〜出逢い前夜〜僕がひとりの女性と出逢い、それまでのドン底から、経営者になって代官山に住むまでの話。

3 / 4 ページ

この関係に、感謝の心が芽生えることはほぼ皆無だった。

しょっちゅう、喧嘩をしていた。でも、僕は、ここすら逃げ出さすことが出来なかった。


だから、

僕は、決心した。


もう一度、就職をしよう!と。


大手転職会社に登録をして、過去の職歴を伝えた。すると、よっぽど、僕の前職の上場企業のネームバリューがあるせいか、転職エージェントの人に言われた。


転職会社の人
只石さんの前職の会社なら、間違いなく、転職は可能ですね。ただ、、、年収はかなり落ちますが、大丈夫ですか?
もちろんです!年収は気にしません。とにかく、就職したいのです!!
転職会社の人
わかりました。動いてみますよう。ところで、、、前職を辞めてから2年以上、ブランクがありますが、何をやってましたか?
・・・・
転職会社の人
答えられないのはどうしてですか?
それ、答えないとダメですか?
転職会社の人
はい、とくに、大手企業は、退職後のブランクは、すごく悪い印象で、マイナス評価になってしまいますので、きちんと、その期間にやっていたことを伝えたほうが良いかと。
・・・・、えーと、、、、サービス業をしてました。

完全に、、、ごまかした。

こんなところでごまかすくらいなら、

ホストなど、しなければいいのに、僕は、瞬時に、ごまかすことで逃げた。


しかし、僕のこの自信の無さが伝わったのか、転職エージェント君が、本気で動いてくれてないのは、いやというほど伝わってきて、僕は、この時ほど、上場企業を辞めて、ホストをやるという、自分の愚かさを、呪い殺したくなったことはなかった。


結局、、、70社に、履歴書と職務経歴書を送って、反応があったのが、、、1社のみ。


僕は、結果的に、その1社に、無理やり入社しました。

今で言えば、ブラック企業というやつだったかもしれませんが、とにかく、背に腹は変えられません。


仕事内容は、IT企業として、サーバ管理業務やWEB制作を売っていて、

完全に、飛び込みセールスで、受注するというスタイルでした。

僕は、元上場企業の営業マンとして、華々しく入社しました。ちなみに、その会社創業以来、大卒の新入社員は僕が初めてと言ってました。


初日から、100件の飛び込み営業。

僕は、半日で飽きました。

飽きたというのはまだ、良い表現で、ぶっちゃけ、怖かったのです。

それは、飛び込み営業において、受付のブロックを超えて担当者につないでもらえるのは、目標とすべきことなんですが、僕は、せっかく、数十件に1人の割合で、担当者がせっかく出てきても、、、


サーバとか、

WEB制作とか、

ドメインとか、、、何もわからないまま、飛び込んでいるので、会話にならないのです。


今考えたら、もっと勉強してから動くか、動きながら、スキマ時間で勉強すべきでしたが、

また、僕の悪い癖が出てきてしまったのです。


ただ、ひたすら耐える。


毎日、100件以上に飛び込み、せっかく、引っ張りだした担当者や、ベンチャー企業の社長たちに会えても、あたふたするだけ。


日に日に、周りの社員たちの僕の見る目が変わってきたのは、言うまでもありません。


辞めたい、

辞めたい、

辞めたい、、、、


朝礼で吊るしあげられて、夕礼には帰らせてもらえず、

深夜近くに、半べそかきながら、上司に電話。すると、上司は、たった一言・・・


「今日は、満足するまで、営業できたか?」


そんなの答えられるわけないです、、、



結局、3ヶ月の試用期間で試合終了。


人生で初めて、精神がぶっ壊れそうでした。

朝、電車に乗ると、急に頭痛がしたり、吐き気がしたり。

会社のドアが重く、朝礼の時間が恐怖でしかない。

上司も、一番、イヤだと思うところをつくのです。


「◯◯ちゃん、君は、只石くんの何が悪いと思う?」


茶髪の若いバイトの女の子にあえて、みんなの前で質問をさせるのです。

すると、その子は、さも当たり前のごとく、、、、


バイトの子
ってか、そもそも、やる気無いですよね〜。 あれじゃ、ダメっしょ。
・・・・・・涙。


そして、僕は、2ヶ月と25日という、その会社創業以来、最短記録で、この会社もクビになった。

ちなみに、僕の入社前に入った女の子の営業マンが、1ヶ月で売れた金額が1万円という最低記録だったけど、僕は、辞めるまでの2ヶ月と25日間、売上ゼロ円という圧倒的な記録を残して、クビになった。


今でも覚えている屈辱は、その会社は、毎月月末が締め日で、月末までの分を25日に支払うので、

会社を去る時、その会社の社長が、


「おい、経理! コイツを銀行のATMに連れて行って、月末までの5日分、取り戻してこいや」


5日分を返さなければならない悔しさよりも、

僕が、1人で銀行に行くと、逃げると思われていることに、僕は、圧倒的な絶望感すら感じた。


また、

僕は、女の子に依存する生活に戻ってしまった。


僕は・・・社会復帰できるのか?


せっかくの会社もクビ、

夜の世界もダメ、

創業したてのベンチャー企業でも通用せず・・・


何が出来るというのか?


でも、結局、僕は動こうとすらしなかった。


変わりたいと思いつつ、変わる努力どころか、行動すらしない日々。


毎日のように、その子とも喧嘩、喧嘩、喧嘩。


そして、ついに喧嘩が・・・


それは些細なことがきっかけだった。


いつものように、喧嘩。些細なことで喧嘩が始まり、

お互いに、お互いを否定し合い、

口論が熱くなり、


たまたま近くに置いてあった包丁を彼女は、無意識に僕に投げつけた。


危ない!


避けようとした僕の腕めがけて包丁が飛んできて、バックリと腕が切れた。


尋常じゃない血が飛び散った、、、、はずだった。

しかし、テレビドラマのシーンとは違って、全く血も流れなかった。あまりに鋭利に切れたので血がすぐには出てこなかったのだ。

しかし、骨が見えた。生まれた初めて、歯以外で、自分の骨を見た。驚くほど白かった。なぜか、今でもあの真っ白な骨の色だけは覚えている。

そして、僕は思った。


「落ちるところまで落ちたわ。これが俗に言う、、、人生のドン底ってやつか。」


ストーリーをお読みいただき、ありがとうございます。ご覧いただいているサイト「STORYS.JP」は、誰もが自分らしいストーリーを歩めるきっかけ作りを目指しています。もし今のあなたが人生でうまくいかないことがあれば、STORYS.JP編集部に相談してみませんか? 次のバナーから人生相談を無料でお申し込みいただけます。

著者の只石 昌幸さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。