自閉症スペクトラムの私が生きる世界(2)

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前話: 自閉症スペクトラムの私が生きる世界(1)

来る日も、来る日も、菓子パンしか食べない私。


パンじゃないと、パニックになる。


食事のたびに、パニックを起こす私。


母は、とても苦しかったと思います。




この同じものを好む感覚は、すべてのものに反映していて、


毎日使う、コップやお皿、スプーンや箸まで、


いつものものでないといけませんでした。


だから、外食が大嫌いでした。苦痛でしかありませんでした。





一番困ったことは、学校にもっていく筆箱でした。


鉛筆を並べる順番があって、消しゴムもちゃんと同じところにないと、納得できませんでした。


私が、悲しかったのは、鉛筆が削るたびに、小さくなっていくことでした。


母から、鉛筆は、使うと短くなっていくのだということ、短くなっていくことは、


たくさん勉強しているから、いいことだということを聞いて、やっと納得できたと思います。




私の中には、こだわりがあって、こうでないといけないのだと、


いろんなものやことに対して思っていたように感じます。


なので、私の頭の中のことを、書き換えるように、だれかに、今まではこうだったけど、


もうこうなったんだよと言ってもらうことが、大事だったように思います。





また、短くなった鉛筆を、鉛筆の長さ順に並べないと嫌でした。


何度も、筆箱の蓋を開け閉めして、鉛筆の並んでいる順番を確認するのですが、


筆箱の蓋を閉めると、そのことをすぐに忘れてしまいます。


このコトがあるので、学校に行っても、何度も筆箱を開け閉めして、


何度も鉛筆を出したり入れたりして確認し、授業は全く聞いてなかったようです(笑)。








そして、私は、とても疲れやすかったと思います。


また、力を100%出し切るタイプの子どもでした。


幼稚園の時も、小学校の時も、何かの行事の前の練習の時期は、特に


とても疲れてしまって、夕食の前に寝てしまうこともあったようです。




行事の前でなくても、梅雨の時期もそうでした。


そんな時の、特に寝る前の時間がとても大変で、


私の中では、キーンという耳鳴りがしたり、


空間が歪んで気持ち悪くてどうしようもなくなったり、


足がだるくてだるくて、どこかへ引っ張られそうになったりしました。


この感覚は、日中に、やってくることもありました。


こんな時、私は、自分ではどうしようもなくなって、泣き叫ぶかしかありませんでした。


大人になったいまでも、この感覚がよみがえる時があります。




疲れやすいというのは、障がいをもった子どもの特徴でもあると感じています。


そして、それを本人は気づくことができません。


いろんな行事の前後や、そうでなくても、


何かストレスを感じるようなことがある日には、どうぞ、気をつけてあげてください。


そして、食事をさせて、お風呂にいれて、休ませると考えるより、


なにをおいても、すぐに休ませてあげてください。


寝る場所も、いつもの場所でないと、寝れないことがあると思います。


いつもの時間、いつもの場所でないと不安なのです。


このことにも、工夫が必要かと思います。




疲れている時は、すぐに寝たほうがいいといっても、なかなか寝ることができないのも事実です。


特に、寝る時間じゃない時に、寝ることは自分の中の決まりにはないので、


寝ることができないのです。


そういう時は、


「いつもは8時にねるんだけど、今日はつかれているから、6時にねることになったよ」


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