ドバトの犠牲者

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ちなみに、この息子らしきハト、数日前に、同じフロアの別の部屋のベランダに小枝を運んでいるのを見た。まだ孵化して1か月ぐらいなので生殖能力があるとは思えない。おそらく母鳩の産卵に備えてのお手伝いか?標的にされた世帯はご苦労様です。

 その親子らしき連れは、また、我が家のベランダの定位置にいつものように来た。そして、♂ハトが枝を運んできて、息子がそれを受けて巣を作り始める???



 そんなはずはない。巣は♀が作るものだ。これは親子ではなく、つがいではないか?


 慌てて映像を確認、息子のハトとは微妙なところで白い斑点の位置が違っていた。これは息子ではなく♀ハトだ。ただ、この前の♀ハトとはだいぶ外見が異なる。ちなみに、♂ハトも過去の映像と突合したが、こちらは間違いなく当初から居座っている♂ハトだ。ハトは不倫をしないというのだから、前の奥さんとは死別したのか生き別れになったのか・・・・・。


 そうとなれば、緊急事態だ。また巣を作り、卵を産みにきたに違いない。ベランダは緊急封鎖しなければ。


 そうしている時に、ベランダの造木の葉に身を隠すように手摺りに居座るつがい。数十分間、人が近づいても警戒せずじっとしていた。今度は♂も♀も外見上よく似ていて、峻別するのは難しい。行動でようやくわかるぐらいだ。そして、そのつがいは突如隣の建物に移った。そこで、これらを本当につがいと認定する決定的瞬間を目撃した。

 交尾しているではないか・・・・・・


 これは間違いなく、また、うちにきて卵を産むつもりだ。

 早速、ベランダを完全封鎖するための準備に入った。

 さて、直接何か大きな効果があるわけではないが、放水することもハトを撃退するためには後々間接的に効果があるようだ。

 ハトは水飲み場に近いところに巣を作るそうだが、水が直接かかってくるような所には作らない。むしろ水には弱いと見る。

 よく水の流れる排水溝に巣を作っても、頻繁に濡れる所だと、卵の生育も悪いし、雛も育たないようだ。♀が巣作りの場所を選ぶときは、水飲み場に近く、直接風雨の当たらない所を選ぶと言われている。

 これを逆手に取ったわけではないが、何度か鳩に水をかけてみたことがある。水と言っても、風呂の残り水とか飲みかけのもので良い。それを上から滝のようにかけてみると、当然そこから逃げ出す。

 しばらくすると、また当然のように元の場所に戻って来るが、♀ハト及び雛(ある程度成長してから)にこれを何度か続けたら、ハトは風雨の当たる場所と認識したのか、そのハト及び巣立ち後の雛はその後将来的にうちに寄り付かなくなった。

 一度、雛が糞まみれで汚かったので、洗う意味で、界面活性剤を少し加えた風呂の残り水を上から滝行のようにかけたことがある。しかし、雛の健康には特に影響なかった。(これが農薬などを混ぜると、法に触れるようなことになるかもしれない)ただ、雛はこれでこの場所に嫌気がしただろう。

 また、雨もそうだが、大量の水にぬれると羽毛が傷み、体温低下の原因にもなるようだ。だから、羽繕いで自らの体から出る油を羽に塗って、水をはじくような羽にしているとのこと。

 ただ、まだこれをできていない鳩が1羽いる。それが♂ハトだ。すぐ逃げるので、なかなか捕まらない。これに放水できれば、居座りの張本人を駆逐することができるかもしれない。

 だが、ベランダを完全封鎖する前に一つ問題があった。

  台風接近中

 ということで、ネットを張る完全封鎖は台風通過を待つとして、それまでにできることをやってみた。


 これまで、室外機裏の隙間を塞いでいた造木に替えて、プランターの面積が広い、観葉植物(シマトネリコ)を移動させてきた。これで排水溝以外はこのプランターの上に乗らないといけない。

 しかし、


 ♀ハトはベランダに入るなり、すぐさまプランターの上に乗り、巣作りを始めた。プランターの上であっても卵を産むつもりなんだろう。ま、土の上なら(ウッドチップもあるがw)、糞も堆肥化できるし、まあいいかなー。w(と思っていたら雛が成長したときに激しく後悔する)

もうつがいでゆっくりくつろいでいる。心なしか♀のお腹が大きくなっているような、こりゃカウントダウンだw

そして、台風が接近したが、雨が降らず、風も大したことなさそうだったので、予定を前倒しして、ベランダの封鎖作業を行った。


↑今まで自由に出入りができたコンクリートの切り込みに


両端を園芸用支柱にくくりつけた鳩除けネットを付けた。


ただ、ハトのことである。これで封鎖できたかどうかはあと数日の時間が要る。

 ベランダ封鎖の翌朝、いつもの鳴き声も控えめで久々に静かな朝を迎えたと思った。

 しかし、夕方、帰宅後に映像をチェックしたらとんでもない光景が!!

ちょ、正面突破かよ・・・・・w

♂ハトがネットを張り巡らしたバリケードを体当たりで破壊している様子が映っていた。

 そして、このバリケードは無残にも半壊し、ハトの侵入口を再び与えることになってしまった。

 封鎖時、一筋縄ではいかないかもしれないとは思っていたが、まさか、ここまでするとは、ハトの縄張り意識は恐ろしいものだ。

 こうしてベランダ封鎖は思いもかけず、早期の見直しを迫られた。

   それならばこれはどうだ。


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