【第七話】『そして、旅に出る』〜死に場所を探して11日間歩き続けたら、どんなものよりも大切な宝物を見付けた話〜
その意志が、「死」だとしても、
「生」だとしても、
それは僕が納得して選んだ答えなんだ。
後悔することなんて絶対に無い。
覚悟は決まった。
さぁ、出発しよう!
そして、旅に出る…
2013年10月14日。
朝の5時起床、
6時半の電車に乗り、スタート地点の相模湖駅へ向かう。
少しの不安はあったが、ワクワクしていた。
初めての一人旅。
僕は今までやりたかった夢を実現するのだ。
高尾山へ行く登山客に混じりながら、相模湖駅に到着。
いつもより早起きなのと、緊張で、
う◯ちがしたくなった…。
最高の状態でスタートしなければ。
僕はトイレに向かう。
事件発生…
荷物がデカ過ぎて、個室に入れない…。
荷物を先に入れるが、今度はドアが閉まらない…。
その間にも襲い来る便意…。
ドアを閉められても、ズボンが下ろせない…。
タイツが脱げない…。
スタート直前、僕はトイレでパニックに陥る。
なんだろうね。
トイレが見えた途端に急に便意が襲ってくるのって…。
そんな時に限って、ベルトが外れなかったり、
ボタンが外れなかったりするのって…。
なんでだろうね…。
不思議だよね…。
………。
少し時間はかかったが、
いつもより入念に搾り出し、体調は万全だ!
しかし、このデカイ荷物…。
屈めば、前に倒れ込んでしまう。
背中を反れば、そのまま後ろにぶっ倒れてしまう。
僕の身体は、荷物に遊ばれていた…。
「重過ぎる…。」
間違いなく、詰め過ぎだ。
うちには体重計が無いため、何kgかは分からなかったが、
今まで担いだことのない重さだった。
でも、
やるしかない!
歩くしかない!
前に進むしかないんだ!
相模湖駅のロータリーで、ストレッチをした。
天気は晴れ。
暑くもなく、寒くもなく、過ごしやすい陽気だ。
スタートにふさわしい!
天気までもが、僕に味方してくれているような気がした。
歩数計を0にセットする。
AM 8:20…
僕の、
日本海への旅…
自分の限界を探す旅…
弱い自分に勝つ旅…
死に場所を探す旅…
が始まった。
つづく…。
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