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なぜ若者が働かないのか?介護施設で働いてわかったこと

3K、低賃金、いじめ以外に若者が来ない理由を体感して検証してみた


私は製造業の人手対策が専門だ。今回「何故介護業界が人不足なのか?」検証のため某施設にドライバー件お手伝いとしてアルバイトを2ヶ月間してみた。私は介護の資格がないので無資格可能業務から入らざるを得ない。そのためドライバーからの視点でこの業界を見てみようと思ったのだ。


ドライバーは朝夕勤務のみ。朝は利用者のお迎え、夕方は送り出しで余った時間は中のことを手伝う。(例:入浴後利用者のドライヤー掛け、洗濯、掃除等)毎日施設には6名ほどのスタッフがいて忙しそうに動いている。ある意味どこの施設でも似たり寄ったりの風景だ。


入所して働きだした当初、私は気がついた。

作業マニュアルが何もないのだ。製造であれば全ての詳細の業務にマニュアルが完備されている。私は先輩に聞いてみた。

「すみません、なぜマニュアルがないのですか?」

先輩が答えた。

「そんなもの・・・・あってもしょうがないでしょう?邪魔なだけですよ。」

私は更に聞いた。

「でも何かわからないことがあったたらどうするのですか?」

先輩が答えた。

「そりゃあ・・・体で覚えるってことよ。」

体で覚える??どこかで聞いたことがある。そうだ。中小製造に訪問したとき何も作業手順書がないので従業員が困っていると社長に聞いたとき「体で覚えろ!!」と言った言葉。まるで明治時代の丁稚奉公制度と同じだ。


体で覚えろ、ということは今やどんな外食産業にもマニュアルはある。つまり前時代的な発想だ。


マニュアルがないため、スタッフ同士での解釈や行動が皆バラバラなのだ。例えば利用者Aさんが車椅子を必要としているかしていないかはスタッフが各自決めることになっている。

これはおかしいだろう?そう思い所長に聞いてみた。すると所長は、

「現場のことは現場に聞いてください。」

え?所長は現場を管理しないの?ケアマネージャーだからそれだけのプランを作るだけが現状なのだ。利用者の苦情は聞いても、スタッフの苦情を聞く余裕がない。確かにそうだ。


これではベテランの人間が長い期間働いてきたので幅を利かす。しかし新しい社員が入ってきてもちんぷんかんぷんで何ををしたらいいのかわからないだろう?

つまりマニュアルがないと、新人が入ってきてもいろんなトラブルが生じる。スタッフ各自の解釈に任せているなんてどう見てもおかしい。


年配の「お局様」が幅を利かすので、スタッフ同士の中で派閥ができる。よって派閥間の小競り合いができて同時にいじめもできる。

何もわからない新人さんが入ると大変だ。早速ネチネチしたいじめが始まる。

「Bさんなになに持ってきて。」

「え?それどこにあるのですか?」

「自分で探しなさいよ!!」

現場は確かに忙しいのはわかる。けれど言い方にも程がある。もっと丁寧にできないのか?


あと利用者に対する対応の違いもある。

スタッフの好き嫌いで利用者に対する対応差別だ。好きな利用者に対しては「・・ちゃ~ん、お茶いれますわね。」と異常に愛情を示すのに。嫌いな利用者には愛想もない。無視だ。

これも前述した「マニュアルの不完備」が原因している。


それから従業員に対する将来のロードマップを見せていない。上はやたら「資格をとれとれ」というが

取ったあとどういうメリットがあるのかを全く示していない。給与が上がるとか位が上がるとか何もないのだ。資格を取ったらむしろもっと過酷な仕事に就かされる可能性もある。しかも資格取得は自腹を切らざるをえない法人もたくさんある。こんな条件で誰が資格なんぞ取れるものか!?


いろいろ施設のことを書いてもキリがない。若者が逃げ出す理由はたくさんある。その中でもマニュアルがないのはどうであろうか?何か問題が起きたらマニュアルが参照になる。しかしそれが全くない。


これから団塊の世代が大量に施設に流れていくことになる。そうなったらもう日々の業務に追いやられハチャメチャな状況になる。新人教育も何もできない施設が人を育てるなんて出来るはずがない。


私は思う。「体で覚えろ」という意見を「マニュアルの・・・を参照して下さい」に早く変換してほしい。


時代遅れの介護業界にならないよう、この辺尽力して欲しいものだ。特に若い人が介護に行かない理由は明白だ。ほかの業界に行ったほうが待遇や業務面で介護よりよほど優れている。


もうひとつの私の懸念は、これから外国人介護士がたくさん入ってくると思う。これらの外国人介護士が日本の介護業界に溶け込めるかどうかなのだ。

マニュアルもない、いじめは日常茶飯事、資格を強制的に取らせる、賃金は上がらない、外国人が入ってもバタバタ辞めてしまわないか?


そうならないためにも介護業界の全面的なリニューアル改革は必要だろう。



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元海外添乗員、外資系企業営業と大手人材会社を経て、中国の上海に単独渡航、13年日本に帰国。現在学校の教務職にある。

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鈴木 秀顕

うーん、従業員数が一桁の職場にしっかりしたマニュアルがあると仮定してる方がおかしいと思います。
マニュアルがないと仕事できないような思考停止してません?

Takahashi Yasuko

私がハケンで働いている経済産業省傘下の某独立行政法人秘書室もまったくこのとおりのことが起きています。結局、古参のスタッフ、それも正社員は二年ほどで部署を異動するので、室長がデキる人ならまだよいですが、異動しない嘱託社員が、好き嫌いで「仕事のやり方を伝授」するのですから、たまったものではありません。
「生き字引」として、なまじプロパー役員の信頼を受けているので、この古参の嘱託職員が結託すると、「クビになるから気をつけて」と、ハケン会社から言われました。
私の経験からすると、このような会社は早々に潰れるのですが、なにせお役所ですから。
人はいろいろなバックボーンを持ち、雇用形態もばらばらの中で、よりよく、うまいこと仕事が出来るように誘導するべきでは、と、その昔、巨大組織にいて、組織論を学んだ私などは思うのです。

辰島 妙子

全くその通りです。
私も同じ事を言われました。
ケアマネ業務に移動になり、
ケアプランを立てる際の操作方法を訪ねたのですが、帰って来た言葉は、みんな自力で覚えたんだから、甘えないで努力さなさい。でした。契約を涙が出てしまい、私はイジメにあった気分でした。
介護や福祉の職場は、それが当たり前であり、出来ないと、仕事が出来ない人間と烙印を押されてしまいます。
私もその1人です。
仕事が出来ない人間がいる事で、沢山のメリットがあります。
それは、現在働いてある人の評価も上がります。這い上がってくるのを福祉の職場はとても嫌がります。
仕事を取られると危機感を覚える為、絶対には、教えません。
言葉も巧みで、やる気を見せろ、もっと努力しろ、前向きに考えろと言う言葉に矛盾を感じます。
介護や福祉の言葉で良く、助けあいとか、連携、協働と言う文言が使われますが、実際の職場ではそれは程遠い環境で、弱い者イジメが行われています。
上司達からしてもその光景が娯楽とでもいいましょうか、それを見て自分達のストレス発散にしているようです。
鬱になったりして仕事を辞めて行かれた人も沢山いますが、脱落者で終わらせており、さも自分達が勝者の感情を味わう事が出来る最高の瞬間のようです。

西村 和雄

福祉の世界はどこを見てもマニュアルが整備されたものはありませんね。もっとも、要介護者ひとりひとり、支援児童ひとりひとりの様子が違うという面もありましょう。
今の事業所は社長が率先して、注意すべき事項やヒヤリハットを通じて情報の共有化を推めていますが、こんどは書類の山。
(T_T)

Toidume Makoto

マニュアル無しも問題だけど、従業員全員が自分の身の回りしか見えてない、全体図を把握してない、コミュニケーションもとれてない、よって連携とれずにバラバラ、ちゃんとしたリーダーがいないのもなあ…

阿部 真人

お気持ち察します。コメントありがとうございます。世の中、特に組織は十人十色で様々な人財がいます。残念ながら日本にはそうした組織のコントロールを知って実行できる人が実に少ないです。日本がよく言われる「(組織の)生産性が悪い」というのはこうした組織のコントルールに原因があると思います。まさにおっしゃるとおりだと思います。

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