中学の頃、包丁男に軟禁されてトラウマを持った僕が大学で全国模試1位を取るまでの軌跡④
ある女子生徒とのトラブルが引き金となり、このA氏と出会うことになった。
A氏はとても気さくで話やすく、相談にも乗ってくれていた。
本当に頼れる兄貴みたいな存在だった。
存在だった。
存在のはず、、、だった。。
そんなA氏が、今鬼の形相で僕を掴み、岩のごとく動かない。
15歳の僕にその状況を受け入れるだけの経験も知識も、そして器量もあるわけがなかった。
その僕の心境を全て見透かし、もて遊ぶかのごとく、A氏はこう言った。
発言は思考レベルで想定の範囲内だった。
でも、精神とか脊髄レベルでは想定の範囲外だった。
人間は、八方塞がりになると本当に頭が真っ白になる。
この時、本当にそれは学び感じたのを覚えている。
そして、女が電話に手を掛ける。
女が「本当に掛けちゃうよ?」とA氏に問う。
そのやりとりの結果は、僕にとって死活問題であることは間違いない。
僕は必死になって抵抗した。
A氏も抵抗する僕を羽交い絞めにしたり、投げ飛ばしながら押さえつける。
一瞬、A氏と僕の間に距離ができた。
その瞬間、渾身の力でA氏を突き放した。
そして、間髪いれずに土下座をした。
額を擦って、擦って土下座をした。
意味なんて考えない。
脊髄レベルでそう判断したのだと思う。
たぶん、一生分の謝罪をしたんじゃないだろうか。
僕が謝罪する意味はわからない。
わからないけど、それしか方法がなかった。
そんな心理状態だった。
その後もとにかく泣き散らしながら、誤り続けた。
テレビから虚しく聞こえる、再放送のアニメのオープニングとエンディングを
土下座をし続けながら聞いた。
だからたぶん30分以上、土下座し続けたんだと思う。
A氏や女が喋ろうとしても、僕は喋らせない。
そのくらいの勢い、間隔で、誤り続けたのは覚えている。
しかし、
この後、僕の精一杯の態度を踏みにじるかのような出来事が起こる。
僕は土下座をしていて周りが見えていなかったが、
と、無情にも女が警察に電話をかけ始めたのである。
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