それは「心に風邪を引いた」ことから始まった③
今だったらどうしただろう?
今だったらわかることは沢山ある。
私のPCを勝手に初期化して、仕事の妨害をしても何のおとがめもなく
しかも他の同僚たちにまで怖れられていた後輩は
私がいることでずーっとパシリみたいな仕事しかさせられていなかった。
自分専用のPCもなければ、
船会社や銀行など、外出しないとならない仕事はすべて押し付けられて
事務仕事を任せてもらえなかった。
不満があるに決まってる。
私が気づいて、上司に掛け合うことだって出来たはずだ。
確かに税関に出す書類や有価証券などを扱っていたし、
分刻みで仕上げないとならないことも多かったので
新人を育てている暇はなかったのも事実。
当時の私は彼女の辛さやストレスに気づいてあげられなかった。
ランチタイムもプライベートも一緒に過ごすことが多かったのに
肝心なことはお互い何も話さず、コミュニケーションができていなかった。
彼女がいきなり手のひらを返して、
仕事を妨害し始めても、私は何も言わなかった。怒らなかった。
「どうしてこんなことをするの?」って
怒っていたなら、もっと腹を割って話しもできただろう。
そうやって向き合うことからも逃げていたのだ。
当時の私は何もわからなかった。
ただただ、体調が悪くなっていく一方だった。つづく
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