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14/11/24

パスワード入力という単純作業を大事件に仕立てあげた犯人検挙の話(かんちゃん2 パスワード×アスワード)

Image by Olia Gozha

僕の以前勤めた会社に、1歳年下で半年先輩という仲のいい社員がいた。

名前を「かんちゃん」という。



※画像はイメージです。かんちゃんではありません。



名前に見覚えがある方もいるかもしれない。

前回のストーリーにも登場した。

かんちゃん1(カラオケ×日本酒×失踪未遂)


かんちゃんは、すごい。

どうすごいかというと、

Tシャツだけ着替えるシチュエーションで、

Tシャツを着替えて、勢い余ってGパンも脱いで、Gパンをバッグにしまってから、

「あ・・・」

と、言い、脱がなくてよいGパンを脱いだうえにバッグにしまったことに気づく。

もちろんそのあと、バッグにしまったGパンを何食わぬ顔で取り出して履く。



かんちゃんは、すごい。

どうすごいかというと、

アメを食べようとしていたときのこと。


1.個包装のアメの袋を破る。


2.アメをゴミ箱に捨てる。


3.アメの袋を口に入れる。


4.それを5~6回噛む。


5.「あ・・・」


6.食べるほうを間違っていたことに気づき、アメの袋を口から取り出し、ゴミ箱に捨てる。



7.ゴミ箱からアメを拾って、気を取り直して口に入れる。


8.「あ・・・きたねっ」


9.どのみち、人として間違っていたことに気づく。


10.「まあいいや」

   口の中から、アメと一緒に口に入った髪の毛を取り出し、気を取り直してアメをなめる。



-こんな具合だ。

そんなかんちゃんが、またやらかしてくれた。


先日、社内のパソコンネットワーク環境の切り替えがあった。

これに当たり、社員にはパソコンにログインする際、パスワードを設定してもらう必要があった。

全員の初期パスワードを、一律【password】に設定してあるから、

これでログインしたあとに自分の好きなパスワードを設定するという作業だ。


作業自体は単純なので、社員各自、初めてで多少戸惑うものの順次設定が済んでいく。


さあ、かんちゃんの登場だ。

かんちゃん「(カタカタ、ターン!)あれ?」

かんちゃん「(カタカタ、ターン!)(カタカタ、ターン!)んーーー。」

かんちゃん「あ!分かった!」

かんちゃん「(カタカタ、ターン!!)あれーーー?」

にー「かんちゃん、どうしたの?」

かんちゃん「初期パスワード入れているのに、ログインできないんよー。」

にー「そんなはずないよ。」

かんちゃん「いや、だって実際にログインできないし。」

にー「【password】の【o】と【r】を順番間違えるとか、ベタなことやっているんじゃないの?」

かんちゃん「んー、もう一回、気をつけてやってみる。」

かんちゃん「(カタカタ、ターン!!!)あー、やっぱりダメだ、ログインできないよ、不具合じゃない?」

部長「(じぃ〜〜〜)・・・。」

部長「かんちゃん、もう一回入力してみて?」

隣にいた上司が、この事象を検証すべくかんちゃんに再度入力を命じた。

それに応じてかんちゃんが再度【password】を入力。

部長「(じぃ〜〜〜)・・・。」

かんちゃん「(カタカタ、タリラリ!)あ、ほら。ダメですよねえ。」

部長「・・・。」

部長「かんちゃん。」

部長「はい?」

部長「最初の【p】押してないよ。」


なんとビックリ、かんちゃんは【p】のうえに指を置いただけで【p】を打った気になり、

何度も【assword】(アスワード/和訳:ケツの穴言葉)でのログインを試みていたのだ。


そして、何度失敗しても、自分が【p】を打っていないことには気づけなかったのだ。

かんちゃんは気を取り直して、【p】をしっかり打ち、ログインを試みる。

かんちゃん「(カタカタ、ターン!!!!!)あれ?」

かんちゃん「やっぱりだめだ!これ、絶対不具合ですよ!」

部長「かんちゃん。」

かんちゃん「タリラリ?」

部長「【o】と【r】逆に打ってるよ。」

かんちゃん「嘘だぁ〜〜〜!?」

ウソならばログインできている。


こうして20回を超える失敗を経て、かんちゃんは初期パスワード【password】の入力に成功し、無事ログインできた。




〜〜〜この事件の1か月前、別件で新ユーザー用の6件ほどのアカウントの登録を、

今回と同様に初期パスワード【password】でかんちゃんにお願いしたが、

翌日ユーザーに提供したところ、【password】で初期ログインができなかったことがあった。


かんちゃんに初期設定ミスの疑いをかけると、かんちゃんは

「きちんと登録した」の一点張りで事件は闇に埋もれたのだが、

なるほど、これが原因だったのか。〜〜〜




完全に自分の失敗だったにもかかわらず”自分は悪くない顔”で首をかしげるかんちゃんの顔が、

真夏の太陽に照らされて美しかった。


おわり



※ストーリーに面白さを感じていただけましたら、おもしろ体験系で"ギリギリセーフの奮闘記「ゲイのおっさんにお持ち帰りされた話」"というストーリーも投稿しておりますので、そちらもぜひお読みいただければ嬉しいです。

ゲイのおっさんにお持ち帰りされた話



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