猫は鎹(かすがい)
「ねえゴンちゃん、ひどいと思わない~?」
そんな両親のぐちをゴンは
顔はそっぽを向いてるけど
長いしっぽをフリフリしながら
イチイチ反応していました。
「ま、エサもらってるし、ちよっとは
聞いとかないとな……」
てな感じだったでしょうか。
私にとっても
不毛な独身時代を支えてくれてたのは
ゴンだったかもしれません。
夜中に意味もなくリビングで遊びました。
大好きだったウサギの毛でできた
パンダの腕人形を私が着けて
おいかけっこをするのです。
あまり運動神経の良い猫では
ありませんでしたが、
猫キックだけは秀逸。
パンダの腕人形でゴンの頭を鷲掴みにすると
ゴンは猫キックで応戦!!
「カッカッカッカッカッ!!」
寝るときは、私が寝ている布団の上、
私の首から胸当たりに身体を丸めて
ゴロゴロいいながらドスンと重い。
うちの奥さんに出会う前
私の携帯の待受はもちろんゴン!
携帯内の写真もゴンの写真ばっかり。
母に携帯の写真を見せた時があって
「ちょっとあんた、たまには彼女の写真とか
見せてよねえ~。ゴンしか写ってないじゃないの~」
と言われた記憶があります(汗。
私の独身時代を支えてくれたゴン!
老夫婦の絆を繋いでくれたゴン!
今までありがとう。
天国の「ひょろ」「ていこ」と一緒に
仲良く遊んでくれ!
ああ、もう一度ネコキック
してもらいたかったなあ~……。
今ごろになって
書いていたら涙が出てきました。
紙に書いてなくて良かった。
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