デブ、アラフォー、引きこもりで友人0人だったボクが、ガンガンに女を口説けるようになって、友達もできて、本を出版、ラジオ生出演までできた話(2)

「友人ゼロ、在宅の仕事で出会いゼロ、デブ、不安定な職種、30代……」

誰とも会話することなく、ゲームと仕事だけの日々。

孤独に耐え切れなくて胸が苦しくなり、「このままだと一生独りかもしれない。どうにかしないと!」と焦燥感を覚えるも、どうすることもできず、ついには「死」という文字が頭を過ぎりはじめました。

そこから、なんとか抜け出そうと、「mixiのオフ会」に参加してみようと思ったのですが、当時、オフ会といえば「怪しいもの」と思っていましたし、30代という年齢。

躊躇していたのですが、背に腹は変えられませんでした。

というわけで、オフ会の当日。


ボクは最寄り駅から1つ離れた駅にある居酒屋の前に立ちすくんでいました。

目の前にあるのは、ひょっとして孤独で悲惨で惨めな人生から抜け出すキッカケになるかもしれないオフ会の会場。

期待はしていたのですが、オフ会への偏見、これから未知の場所にたった独りで切り込んでいかなければならない不安や怖れ、それに何よりずっと人と会話していなかっため、うまく話せるかどうかの不安が、ボクの心や体まで縛りつけていて、一歩も踏み出せなかったのです。


でも、いつまでもこのようにしているわけにもいかない……。


自分で自分を鼓舞するように「ここまで来たんだから……」と何度もつぶやき、息を整え、震える足をゆっくり前に運びました。


口の中はカラカラに乾ききり、鼓動の振動が全身をかけめぐり、一歩足を進めるごとに、周りの空気が薄くなっていくかのように息苦しくなっていく――。


正面を向いていられず、うつむき加減でゆっくりと前に進んでいたのですが、ドアの近くまで来たとき、ふたたび、立ち止まってしまいました。


やはり、参加するのをやめよう……。

こんなことまでしたくない……。


背を向けようとした刹那、脳裏に、あの凍りつき、真っ暗な家が思い浮かびました。


今、家に帰ると、また灰色で冷え切った生活がはじまる――。


これ以上、孤独な生活は嫌だ、という気持ちが背中を押したのでしょう。

体が独りでに前に進み、ついには扉が開く音が耳に入るとともに、暖かい店内の空気が、冷え切ったボクの体を温めていきました。

ふと顔をあげると、そこには安っぽい居酒屋の風景が広がっていました。


居酒屋か……。こうやって居酒屋に来るのって、何年ぶりだっけ……。


ボクの脳裏には、若かりしころ飲み会をしていたときの記憶――こんな孤独になるとは夢にも思ってみなかったときの記憶が蘇り、ほんの少しだけ緊張が緩和したように思えました。

遠慮がちに店内に入ると、店内は閑散としているのに奥の別部屋らしきところからは居酒屋らしい音がしていました。


すぐにわかりました。

そこがオフ会の会場であることが。


ようやく店員がボクに気がつき近づいてきたので、「Aで予約していると思うのですが……」とぼそぼそと告げると、店員は、「あの」一角を指差しました。


やはり、あそこが、そうなのか……。


ボクは別部屋に向けて、ゆっくり歩いていきました。

次第に聞こえてくる音が大きくなり、それとともにボクの心臓も張り裂けんばかりになりはじめます。

そのとき、ふたたび、不安、緊張などの負の感情が急激に育ち、ついには孤独から抜け出せるかもしれないという期待を凌駕したのです。


絶対、うまく話せない。

やはり来るんじゃなかった……。

帰りたい……。


いや、帰る!!!


引き返そうとしたそのとき、小部屋の中が見えました。

固唾を呑んで、さらに近寄り、部屋の中を見渡しました。


長いテーブルが二つあり、入口近くの一角を除き、すでに人で埋め尽くされていました。

ほとんどが男性。

年齢は二十代から三十代で、中には明らかに四十過ぎだとわかる人もいました。

服装や髪形は、いわゆる「アキバ系」。

しかし、中にはオシャレなイケメンもいましたし、数名に1人の割合で20代らしき女性もいました。


「こんなところに、イケメンや若い子がどうして……」


すこし疑問を持ったちょうどそのとき、女性のハキハキとした声が聞こえました。


「オフ会の参加者ですか?」


驚くとともに声がしたほうを向くと、小太りで、しかし20代らしき、気っ風のいい姉御タイプの女性がいました。


「あ、は……。はい……」


力なく答えると、女性は笑みを浮かべながら「mixiネームは?」と店内に響くほどの声で話しかけてきました。


このとき、ボクの顔は、きっと、みるみる赤くなっていったに違いありません。

だって、当時のボクは、オフ会といえば根暗の人たちが集うところだと思っていましたし、引きこもりにありがちな「自意識過剰」気味だったので、「店員に『あ、コイツも、オタクなんだ』と思われると恥ずかしいじゃないか! 空気を読めない女め!」なんて思っていましたから。

ユニクロのぼろぼろの服に、手入れしていない髪。パンパンに膨れ上がった顔や体型。

居酒屋の店員からみれば、ボクもその集団に完全に溶け込んでいると思うに違いないにもかかわらず……。


「あの? mixiネームは?」


女性はふたたび通る声で話しかけてきました。

ボクが、せかすような女性の眼差しに負けて「syosyo……です」とつぶやくようにいうと、女性は軽く微笑んで「このペンでシールにmixiネームを書いて、空いているところに座ってください。あ、あと男性4500円ね」といいながら、シールを手渡してきました。


シール?

ここにmixiネームを書くの?


ふと小学校低学年のときのクリスマス会を思い出しました。


クリスマス会のときもシールに名前を書いて服に、はり付けたよな。小学生かよ……。

恥ずかしいって思わないのかよ……。


そうは思ったのですが、ここは未知の領域。

そこでは誰しも流れに抗うことはできないと思いますし、ボクも例外ではありませんでした。

お金を渡し、言われるがまま、シールにmixiネームを書いて胸に貼りつけました。

満足そうな女性をよそに、空いている席に座ろうと、あたりを見回しました。


空いている席といえば、長いテーブルの一番入口に近いところ。

正面、右側(右隣、右斜め前)には人がいない孤独な席に腰かけました。


ここでも孤独なのか……。


しかし、久しぶりに味わう喧噪とした空間にすこし安堵している自分を感じていました。

座ってすぐに周りを改めて見まわしました。


ずっーーーと左ななめ前、ボクからもっとも遠いところに若い女性がいました。

地味だけど、こぎれいにしていて、「ふつう」の感じ。

2つ左の席には、あのオシャレなイケメンがいました。


「なんで、ここにいるんだ?」


まるでオーパーツの2人。答えのない疑問の解答を探していると、左ななめ前から声がかかりました。

見ると、40代以上で、髪形はぼさぼさ、よれよれの服に無精ひげの「如何にもアキバ系」の男性がいました。


「何さん?」


かなり久しぶりに話しかけられたので、どういう意味かわからず、答えられないでいると、男はボクの胸元を見て「syosyoさんっていうんだね」といい、ボクの胸元から目線を外して、男の前の席の人と話し始めてしまいました。


あ……。せっかく、人と話すチャンスだったのに……。

でも、何を話していいのかわからないし、下手なことを話して嫌われてもイヤだし、これでよかったんだよな……。


店員がビールジョッキを持ってきたので、近くにあるピッチャーを手繰り寄せ、ビールを飲みながら、隣の男性たちの話に聞き耳を立てていました。


mixiネームで呼び合い、「この料理はまずい」とか何気ない会話……。


それでも話に加わりたくて、「どこに住んでいるんですか?」「何をしているんですか?」など、いろいろなセリフを考えては、「話し込んでいるのに、ボクがいきなり『どこに住んでいるんですか?』って聞いたら困るだろうな。相手にしてくれないだろうな」などとマイナスに考えてしまい、話しかけられずにいました。


しかし、ここはテレビではない、リアルな世界。

静寂に包まれた砂のような日々から、一気に喧噪とした懐かしい世界に飛び込んだのです。

ボクは、この場にいるだけで、すこし満たされたような気がしました。


それから、おそらく30分くらいは、まわりを眺めていたのではないでしょうか。

ボクからもっとも遠い席、左端の女性の前にいた男性が席を立ったのが見えました。トイレのようでした。


そのとき、驚くべきことが起きたのです!


なんと、イケメンが突然、目の前にいる男性との会話を打ち切り、女性の前の席に移動したのです。

ボクの目から、いや、誰の目から見ても明らかに「狙っている」とわかる行動。


「どこまで露骨なんだよ? でも、イケメンが狙うような女性じゃないよな? B線?(=ブサイクな人を恋愛対象にする人たちのこと)」


ボクの頭のなかは疑問符だらけでした。

しかし、今のボクならわかります。

それは、きっと「狩り」に違いないと。


常に空腹で、底なしの食欲がある肉食獣がいたとします。

その肉食獣は、むろん「美味しい獲物」を食べたいでしょうが、常に空腹のため、「すぐに狩れそうな獲物」を狙うと想像できるのではないでしょうか。

いや、正確には「目の前にいる獲物」のうち、「すぐに狩れそう」「狩るのは難しいかもしれないけど美味しい」の両方を天秤にかけて、狩る獲物を選ぶことでしょう。


そうです。

イケメンは「常に空腹で底なしの食欲がある肉食獣」さながらの「狩人」で「すぐに狩れそうな獲物」を狙っていたのです。

もちろん、継続した関係ではなく、たった一夜だけの肉体関係を狙って――。


今のボクは、そういう男性たちを幾人ともなく見てきましたし、事情は知っているのですが、当時のボクは当然そのようなことは知りません。

だから、イケメンをウォッチするのはやめて、ビールを飲みながらまわりの様子を眺めていました。


すると、しばらくしてから、突然、ボクの目の前に「人」が座ったのです!

驚いて前を向くと、シールを渡してくれた幹事の女性がいました。


なぜ、ボクの前に座ったの???


今から考えると「単なる小太りの地味な女性」なのですが、そのとき、ボクの心臓は急激に脈動しはじめました。

そんなボクの心のうちをよそに、女性は意外なことをし始めたのです。


<次回へ続く>

※この話は「実話」に基づいています。


この話を読んでわかるように、ボクは女性から、まるで毛虫を見るときのような目で見られるようなレベルの男でした。

そこから、華々しい人脈を築き、ガンガンに女性を口説けるようになったわけですが、ご想像のとおり、この話からガンガンに口説けるようになるまで、話はかなり続きます。


かいつまんでストーリーを知りたい場合は『「なんでアイツが?」なぜかモテる男の技術』(水瀬翔、総合科学出版)を読んでみてください。

華々しい人脈を築いて、ガンガンに女性を口説けるようになったまでのストーリーと、「出会える場所」「異性を口説くためのテクニック」などを、余すことなく書いていますから。


あと、会話術に絞って『アラフォーでも簡単にモテる会話術のすべて 』(水瀬翔、主婦の友社)という本も出しています。この本、「アラフォー」となっていますが、これは出版上の都合です。だから、老若男女すべてに役立つと思います。


by 水瀬翔

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