笑顔の仮面を脱いで、本当の笑顔へたどり着くための働き方-笑いたくないのに、笑っている人へ-

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「もっと安かったら、買ってあげるのにな。」



新宿にある色んな会社が入った雑居ビル。

その雑居ビルの一室の古びたソファーに僕は座っている。

「ホームページちょうどリニューアルしたかったんだよね。」


数日前にもらったその言葉に期待して訪れた営業先だ。

机の上には、うちのホームページ制作のサービスについて書かれたチラシが置かれている。


そのチラシを見ながら、説明をひとしきり終えた僕に営業先の社長が口を開く。




「もっと安かったら買ってあげるのにな。」


その言葉に、僕は、ひどくうんざりしている。

「またかよ…。」心ではそう思っている。


それでも僕の口から出たのは、

「いくらくらいをご希望でしょうか?」という言葉。


顔は笑っている。何も楽しくないのに…。


雑居ビルから出た途端、大きなため息が出る。

その瞬間、腹痛に襲われた。昨日の夜もこの腹痛のせいで、眠れなかった。




学生時代の友達2人と意気揚々と起業したのが、3か月前。

ホームページをつくって、電話やメールが来るのを楽しみに待ったが、

何も起こらないまま1か月が過ぎた。


「動かなきゃだめだ!」と思い、とにかく人に会いまくった。

交流会には、最低週2回出るようにした。名刺も300人以上と交換した。

その後、打ち合わせした人もいた。


だけど、うちのサービスを買ってくれた人は誰もいなかった。


「売る」ということに対しての自信は、日々無くなっていった。

みんなの読んで良かった!