【第2話】〜生きようと決めて1年間闘い続けたら、過去がすべて今に繋がっていた話〜

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それに、僕はとことん素直だったから、僕を利用する人もいた。

僕は、今までやって来た事が

「ただの偽善だったのか?」

と思うようになった。

「僕は偽善者なのか?」

と思った。

社員や、信じてた人にも利用されていたことが分かり、人間不信になった。

その人達は、次第に、

「本当使えねぇな!」

「ダメリーダー!」

「偽善者!」

と日頃から言うようになった。

何かにつけて僕に責任を擦り付けた。

ある意味、信頼されていたのかもしれないが、

誰かや何かに責任を押しつけていては、現状は何も変わらない。

何かの問題はあるのは事実なのに、改善の余地が無いなら、

こんなところで僕がいくら頑張ってもムダなことだと思った。

僕は何だかバカらしくなって、他のバイトに迷惑になるが、ある日いきなりバックれた。

そしてそのまま大学を卒業した。



就活をしなかった僕は、大学卒業と同時にニートになった。


今思えば、僕がうつ病になった原因は、

大学4年〜卒業した辺りのこの時期に大きく関係しているのだと思う。

僕がうつ病になったキッカケは仕事と婚約破棄だったが、

根本の原因はもっと昔のもっともっと深い部分にあったのだと思う。


うつ病になる直前の出来事は、キッカケに過ぎない。

本当の原因は、家庭環境や価値観、

トラウマや幼い頃のショックな出来事、

抱え続けている疑問や葛藤、こういったところにある。

過去に言われたたった一言が原因だってこともある。


実は僕は、何度かニートや引きこもりを経験している。

しかも大学を卒業してから。


僕の闇はどんどん深くなっていった。

高校の時のステージに立っていた僕の面影は無く、

自分のことを「天才だ!」なんて思う事は1ミリもなくなっていた。


でも、そんな時にいつも僕を引っ張り上げてくれたのが、友達だった。

遊びに誘っても、断り続ける僕を、家まで迎えに来て、強制的に外に連れ出してくれた。

お金が無い僕に、

「気にすんなよ!ひーくんいれば楽しいから!」

と言って、よく奢ってくれた。

この友達のありがたい好意のおかげで、

僕はバイトをする事を決断し、そこで婚約破棄になった彼女と出逢った。


それからもバイトを転々としたりしていたけど、本格的に結婚を視野に入れて、就職しようと決めた。僕はまたステージに立ちたいと思っていた。

メッセージを伝えたいと思っていた。

でも、仕事をして家庭を持って、平凡に暮らすのが一番の幸せなんだと思った。

今思えば、この時僕は、何かを諦めたんだと思う。

夢みたいな何かを。

夢よりも結婚が大切なモノだと思ったから。


しかし、何かと上手くいった。

就活すれば、一社目で内定。

一年目で会社内トップの成績、

社長や上司、先輩達にも可愛がってもらえたし、

僕はやっと失っていた自信を取り戻した気がしていた。

「僕って天才!」と思っていた。


しかし、休職、そして婚約破棄になり、

せっかく取り戻しかけていた自信は、また一気に崩れ去った。

というか、跡形も無くなった。

必死で自信を取り戻そうと、日本海へ旅をしても、

たった2ヶ月でバイトに行けなくなり、また自信を失った。

絶望的だった。


そんな時に、躁うつ病と診断された。

これは、かなりショッキングな出来事だったが、と同時に、

「やはり僕には天才の素質があるんだ!」

という全く根拠のない自信にもなったことは事実だ。

何か大切なことを思い出した気がした。


普通じゃない精神状態だったからなのか、僕が単なるオメデタイ奴なのか…。

多分きっと両方だと思う。笑

が、ここでまた僕の考え方が変わった。


「出来る時に全力を尽くせばいい!」


躁うつ病は、うつ病と違い、躁状態と言われる時は、

半端じゃない集中力や、行動力を発揮する。

そのタイミングを利用して、出来る事をとことんやって、

その間にカタチにしてしまえばいいと思った。

その後のうつ状態はこれまた半端じゃなくうつになるのだけれど…。

何かが出来る時に何かを成し遂げたら、

それが自信になって、うつの状態もそこまで酷くならないんじゃないか?と考えた。


今の僕に足りないのは、自信。

今の僕が必要なのは、自信。


「何か一つでも出来る事を積み重ねていくことが大切なんだ!」と思った。



知らぬ道、一度通れば恐くない!


躁状態のときは、詩を書きまくった。

色んな事を考えまくった。


どんな時にどんな感情になるのか?

何をすれば調子が良くて、何をすれば調子が悪くなるのか?

うつ状態の時の感情や状態、考え方や行動はどうなっているか?

何が足りないのか?

何が必要なのか?

どうすれば治るのか?


哲学みたいに誰もが考えもしないような当たり前の事をめちゃめちゃ考えた。

元々、哲学的なことを考える事とか、それを詩にするのが好きだったというのもある。


思ったこと、思いついた事は、その場で携帯にメモし、カタチに残した。

「今その時の感情を忘れない。」


人は常に変化している。

以前の状態に戻る事はない。

絶対に忘れていくものだ。

僕は、この経験をいつか絶対に活かしたいと思っていたから、

その時の感情を書き残した。

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