「夢」か「安定」か? 〜超就職氷河期に二度内定を捨てた話し PART10〜

1 / 2 ページ

前話: 「夢」か「安定」か? 〜超就職氷河期に二度内定を捨てた話し PART9〜
次話: 「夢」か「安定」か? 〜超就職氷河期に二度内定を捨てた話し PART11〜

ちょっと前置き

早くもパート10になりました!書き始めた当初は「一体誰がこんなものを読むのか??」と不安がっていましたが、実際には「いいね」を押してくれる人がいて本当に嬉しかった。

更には「次も読みたい!」とリクエストしてくれる方々もいて驚きました。そして、そんな方々のおかげで今日まで続けることができました。

会ったことも見たこともございません。でもこんなストーリーを読んで良かったと言ってくれる人たちに、「本当にありがとうございます!」と声を大にして伝えたい。

今現在でPART10!なんとか気合いで100までは続けてやろうと一人企んでいます。笑

なので、どうぞこれからもよろしくお願いします☆

前回のあらすじ

まさかのグループディスカッションは予想外の展開を迎えることになった。

「発表が一番良かったグループはクラス代表として次の全体発表もしてもらいます!」

小林先生の言葉が僕の頭の中でエコーした。

「代表になると全体発表やって!?そうなれば200人の就活生と企業の人たちの前に立つってことやないかーーー!」

僕は恐怖で飛び出しそうになったが、まあ僕らのグループが選ばれることは無いだろうと無理やり思い込むことにした。

が、しかし、、、

神は僕らを予想外の世界へと連れて行ってしまった。

そう、まさか僕らのグループがクラス代表に選ばれてしまったのだ!

しかも、クラス代表に選ばれた僕らのグループには、思いも寄らないもう一つのおまけがついてきたのだった・・・

「クラス全体でディスカッション」

代表に選ばれた僕らのグループは残りの50分間、小林先生の代わりに研修を行うことになってしまった。つまりクラス代表で出場するのであれば、クラス全体で発表の仕方に磨きをかけろということなのだ!!

そう言った小林先生は終始笑っていた。楽しいのだろう。自分の教え子がどんな授業と発表をするのかが、、、

だが僕は、「楽しくない!断じて楽しくないぞ!!」と心の中で叫んでいた。

いつものみんなでグループディスカッションするのは楽しいが、まさかクラス全体でディスカッション、更には大勢の前で発表など!

ビビリの僕は一人震え上がっていた。いや、僕だけじゃなく大塚さんも奥村くんも震え上がっていた。(実際2人はどうだったのかはわからんが。笑)

それでも僕は頭をフル回転させながら教室の前に立った。

そこにはおなじみの就活生と小林先生の姿があったが、僕の心境はまったくもっていつもと違っていた。

「どうしたらええんや、、、」

予想外の展開に、心の中では天使も悪魔も言葉を失っていて、僕は完全にフリーズしかけていた。

「いや、こんなチャンス滅多にないし、ここは失敗しようがしまいが一発かましておくべきや!」

わずかに生き残っていた天使の声が聞こえて、僕は覚悟して最初の言葉を喋った。

「この度は、クラス代表に選んで頂きありがとうございます!今から午後の部をどうやって発表するのか、みんなで決めたいと思います。」

とりあえずタジタジしながらも最初の言葉は言えた。すると奥村くんが小声で「なら僕はみんなの意見をホワイトボードに書いていきますね。」と言ってくれた。

僕は大塚さんと顔を見合わせてどうやって進めていこうかと悩んでいた。すると小林先生が「とりあえずさっきの発表の流れは良かったし、その流れをホワイトボードに書いたらええんやないか??」と助け舟を出してくれた。

待ってましたといわんばかりに奥村くんが力を込めて僕らの発表をボードに書き始めてくれた。

僕はそれを見ながら大塚さんに「とりあえず他に付け加えたほうが良いこととか聞いていきますか?」と尋ねると大塚さんも頷いてくれた。

そしてみんなのほうを見ながら「何か他にも付け加えたほうが良いことがありますか?」と僕は尋ねた。

が、、、案の定誰も反応は無かった。

そりゃそうだ。いきなり僕らのディスカッション内容に何を付け加えたら良いのかはわからない。

「だからこそ質問の仕方を変えるべきだ!」と言わんばかりの顔で小林先生が僕を見た。

僕はツバを飲み込みながら「他に質問は無いか?」と考えまくった。そこで質問の仕方を変えて「どうすればもっと伝わるような発表になるか?」と聞いてみることにした。

とは言うものの「何を付け加えるか?」とあまり変わらない気もするが、それが僕の精一杯の質問だった。

その思いに応えてくれたのか、一番前に座っていた就活生が「もっと時系列に並べて発表したほうが良いのでは?」と話してくれた。

確かに僕らの発表は時系列もクソもない。ただ「ここが重要!」と思った3つのポイントだけを発表している。

(詳しくは前回のPART9で紹介しています→http://storys.jp/story/10211

もっと時系列を意識して「最初はこんなことがあって、次にこうなって、、、」という形のほうが確かに伝わりやすい気がしたのだ。

なんせ相手は200人!しかも企業の方達もいるとなるとやんちゃな発表の仕方ではいけないのである。

そこで僕は奥村くんに「時系列に並べるとどうなるか書いてみてくれませんか?」と尋ねた。

(おい!お前が書けよ!笑)

奥村くんも少し困ったような感じだったが、ディスカッションの内容を思い出しながら時系列に並べてくれた。

するとそれを見た他の就活生の人が「時系列に並べたとしても、結論は最初に持ってきたほうがわかりやすいんじゃないですか?」といきなりスライディングをかましてきた!

ただ、確かに社会人になれば話をする時に「最初に結論を持ってくる」ということが重要だ。

僕は「それは良い意見ですね!」などと形だけ司会者を演じながら、発表の最初に3つのポイントを簡単に説明をすることに決めた。

だがしかし!更に別の就活生がこんなことを言い始めたのである。

「でもそれって最初に結論持ってきたなら過程は必要ありますか?次の発表はあまり時間も無いようですし、、、」

鋭い!いや、もはや何が正しいのかわからなくかってきた。

あれやこれやと就活生の意見を聞くたびにホワイトボードがグチャグチャになってきて、書記の奥村くんもみんなの意見を書くので必死だった。

途中から僕の代わりに大塚さんがみんなからの意見に返答してくれるようになり、

「奥村くん→書記」

「自分→質問する人」

「大塚さん→みんなからの意見に答える」

みたいなポジショニングが暗黙に決まった。

その時点で経過時間は25分、やっと3人の役割も決まり、進行も少しは軌道に乗り始めたのでここからがスタートだ!と僕は密かに思った。

著者の石本 良幸さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。