☆滅ぼし物語☆2期3章

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著者: 高橋 ひろりん

泡が上がる速度は次第に早くなり、モンスターが水面に姿をあらわした。

3話 完

4話(地震を起こした者)

モンスターは水たまりから出てきて辺りを見回している。

ソル「あいつはなんだ?」

フィリニア「あのモンスターはスイリュね。私は何度か倒したけどこんなに大きなのは始めて見たわ」

スイリュ「キピィィ!!」

スイリュはソルとフィリニアの存在に気づき警戒し始めている。ソルは剣を握り、スイリュに素早く近づき弧を描くように剣を振り下ろす。

ソル「この感覚・・・そうか!!」

先程とは違う手ごたえを感じた。剣はスイリュの鱗を削りながらめり込んだ。

スイリュ「キピィ!!」

ソルの攻撃に驚き、スイリュは長い尻尾で薙ぎ払うように反撃をしてきた。ソルは反応が遅れ、スイリュの尻尾をまともに受けた。

ソル「ぐはぁ!」

ソルはスイリュの尻尾攻撃を受けて地下水道の壁に叩きつけられる。

フィリニア「だめ!真正面から突っ込むのは危険です。」

ソル「そ、それは早く言ってくれないと困る・・・」

ソルは地下水道の壁に背中を強く打ったらしく、痛みを必死に堪えている。

スイリュ「キピィ!!」

スイリュは隙を与えないかのように水ブレスをソルに放つ。

ソル「う、うわぁ!」

スイリュが放った水ブレスはソルに向かっていく。その時、火の玉が飛んできて水ブレスを間一髪かき消した。

ソル「ありがとう。」

フィリニア「早く立って!」

ソルは背中の痛みを我慢して立ち上がり、剣を構え直した。

4話 完

☆スイリュ☆
  説明、普段は川や海に生息している蛇のモンスター。サイズは小さいのから大きいのまであり、場所によってサイズが変わっている。攻撃方法は、尻尾を使った薙ぎ払いや、水ブレス、体当たり、噛み付く。様々な攻撃ができる。身体を守る鱗は硬そうに見えて実は柔らかく、斬撃が一番効く。真正面から攻撃を仕掛けると危険なため、後ろに回りこんで攻撃するのが得策。

5話(スイリュとの戦闘「1」)

ソルは背中の痛みがまだ残っていた。地下水道の壁は異常に固く、鎧を着ているわけではなかったので衝突した時の衝撃を和らげる術はなかった。

フィリニア「まだ戦える?」

ソル「あ、あぁ。大丈夫だ」

スイリュは水ブレスを連続でソルに3発放った。

スイリュ「キピィィ」

フィリニア「避けて!」

ソル「言われなくともっ!」

横に回避したソルだったが水ブレスの射程範囲内だった。直撃したわけではなく、地下水道の壁に水ブレスが当たって水の塊がソルに襲いかかった。

(バシャアッ!)

ソルは水の塊に当たり、ビショビショに濡れた。さらに、外から吹き込む風により寒さが倍増する。

ソル「さ、さぶい・・・やばぁい」

フィリニア「もうっ!」

フィリニアはソルの心配を止めてスイリュに火の魔法を連続で唱える。杖の先から連続で放たれた火の玉の数は約6個。

スイリュ「キピィ?!」

火の玉は全てスイリュの身体へと吸い込まれるように当たっていく。

ソル「ず、ずげぇ」

あまりの寒さにソルは身体が凍りつきそうだ。さらに、剣を持つ手は悴んで動かなくなっていた。

ソル「く・・・」

その時、火の玉がソルに当たるすれすれに通り過ぎる。一瞬ではあったが服は乾き、寒さが消えて手が自由に動くようになった。

フィリニア「後でお仕置きね♪」

ソル「く・・・わかったよ」

ソルは剣を握り締めて、スイリュの後ろ側へと素早く回りこみ、剣を振り下ろした。

5話 完

6話(スイリュとの戦闘「2」)

振り下ろされた剣はスイリュの背中の鱗を切り裂き、柔らかい部分が剥き出しになる。

ソル「よしっ!このまま...」

剣を柔らかい部分に突き立てた。スイリュは苦しみ始め、バタバタと動いてソルから遠ざかる。剣は突き刺さったままで確実に体力を削っていく。

フィリニア「やるわね」

ソル「これでお仕置きはなしに!」

フィリニア「いえ、やっぱりだめ」

ソル「ず、ずるいぞ(泣)」

スイリュはバタバタとさせて刺さっている剣が抜け落ちた。

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