この世で一番おいしいゼリーは、たらみのオレンジゼリーだと思う。
夏はゼリーがおいしい季節。ひんやり冷たくてツルンとしたのどごし。
普段甘いものを全く食べない私にとって、ゼリーは唯一の糖分補給源。
コンビニに行けばたくさんの種類のゼリーが置いてある。
スーパーに行けば、ワゴンに山積みのゼリーたちに会える。
でも、一番美味しいのはたらみのみかんゼリーだ。
一般的な「並」のゼリーたちは、まずゼリーがふにゃふにゃだ。
柔らかすぎる。
ツルンと喉の奥へ入らないといけないのに、「並」のゼリーたちはスプーンを入れた瞬間、ふにんっとなる。
なんだろう、元気がないとでも言おうか。やる気がないとでも言おうか。
次に、「上」のゼリーたちは、世間では贈答用に使われるちょっと高価なものたちだ。
「どこどこ産のうんたらみかんを使いました」
「どこどこ産のうんたら白桃を使いました」
と、中に入っている果物がブランド物の場合が多い。
美味しい。確かに、果物は美味しい。
でも、高かったらそら美味しいわ。
そんな「上」のゼリーたちも、案外ゼリーはふにゃふにゃだったり、さっくりしてたり、結局こだわってるのは果物だけかい。
ゼリーちゃうんかい。
一番ダメなのは、「並」にもなれない「並」以下のゼリーたち。
人工甘味料の味が濃く、アメリカのお菓子かと突っ込みたくなる。その癖色合いは鮮やかで、着色料の存在が非常に見え隠れする。
ゼリー特有のプルンプルンとした食感はハナからないようで、
スプーンをさすと
スン・・・
と音も感触もなく入っていく。
「並」以下のゼリーたちには、プルンとした弾力も、ツルンとしたのどごしもない。
そして、果物が入っていない!
ほんでもって、蓋が開けづらい!
それで、100円とか150円とか、“いっちょまえ”の値段がする。
ゼリーは悪くない。
作った人間の舌が、悪いのだ。
これをおいしいと思ってる人が悪い。ゼリーは悪くない。
たらみのゼリーには、絶妙だ。
ツルンとしたのどごしも、スプーンをさした時の弾力も完ぺき。
ジューシーな果物がたくさん入っていて、人工的な味もしなければ、不自然な鮮やかさもない。
蓋も開けやすい。
それでいて、100円とか150円とかで買える、良心的値段。
これぞ、ゼリー界のトップを走る堂々たる所以。
トップかどうかは、私が10年前に決めた。
そしてみかんゼリーが一番なのは、一番ベーシックで一番おいしいから。
解ってる。
個人の好みすぎるっていうことは。
それでも、あれほどに絶妙に完ぺきにバランスのとれた、完璧で素朴で優しいゼリーって他にある?
あるなら教えてほしい。
なかなか、見つからないと思うぞ。
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