そんなに難しくない。

少し勉強すれば、簡単に受かる程度の試験( 筆記試験) だ。

スロットの設置は、この基板のセットが一番緊張する。

基板をセットする台と、スロット台のNo は事前に申請されているた

め、必ず一致しなければならない。

コレが一致していないと、この新台を営業に利用出来なくなるのだ。

これは警察の監査が来るためで、地方のパチンコ屋の場合、

スロット台設置後は、警察の立会いがあった。

よく確認せず、基板をセットしてしまった後輩は、

封印シールまで貼り付けてしまい、翌朝まで都内と店舗を往復して

大変な目にあった。

幸い、翌日はお店が休みだった為、事なきを得たが・・・。

■ 給料

安い

この一言に尽きる。

個人経営の会社だったこともあるが、手取りで20 万弱だった。

( 当時24 歳)

だが、会社の売り上げは凄く、社員は10 名程度なのにも関わらず、

100 名規模の中小と同程度の売り上げがあった。

とんでもない会社である。

ボーナスは有、だが1 ヶ月分にも満たない。

■ 退職

約2 年での退職となった。

まず、1 年で体がおかしくなってしまったことが原因の一つ。

そりゃそうだ

朝4 時に起きて、5 時に出発。

車で仮眠をして、9 時から17 時まで仕事をして、

サウナで仮眠して、夜23 時から26 時頃まで仕事。

こんなサイクルを1 年も続けていれば、体がおかしくなるのは間違

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いない。

また過去、この会社で勤め上げた人間の末路を聞いたところ、

早々に退職するのがベストなのではないかとも思った。

その末路というのが、

「パチンコ店の店長」

であった。

営業に回るチェーン店等の店長に、経験を生かして配置されるのだ。

店長と言えば聞こえがいいが、決して楽な仕事ではない。

確かに給料は相当良いらしいが、

毎日店舗に来て、売り上げの管理を行い、

閉店後には釘調整をして・・・

といった具合に、休みは年間でも10 日も無いとのこと。

オーナーともなれば話は別だが、

店長は大変なだけで、苦痛にしか思えなかった。

先のポストの最上位が店長ならば、やはり辞めるしかない。

■ 素朴な疑問 釘師なら勝てるの?

勝てる確率が若干上がるだけです。

釘を見れば、回る回らないは簡単に判断出来ます。

でも、パチンコはそれだけではありません。

運も必要です。

例えば、300 分の1 の確率のパチンコ台を打った場合、

運がよければ、10 回で当たるかも知れないし、

運が悪ければ1000 回はまるかもしれない。

確率変動に突入しても、1 回で終わるかもしれないし、

10 回以上続くかもしれない。

回る台を打てば、勝てる確率は上がるけれども、毎回勝てるわけで

はありません。

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