「置口空助の発達障害克服論」10年で概ね克服した話⑧D事業所退職後(平成25年9月から平成26年2月)

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いろんな作業する机、結構無駄な書類とかありませんか?基本的に机の上はペーパーフリーが望ましいと思います。ただ現実問題として現在作業中の仕事でどうしても紙を使わざるをえないことがあると思います。

そういう場合は置き方に工夫をします。縦置きで管理するのです。絶対横置きはだめです。あくまで視覚的に判りやすく、が基本です。横置きはやっぱり見づらいですよ。書類ですが、100円ショップで購入した縦置きファイルボックスに色分け現在4種類です。

当然ファイルにもタグ付けもします。締め切りが決まっているものは手前側に置いてください。

赤色ファイルボックス  締切日が決まっていて重要度が高いもの

黒色ファイルボックス  締切日が決まっていて重要度が低いもの

青色ファイルボックス  締切日が決まっていなくて重要度が高いもの

緑色ファイルボックス  締切日が決まっていなくて重要度が低いもの


<文房具系>

文房具についても必要なものだけおきます。とりやすい配置にして、基本的に文房具類も縦置きですね。配置は固定です。そのためには文房具入れに、それぞれインデックスシールやテプラで必ずタグをつけます。タグは重要ですよ。基本的に記憶はあやふやなもので、毎日使っていても「あれ、これどこだっけ」と思うこともありますから。ものを考える時間さえ無意味ですね。




部屋の整理整頓

     


次に衣類関係の整理です。基本的にクローゼットで吊るして管理しています。視覚的に判りやすく、を心がけます。箪笥は下着だけですね。さて、タグをつけます。ハンガーに例えば、ズボン類、アウターとかテプラで作ったシールを貼るのです。こうすることで「この服はどこにしまうのだっけ?」といった無駄に探すことや考える時間がなくなります。私は服をハンガーにかけることすら非常に困難な人間でした。どこにかければいいか混乱するのです。ただ、ちょっとの工夫で劇的に改善しました。


CD DVD等も外付けハードディスクでの管理が基本です。現物は破棄かどうしてもとって起きたい場合はダンボールにいれて押入れにしまいます。わざわざ目に付く所に置く必要はないですねここまですると見違えるように部屋が綺麗になっていると思います。精神衛生にも非常にいいですね。




「タスク」についての基本的な考え方

     


「タスク」平たく言えばする事ですね。「なんだ、そんなことか」といわれる方もいるかもしれませんが、これは徹底して行えば、たぶん人生が変わるのではないかと思います。行うべきことが明確にわかるし、予定にいかなければ、なぜ駄目だったかという振り返りもできます。人によっては壁にかけているカレンダーやスケジュール帳でこなしている人も多いかもしれません。

なかなか、手順が混乱してしまうということはありますよね。私もそうでした。何をしていいか分からない。これを解決する方法があります。私はタスク管理にクラウドサービスを使っています。これによりパソコンとスマートフォンで効率的にいつでもアクセスできるのです。そして「タスク」2つに分けて考えています。

<タスクの管理>

nozbeというクラウドサービスを使っています

基本的に、「プロジェクト」と言う考え方をします。完了までに2日以上かかるもので、タスクが複数あるものです。

たとえば1ヶ月後の納期に間に合わせなくてはいけない仕事があるとします。このためには様々なアクションが必要となります。例えば、田中さんにこの書類の作成を頼まなくてはいけない。部下の木下君に指示を出さなくてもいけない。これらがタスクとなります。1つのプロジェクトの中にたくさんタスクが必要になる。状況によっては練り直してタスクの変更を起こしなくてはいけない。こういうことのタスクの管理です。

<タスクの実行>

toodledoと言うクラウドサービスを使っています。

「プロジェクト」で管理している今日行うタスクと、「プロジェクト」以外の今日行うタスクを実行するためのツールです。Nozbeを使ったタスクの管理とは別の発想のものです。

基本的に今日行うタスクを表示させるのです。それを順番にこなしていく。そういう使い方をします。非常に高機能なツールなのです。今日のタスクの表示だけでも、さまざまな方法があります。設定も必要になりますが、たとえば2時間毎に分けることや、場所やその仕事に関わる人とかちょっとしたタグで表示することもできます。


<ルーティンワーク>

ルーティンワークということの重要性を感じて仕事をしてきました。特に施設の介護職員の業務9割以上はルーティンワークの仕事です。このルーティンワークということを結構おろそかにしていると人って多いですよ。例えば、毎月の10日やること、3ケ月の毎の第二火曜日にやること、とかを自分の業務の中だけでも明確に把握している人は少なかったです。

このルーティンワークの管理はtoodledoで行います(基本は「タスクの実行」ですが)。

こちらはリピート機能が充実しているので、ほぼありとあらゆる設定ができます。一般の勤め人のかたであれば充分だと思います。これによりルーティンワークのタスクを覚える必要性がなくなる訳です。Toodledoを見ればいいです。そして様々な表示法が出来ますから。この時間にやることは何かとか、この場所でやることは何だろうといった把握ができるのです。そして重要な仕事だから、ルーティンワークになっているのです。Toodledoを使うことで視覚的に把握が出来ますので、まずルーティンワークをこなした後で行うしごとも容易に組み立てることが可能になります。




知識・技能「クラウドワークス」

     


道具や仕組みを構築することで自分の出来ることを少しずつ広げていました。ですがやはり苦手なこと・出来ないことはやはりあります。無理なものは無理ですから。私は自分の能力に過度の期待はしていません。であるならば自分の苦手な分野をどうするか。1つの答えがクラウドソーシングを利用するということです。

クラウドワークスというサービスがあります。インターネットの職業のマッチングサイトですね。もちろん依頼することも探すこともできます。内容は多岐にわたります。

‎Wikipediaより

クラウドワークス(Crowdworks)は、株式会社クラウドワークスが運営するエンジニア・クリエイターのクラウドソーシングサイト。2011年に会社が設立され、2012年3月にクローズドβ版のサービスを開始した。クラウドワークスは、エンジニアやウェブデザイナーに特化したクラウドソーシングサービスで、非対面のまま仕事のマッチングから業務の遂行、報酬の支払いまでを一括で行うことができる。サービスの特徴は、時間単位で仕事の受発注ができる「時給制」と、プロジェクト単位で受発注できる「固定報酬制」の2つの方式を採用していること。また、利用に関する手数料は仕事をした報酬額に応じて受注者が負担する仕組みとなっており、発注する側は有料オプションを除き無料で利用ができる。


仕事を探すことも依頼することも、日本全国が市場になる訳です。強烈な競争原理が働くし価格破壊も起きていますね。リアルでならば価格が高くてなかなか外注できない案件も依頼できるのです。斎藤一人さんのCDの文字お越しは、早い段階に一人で行うのは無理だと判断していたのですが、なかなか外注できなかったです。値段が高くて無理だったのですが、クラウドワークスによって可能になりました。わたしで限っていえば、1/3の値段ですみました。まちがいなく外注の敷居は低くなりましたね。すごい時代だね(笑)。

知識・技能「活かそう!発達障害脳」

               


著者は長沼睦雄さんという方です、北海道音更町北海道緑ヶ丘病院勤務。

発達障害の治療の現場に立つ医師と出版社の方の対談形式の本です。脳科学の見地から発達障害について語られているのです。

まず長沼先生の発達障害の考え方は高次脳機能障害であるとのこと。

緑字引用

物理的な損傷という意味ではなく、脳へのダメージをお腹の中の成長過程で受け、その後の脳・心・身体の発達が何かしら阻害されたことで脳の発達アンバランスが生まれたというのが僕の持っている発達障がい観です。高次脳機能障がいというと昔は脳の皮質の問題だと思われていました。すなわち、影響を受けるのは認知だけだと思われていました。けれどもそうじゃないことがわかってきました。注意力も社会性も、記憶の仕方も情緒も混乱するし、おまけに身体までも不器用になったりします。


治療方針は「いいところを活かす」ということです。でこれを聞いた出版社の方とのやりとりが非常に面白いです

緑字引用

う〜ん、「いいところを活かしましょう」ってよく特別支援教育に熱心な先生とかおっしゃいますが、それがイコール「苦手なことはやらなくていい」というスローガンっぽく感じてしまって、すんなりとは賛同できないところがあるんです、正直言って。だって、苦手なことを完全にやらなくていい人生はないと思うし


実を言うと私も同じこと考えました。私の対応策は仕事をする上で自分に弱点であるものをいかに克服するかというスタンスでしたので。ただ本を読んでいくとその考え方がよくわかりました脳に凹凸があり。引っ込んでいるところがあるのであれば、比較的優秀なところがある。そこを活すこことで成長を促すということのようです。発達障害でも脳は成長することを確信している。ものすごく勇気を得られます。現状がどうであれ、変えることは可能なのです。


全編通して、脳についての情報があります。人間の行動や、精神・感情について脳科学の知見にたって解説されていくのです。圧倒的な説得力ですよ。それと情報量がすごいです。発達障害について知識を深めたい方であれば、必ず知りたいことが解消されます。少なくともヒントはあります。




11月上旬探し求めていたもののヒントがみつかる


           


「活かそう!発達障害脳」P110

「発達障害の子の場合、情報処理の仕方に偏りがあるかもしれないので、それを見つけてあげて、得意な情報処理の仕方を伸ばせば弱い部分を補うことができるんです。それが治療なんです」

この部分ですね。これまで私の弱点を色々書いてきましたか

私の一番の問題点は「思考空白」にあると思っていました。ものを考えることもできない。ただ何か指示を与えられればそれに沿ってもの考えることができるのですが、それ以外では非常に難しいですね。これは何が原因というと、「認識できないことで外部の状況にアクセスできないこと」が原因だと思っていました。言うなれば窓のない部屋に閉じ込められている感じです。そのため、うまく物が考えられないことや、外部の状況に対応した思考を動かすことができないのではないか、と考えていました。


認識できない=外部との情報処理の仕方に問題があるではないかという事を考えていました。でも、どうすればいいかわからない。この状態が何十年も続いていましたが、この文章を読んで何がきっかけになるかもわからないそう感じたのでした。長沼先生に会いに行く事を決意しました。そして認識ができれば思考ができるかもしれない。そうすれば私の現状も変えること出来る。




26年1月下旬長沼医師1回目


         


北海道音更町の緑ヶ丘病院へいきました。結論から言うと、私の疑問「得意な情報処理の仕方」は解消されませんでした。そこまでの時間がなかったですね。聞くことが出来なかったです。診察の前に問診票への記入があるのですが、非常に多岐に渡っており、ここまで多角的にチェックをするのだと驚きました。そして、その後長時間にわたって非常に丁寧に説明をしてくださいました。かえって非常に申し訳ない気持ちです。


症状を緩和するためのいろいろな方法、代替療法も含めて非常に丁寧に説明して頂きました。

発達障害の治療ということがここまで進んでいるのかと驚きました。そしてさまざまなアプローチをしているのがよくわかりました。1つに自己啓発の分野では有名な「7つの習慣」という本があり、成功哲学、人生哲学、自助努力といった人間の生活を広く取り扱っているものです。その本を医師からまさか勧められるとは思わなかったです。医療的な治療といえば、まず服薬を考えると思っていましたから。ひとくちに発達障害と言っても、いろんなタイプの方がいて、それらに対処しようとするなら、それ相応の用意が必要なのだと思いました。


そして長沼医師についてです。明らかに私の持っている通常の医療の方のイメージとは違いました。説明の中で、「超感覚」と言われていますが、いわゆる超能力的なものが発達障害の感覚の中にあると思っていると感じました。そしてその「超感覚」を当事者が生きていく上でプラスと捉えて活かすという発想も持っている方でした。


余計なお世話ですが、正直周囲の医師や病院の理解を得られているのかと心配になるほどでした。大学の組織の中、病院という組織の中で患者さん本位の考え方をして、そのことを優先して準備をされている方がいるのだと、愕然としましたね。私は10年前に診断を受けたときとは違う。確実に進化している。確かに長沼医師のようなアプローチをする方は全国的に見て、多分少数派でしょう。それでも日本の医療の裾野の広がりに感動を覚えましたね。


そして、アスペルガーが社会で生きていくとどのようなことが起こるか。そういうことも説明していただきました。そういうところから、特徴の理解を促されているような印象です。そして私の特徴についても丁寧に話されています。以下の緑字は「活かそう発達障害脳」と長沼医師から頂いた資料からの引用です。


<マインズアイ>

イメージしたものを視覚化したり多角視したり操作できる能力です。実在するものを肉眼の目で見るのは一ボトムアップ信号」と呼ばれ、眼←後頭葉←イメージの内部表現の場所である側頭葉連合野←さらに海馬や前頭葉、という順番で情報が流れます。一方、イメージを創って見ることは「トップダウン信号」と呼ばれ、海馬や前頭葉‐←側頭葉連合野へと情報を逆に送り返します。

マインズ・アイというのは簡単にいえば、「目の前にないものが想像すれば見える」、「自分の頭の中のイメージが見える」っていうことなんです。僕は診療でよく使っているんですけど、見えている人には「え、みんなは見えないんですか?」と驚かれることがあります。そして、マインズ・アイがあるかないかでその人のある性質がわかってきます。

マインズ・アイで見るイメージは自分の中にあるイメージの内部表現を取りだしたものであり、目の前に肉眼で見えているのを取り入れたイメージではないんですね。そして、それだけではないことに気がつきました。自由に空間を移動でき、あらゆる視点を持てる不思議な目を持っている人もいるんです。例えば、目の前にあるガラス瓶の中に入って今いる部屋を見渡すこともできたりする人もいます。あるいは、頭上高く上がって自分を見下ろしてみることができたり。言い換えると、他者の視点になりきれる人、多次元的にものを見られる人たちなんです。どこにでも視点を持っていけて、しかも、ありありと思い描けるんです。だから周囲の事象を理解するにも、それを活かせばいいんですね。


<非言語性障害(NLD、non-verbal learning disorders)>

・一般的特徴 

動作性IQが言語性IQより有意に低い

早期の会話や語彙発達

顕著な機械的記憶能力

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