僕が大人になるまで【第2話 パーティー結成】

著者: 遠藤 崇央


次の日、専門学校の入学式。

ここでの目的は2つ。

「仲間」「車」だ。


朝、しっかりと準備をし学校へ向かう。

12分に1度しか来ない電車。

都会慣れした僕には馴染みづらい田舎の通勤方法を使い学校へ向かった。



ここであることに気付いた。

学校の始まる時間より1時間ほど遅れている!


今までのクセで、時間通りに朝礼に出ると言うことを忘れていた。

地元ではないためアウェー感は否めない。そして、しょっぱなから遅刻。

神様はここでも僕に試練を与えてくる。


学校に着き、猛ダッシュで教室に入っていた。全員こっちを見てくる。

(なんだあいつ?)(何しに来たんだ?)

目線の中にそんな言葉を感じ取った様な気がした。

とりあえず、少し強気に片っ端から見返してみる。

・・・・・・

ほとんどが目を逸らしていく。

「当然だ。料理の専門学校に悪いやつなんて来るわけない!」

少し強気にズカズカと教室に入っていく。


そんな中、一人だけ目を逸らさない奴がいた。いかにも、田舎のヤンキーって感じ。

ガタイがよく、見た感じかなり強そう。


「お前、なんで料理の専門来たんだよ!絶対、大学メンドイからパターンの奴じゃん!」


奴はまだ見ている。

僕はしょうがないから目を逸らしてあげた。


担任に促されて席に着いた。

見渡した限り、カワイイ女の子は・・・・いない。

とても残念だ。久々の共学なのに。(高校は男子校でした)


糞つまらんホームルームが終わり休み時間。

僕は屋上に向かった。喫煙所があるからだ。

※この話はフィクションだと思います 笑


屋上には、1つ上の変な奴等が6人程はっちゃけている。

そんなバカを横目にタバコを吸っていると奴が来た。


近くで見ると、身長はデカくないが、やはりかなりゴツい。


僕はふと思った。

「こーゆー奴ってだいたい地元でナンパとかしてるグループにいるよな。強そうだし仲良くなっておけば得しかなくね?」


思い切って話しかけた。


「地元なん?」

「そう」

「浜松おもろい?」

「まぁまぁ」

「車持ってる?」

「おう」


やったー!こいつで条件クリアじゃん!

ルックスでは俺の方が勝ってるし、

気合い入ってそうだし、ナンパしてくれそうだし

マジ仲良くなろ!


そんなこと思っていたら質問が来た。


「どっから来たん?」

「東京」

「マジで!?なんで浜松来たんよ?」


東京という一言でテンション上がりやがった!チャンス!


「なんとなく。」

「ってか、なんでそんな黒い?日サロだら?」

「だらって何だよ」

「浜松の方言だら」

「だから だら って何だよ」

「は?気にすんな。」


調子に乗ったら、少しすごまれてビビってしまった。


「とりあえず、遊びいこうぜ!」

「じゃあ車出すけ、ウチ行くら」

「らって何だよ」


こうして心強い仲間と車を手に入れ、

遠州弁「じゃん・だら・りん」をマスターした。


こいつの名前は「ヒロ」

ヒロのお母さんにあいさつするまでお互いの名前を知らなかった。。。


この屋上の喫煙室の出会いで、浜松の生活が一変するなんて

この時はまだ知る由もなかった。

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