幼児から気付かされた純粋に生きることの大切さ

著者: 加藤 邦亮



あれは確か大学3年の時だ

いつものように授業を終え、電車に乗って自宅の最寄り駅に向かった

就職活動真っ只中で、吊り革を掴みながら自分の将来について考えていた

そして30分後、駅に到着

エスカレーターを使い、自動的に身体が地上へと導かれる

地上に着くと、何やら子どもたちの騒がしい声が聞こえた

その声が聞こえる方に視線をズラすと、2人の幼児が無邪気に戯れていた

人間観察が好きな僕は、少しその幼児たちを観察することにした

すると突然、1人の幼児が空を見上げてこんな言葉を発した

あれ?あっちの空だけ晴れてる

空を見上げると、晴天と曇天にくっきり分かれていた

気付くか気付かないかの違いだけかもしれない

ただ、気付けなかった自分がちょっぴり哀しかった

大人になるにつれて、子供のような純粋な気持ちは薄れていくんじゃないか

こんなことを思い、これから社会人になる為、必死に就職活動をしている自分に嫌気が差した。

この2人の幼児を観て思った

子供はきっと、大人よりも些細な変化に気付きやすい

それは感覚で生きている部分が強いからだと思う

理性がそれほど発達してないから、子供は感覚的に物事をとらえる

この時の私は、この幼児たちを観て羨ましいと感じていた

だけど、今はこう思う

一番良いのは、理性的であることと、感覚的であることのバランスを保って生きることだ

大人になっても子供のような無垢な心は消えたりはしない

自分の夢があり、その夢を実現するために、試行錯誤して一度きりの人生でやりたいことをやりぬく

きっと、その時は子供のように無垢な笑顔で笑っているだろう


今でもこの時の記憶は鮮明に覚えており、この時出会った幼児2人には感謝している






著者の加藤 邦亮さんに人生相談を申込む