デブ、アラフォー、引きこもりで友人0人だったボクが、ガンガンに女を口説けるようになって、友達もできて、本を出版、ラジオ生出演までできた話(1)
ボクには友達がいませんでした。
また、在宅で仕事をしていたので、仕事で人と会話することもありませんでした。
だから、毎日、仕事しては、ゲームしての繰り返し。
仕事に疲れたら、テレビをつけてドラクエのレベルを99まで上げたり、FFをクリアーしたあと、セーブデータを消去して最初からやりなおしたりしていたのです。
息が詰まって耐えられなくなることもありました。
しかし、そのようなときは都内に出て、カフェで街を行き交う人々を眺めたり、隣に座る人々の会話を聞いたりしていました。
街の雑踏、見知らぬ人々の会話が聞こえるくるだけで、すこしは心が落ち着くように感じたのです。
しかし、それも家に帰るまで。
帰宅すると、真っ暗で凍えるような寒い部屋が待ちかまえていて、孤独だという事実をつきつけられたのです。
胸が締め付けられ、まわりから空気がなくなったかのように息苦しい――。
そういうときは決まってテレビをつけるのですが、すぐに無性に寂しくなります。
だから、はじめはアルコール度数が弱い酒を飲んで気を紛らわせていたのですが、すぐに酒の量は増えていき、棚にある強い酒にまで口をつけるようになってしまい、ついには酒を手放せなくなってしまいました。
それからというもの、仕事して疲れたら、アルコール度数が強い酒をあびるように飲んで、ゲームりたり、テレビ番組を観たり。
テレビに映っている楽しそうな芸能人に大声でつっこんだり、独りごとを言いながらまた酒をあおるように飲んだりして、そのまま泥酔してそのまま眠っていました。
まるでモノクロ写真のような生活で、生きている実感さえありませんでした。
しかし、このような日常でも、日は昇りまた沈みます。
漫然と日々を送っていたのですが、あるとき、ふと思いました。
数ヶ月、誰とも会話しなかったのではないか、と。
これからもずっと孤独で無機質な生活が続くのではないか、孤独死するのではないか、と。
その一方で、それを認めたくない自分もいました。
自分が置かれた状況を、ありのまま受け入れると、自我が崩壊してしまうので、認めたくなかったのかもしれません。
だから、仕事を中断して、一人でぶらりと旅行にいって「一人だと、他人に気を遣わなくていいから気楽でいいな」などと、寂しさに慣れたフリをしていたのです。
しかし、すぐに、そのように強がることもできなくなりました。
日に日に孤独に対する不安、恐れが増大していき、「このままではいけない。どうにかしないと!」と、焦燥感を覚えるようになったのです。
焦燥感は日増しに大きくなり、突然、夜中に目が覚めることもありました。
一度目が覚めると、もう眠ることはできません。テレビをつけて酒を手にとって、浴びるように飲みました。そして、明るくなるころに、ようやく少しは眠ることができました。
しかし、目が覚めても、同じ生活の繰り返し――。
そして、そんなある日、呆然と椅子に座っていたとき、突然、涙が流れ落ちました。
「なんで泣いているんだ?」
流れ落ちる涙を手で拭いながら、自問自答しましたが、その答えはすぐにわかりました。
それは、「願い」がかなわないから。
このときのボクの願い。――。
誰かと話したい。
誰かとどこかに遊びにいきたい。
恋人をつくって、愛し合いたい。
平凡で、些細な願い。
しかし、当時のボクは、次のように最悪の条件で、そのような願いさえも叶うはずもありませんでした……。
・三十代
・在宅の仕事、友達ゼロ人で出会いがない
・体脂肪率三十パーセント超のデブ
・赤面症、多汗症、あがり症
・家に引きこもっている
・女性が嫌う、不安定な職業
「この先、どうしよう……」と不安になり、「どうにかしないと」と焦ったところで、どうしようもありません。
また涙を流しても、なにも砂のような日々が変わることはありませんでした。
ついには「自殺」という二文字が頭をよぎりました。
当時のボクには、これしか、この苦しみ、悲しみ、孤独、すべてから逃れるための手段が思いつかなかったのです。
でも、死ぬのは怖かった。
なんとか楽に死ねる方法はないのかと思い、「練炭自殺」「飛び降り自殺」……。いろいろ検索しました。
人は「死ぬ気になれば何でもできる。自殺まで考えたのなら、なぜ行動しない?」といいますが、本気で死にたいと思えば、心は死にとらわれてしまいます。
「楽に死ねる方法は?」
当時のボクは、それしか頭にありませんでした。
しかし、そういうボクにも転機が訪れたのです。
ふとしたキッカケで、mixiのオフ会に参加すれば出会いがあることを知ったのです。
このまま人生が終わるのは怖いという気持ち、焦燥感、孤独、誰かと話したい気持ち、ひょっとして……というほんのわずかな期待――さまざまな気持ちがごちゃまぜになって、ボクの背中を押しました。
ボクはオフ会に参加してみることにしたのです。
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