「夢」か「安定」か? 〜超就職氷河期に二度内定を捨てた話し PART9〜

1 / 2 ページ

前編: 「夢」か「安定」か? 〜超就職氷河期に二度内定を捨てた話し PART8〜
後編: 「夢」か「安定」か? 〜超就職氷河期に二度内定を捨てた話し PART10〜

前回のあらすじ


僕は二度目のグループディスカッションで初めて「リーダー」に立候補した。


そこは未知の世界で、ほとんど何を喋っていたのか覚えちゃいない。


それでもグループの人たちはみな良い人で、そんな僕の司会進行でもついてきてくれた。


「あれだけビビりながらもリーダーの役、そしてみんなの前で発表もできたんやから、まあ良しとしよ!」


僕は当分はこんな大舞台は無いだろうと思い、満足感と安堵感を噛み締めながら帰ったのである。


まさか、これ以上の「大舞台」がすぐにくるなんて、その時の僕は知る由もなかった。



久しぶりの場所


二度のインターンシップを経験できた僕は、「就活」というものがどんな場所なのか学ぶことができた。


もちろんインターンだけですべて学べるわけではない。


それでも橘くんや杉村さんの話し、それに富田さんという就活生の存在を知ることができて、僕の就活に対する意識は完全に変わっていた。


それから何日が過ぎた後、就活支援センターの研修の日が近づいてきた。


自分たちが受けたインターンシップの内容を、みんなと共有するために再度集まるのである。


なんやかんやで小林先生やグループの人たちに会うのは一ヶ月ぶり。


僕は随分と月日が経ったように思えて「早く小林先生の言葉が聞きたい!」とワクワクしていた。


そう、無邪気にも僕は「研修」しか無いと思っていたのだから、、、



一皮むけたディスカッション


1ヶ月ぶりの就活支援センターに訪れると、クラスのみんなは仲良く話していた。


出会って3回目の人がほとんどだが、みんなインターンを経験したことで一皮むけたのであろう。自分のグループ以外の人たちとも楽しそうに笑顔で話してたのである。


僕も自分のグループに着くと笑顔で奥村くんや、大塚さんに話しかけた。


「何か石本さん雰囲気変わったね!」と言ってくれた大塚さんもかなり雰囲気は変わっていた。


僕は旧友にあったかのように席に着いてから話し続けていた。


あっという間にスタート時間が訪れ、いつもと同じく勢いよくドアが開いた。


「みなさん、おはよう!」


相変わらずドス、、、いや、もうドスでも言いか。笑  力強い小林先生の声が教室に響き渡った。


「おはようございます!」


教室のみんなが一斉に応えると、小林先生も「おう、なんかみんな雰囲気変わったな!」と笑っていた。


そりゃそうだ。中には1週間ずっと営業の人と外回りを経験したり、自分たちで企画を考えて実行した人たちもいるのだから。


就活のことをまったく何も知らなかった「うぶ」な奴らから、少しだけ毛が生えた「うぶ」なやつらに変わったのだ!笑


そうこうしてると、早速グループディスカッション式で自分たちの経験したインターンについて話し合うというお題が出た。


「よ!待ってました!」


見知らぬビルで、見知らぬ人たちの前で発表やグループディスカッションを経験した僕にとって、ここでのディスカッションなど天国同様。


「ふふふ、、、さっそく鍛え上げた技を披露してやるぞ!!」と闘志を燃やしながら、僕は張り切ってディスカッションに臨んだ。時間は30分。程よい長さだ。


大塚さんが「じゃあどんな感じで発表しますか?」と聞いてくれたので、僕はすかさず「まずは役割分担でも決めますか!」と言って、司会進行・書記・タイムキーパーという三種の神器を出した。


もちろん、完全なる富田さんのパクリだが…笑


前回のディスカッションの時はそんな仕切りをしなかったので、みんな少し驚いた顔で僕を見ていた。事情を知っていた奥村くんだけは笑顔で「なら僕は同じく書記でいきます!」と言ってくれた。


そして僕が司会進行、奥村くんが書記、大塚さんがタイムキーパーという役が決まって僕らのディスカッションはスタートした。


しかしこの時、ある重大なことに気づいたのである。


それは「前回のディスカッションの進め方が果たして今回もあてはまるのか??」ということだった。


前に富田さんのやり方をパクった・・・いや学んだ時は2度目のディスカッションの内容はまったく同じ。だから時間の割り振りもディスカッションの進め方もまったく同じでもスムーズに進めることができた。


ただ今回は就活支援センターでのディスカッションで内容はまったく違う。前回と同じ方法を試したところでうまくいく保証は無いのである。


「やってもた〜〜〜!!」いきり立って司会進行に立候補したものの、さっそくマイクを捨ててやろうかと司会の僕は思っていた。


かと言って逃げ出すわけにもいかないので、僕は必死に考えながら話していた。


「・・・そうですね、とりあえず各自インターンシップで学んだことや気づいたことを10分間出し合いましょう。」


出た!!忍法「とりあえず思いつくままに話しましょう」の作戦。笑 しかしこれがけっこう便利で、制限が無い分、みんな色んなことを出してくれるのである。


「私は今回のインターンシップを受けて、自分が思っていた世界と少し違ったなということを学べました。」と最初に大塚さんが答えてくれた。


「僕は新しい世界に飛び込んでみて、意外と自分もやればできるやん!と気づくことができました。話すことが苦手だったんですが、自分から色んな社会人の人や就活生に話すことができたので!」そう答えてくれたのは一緒にインターンを受けた奥村くんだった。


「僕は自分の進みたい道をより具体的に絞ることができたました。何事も経験が大切ですね。おかげで前よりもイメージを明確に持てたので良かったです!」と冷静な口調で話してくれたのは竹内くんだ。


「やっぱりみんなインターンを受けて気づいたことがたくさんあったんやな〜!」と僕は思いながらみんなの話しを聞いていた。


自分と同じようにみんな知らない世界で色んな経験をしてきた・・・そう想像するだけで何だか嬉しかった。自分と同じように右も左もわからず就活を始めた人たちが頑張っている話しを聞けたのだから。


っと締めの言葉を言ったところでディスカッションは始まったばかり。逃げられませんからね、石本さん!笑


とりあえず10分間は各自の意見を出し合ってもらい、みんなも「うんうん」と発表している人の話しを真剣に聞いていた。そして僕も奥村くんも発表した後、とりあえずある程度の意見は出てきた。


「次に大切なのはこの出た意見をどうまとめていくかや・・・」


富田さんの司会進行を見ただけのことはあり、何とかしてでも発表ができる形までは持って行こうと思っていた。


とりあえず出た意見をどんなカテゴリーに分けていこうかと考えていると、前回一緒にディスカッションをした奥村くんがまとめた紙を見せてくれた。


「石本さん!良かったら見てくださいね。前にもできたんだから大丈夫だと思います!」


前のディスカッションでも、ぺーぺーの司会進行だった僕に協力してくれた奥村くんの言葉が嬉しかった。僕は渡された紙とじ〜〜っとにらめっこしていた。


「・・・もし形をまとめるのであれば、同じく時間は10分くらいにしますか??」と大塚さんが話してくれた時、僕はタイムキーパーの存在を完全に忘れていて焦った。


「そ、そうですね!なら時間は10分くらいでまとめて、後半の10分で発表の練習をしましょうか!」


みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。