地獄の債務整理体験談 ~闇金、出会い系サイト、出会い系パーティ潜入、風俗で竹の子剥ぎに遭遇、マルチ商法に引っかかる、パチンコ釘師へ転職、パチンコ釘師とは?業務内容暴露、そして借金完済~

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更に、

「明日のことは誰にも言わないで」

と口止めされているので、更に他の人に相談する可能性は低くなる。

この電話の時点でも、かなり巧妙な手口が行われているわけです。

皆さんもきおつけて下さい。

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パチンコ業界のお仕事

給料のUP が目的で、パチンコ業界へ飛び込むことにした。

特にパチンコ業界を狙っていたわけではなく、

求人広告に記載されていた内容が

「遊技機器のメンテナンス業務」 と記載されていた為である。

当時、遊技機器とは何のことか全く理解出来ずにいて。

ゲームセンターのゲーム機だろうと思っていた。

が、実際に面接に行くと、事務所に並べられていたのはパチンコ台

とスロット台。

遊技機とは、パチンコとスロットのことだったのだ。

そんな予備知識すら皆無の私であったが、

過去の経歴から、なぜか簡単に採用となってしまった。

全くパチンコについての知識もない私。

ちゃんとやっていけるのだろうか?

心配になってしまった。

入社してから、1 ヶ月間は事務所で勉強だ。

パチンコ台やスロット台の内部構造について

不具合が発生した場合の修理方法

エラーコードの意味と復旧方法

これらはマニュアルを見て、覚えるだけなので問題ない。

スロット機の場合には、機器の取り外しから設置まで行う為、

取り外し方から、設置の方法まで一通り、先輩に指導を受ける

これも特に難しい作業ではない。

一番やっかいなのが、パチンコ台の釘調整だ。

これは何かと言うと、

その名の通り、パチンコ台の釘を調整すること。

この釘調整、店舗の店長がやると思われがちだが、

新台に入れ替えた直後は、導入に携わったメーカーや卸会社の担当

者が釘調整を行うのが普通なのだ。

その後の調整は店長がやるのだが、初回は違う。

そう、私が入社したのは、この卸の会社だったのだ。

釘調整は本当に難しい。

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パチンコ台の盤面に打ち付けてある釘の頭を、トンカチのようなハ

ンマーで叩いて調整

していく。

パチンコ台というのは、盤面に機械で釘を打ち込んでいくのだが、

新台の場合、釘の打ち込みの角度が一定ではないため、

玉づまりが発生する可能性が高い。

その為、細い棒の先にパチンコ玉がついている釘師専用の道具を利

用して、玉詰まり

が起こらないように、釘の角度を叩いて変えるのだ。

これがまず重要。

盤面全体の角度を垂直に叩き終えたら、

次に重要なポイントの釘を調整する。

例えば、スタートチャッカーと呼ばれる( 通称へそ) 部分や、

ワープ部分、右肩の部分等

これらの部分は、薄っぺらい鉄の板を利用して調整する。

釘と釘の間をその板で測って、幅を調整するのだ。

板は何十枚もあって、それぞれに幅の長さが記載されている

板の長さに合うように、釘を調整するのだ。

この調整もかなり難しい。

釘と釘の間に、その板を差し込んで幅を調整するのだが、

板が釘とぶつかる微妙な間隔までも把握しなければならない。

例えば、先輩にはこんな感じで指示をされる。

「ヘソは5mm の板でキツメで」

これは、5mm の板の幅で調整するのだが、

板を釘と釘の間に差し込んだ際に、キツメで調整しろという意味

このキツメというのは、本当に感覚の問題なのだが、

このキツメが重要で、これが緩めになると

スタート回数に差がでてしまう程重要な調整なのだ

( 当然、ヘソだけでなく、その他の部分も関わってくるので、

一概にそれだけとはいえないのだが)

この微妙な感覚である程度、釘が叩けるようになるまで

ひたすら事務所で練習を行う。

毎日、朝から晩まで、練習用の台で釘を叩くのだ。

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この練習で、一番重要なのは叩けるようになることだが、

それと同時に、速さも求められる。

新台入れ替えは通常、最低でも5 台以上の場合が多い

一島入れ替えるのであれば、大きな店舗なら20、30 台以上の場合も

ある

これを一人で全部叩かなければならない。

時間制限はないが、早いに越したことは無い。

大抵、新台入れ替えは深夜かお店が休みの日に行う

その為、私が叩き終わるまで、店長なり責任者が残っていなければ

いけないわけで、

私の作業が遅くなれば、その分待ってもらうことになる

無言のプレッシャーの中、叩き続けなければならないのだ。

でも、適当に叩くことも出来ない。

適当に叩けば、翌日すぐにばれてしまう。

玉詰まりなんてもってのほか。

パチンコ台で玉が詰まれば、遊技が出来なくなり、

お客さんも怒るし、お店も新台の評価が下がってしまい、

結局最終的には私が怒られてしまうのだ。

玉詰まり以外にも、ヘソやワープ、その他諸々の釘調整で

店の売り上げが左右されるのだから、とても適当には叩けない。

心配性な私は、慎重になり過ぎてしまい、

いつも1 台に10 分以上、釘の多い台の場合15 分以上かかることも

あった。

例えば、お店が休みの場合( 地方のパチンコ店に多く、平日に休み

がある。都内の場

合、年中無休ガ多い)

あまり時間を気にせず、ゆっくり叩ける場合が多い

休みの日に店長がお店で立ち会ってくれるのだが、

店長は控え室で寝ていたり、TV 見たりしているだけなので、

急かされることはほとんどない。

だが、これが都内になると話が違う。

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都内は年中無休の店がほとんどで、大抵の場合

日曜日の営業終了後に入れ替えを実施する。

店長もやはり早く帰りたい。

都内の店舗は入れ替えの台数も多いので、1 台にかける時間も少なく

しなければいけない。

20 台を各10 分でも200 分、3 時間以上だ。

これでは長すぎる。

ベテランになると、1 台5 分で叩ける。

そこまでのスピードは求められないが、最低でも7 分~ 8 分のスピー

ドが必要だ。

実際、1 ヶ月の事務所での練習では、そこまでの技術は付かなかった。

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